一応花壇なのに,いつの間にか蕗がはびこり今では意図していないモノだけで占領されてしまった。
花壇の草取りは,いつしか蕗取りになってしまった。
毎年、この時季になると蕗を採っては送っていた。
その一人は母だった。結婚を機に町に住んだ母だったが,蕗が好物だった。
この時期の忙しい畑仕事の合間に私は蕗を採っては送っていた。
作ったキャラブキをご近所にお裾分けしてよろこんでもらえたといつもうれしそうなお礼の電話があった。
もうそれも思い出の一つになってしまった。
この地元のおばあちゃんからきゃら蕗を戴いた。
皮をむいて,アク抜きしコトコト時間をかけて煮込んだ物だと渡された時に何度もそれを口にしていた。
それもその筈、不自由な左手と杖突きながらの仕事なのだ。
多分いつも世話をかけるからとそのお礼なのだろう。
私も作るからと断るのも申し訳ないと思い、戴いた。
おばあちゃんのそれは,やはり甘く柔らかかった。いわゆる昔ながらの正当派の作り方だ。
私が作る物は,出汁と醤油のみで砂糖は一切使わない。しかも歯応えを残したところで止める。
我が家ではこれに慣れているので,この甘いキャラブキは人気がなかった。
この場合どうすればいいのだろう。
幸い東京に出る用事があると言う住職に訳を話して持って行ってもらった。
残りは,今日ひじきの煮物の中に入れてしまった。
あれだけの量にかけた時間と手間を思う。
今度会ったら、やはりおいしかったよ、と言ってしまうだろう。

左が私、右がおばあちゃんの。

今盛りの山法師。








