牡丹鍋が街を走る。

今年はイノシシ年である。そういうわけからではないのだろうが、年末に近づいて、やけにイノシイたちが我がもの顔に，街を徘徊し始めた。箱根も湯元ではアーバンイノシシとして名をはせているが、このような都市型のイノシシは神戸でも見られていたし、最近では東京の国立を疾走して、人々を驚かせた。野生動物が安全で、えさの豊富な人家近くに進出するのは、イノシシだけではない。狸もいるし、アライグマもいる。一度、味を占めてしまえば、これほどに居心地の良い場所はないのだ。何よりも都会は暖かい。日本では法律により、むやみに動物を殺せない。自然動物を保護することは重要なことで、多くの国では、動物の方が怖くて、人家に近づかないのが一般的だ。イノシシは特に猟の標的だ。しかし、今、イスラエルでも、日本と同じような問題が起こっているという。イノシシが公園や田畑に出没し、被害を与えているというのだ。まあ、ある程度、彼らにもボタン鍋になってもらわなければならないのである。寒い冬には温泉上がりに、牡丹鍋を食すのは野趣な趣もあり、最高である。（くちなし亭、12月17日）

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