中国の新車販売は今年11月まで17カ月連続で前年実績と比べて減少している。この状況を受け、中国自動車工業協会は2020年の新車販売台数が前年実績を下回るとの見通しを示した。中国経済そのものも減速傾向で、19年は2年連続のマイナス成長となることが確実。このままでは3年連続の前年割れが視野に入る。そのような中で、中国自動車産業はメーカ数の多さや、政府補助金切れなどで、さらなる苦境に入っている。ただ、日本車は比較的堅調で、トヨタ自動車やホンダが好調を維持しているという。不思議なことに、各社が値下げ合戦に入っている中で、日本メーカーは値下げをしていない。それでも売れるのである。しかも、比較的にレクサスなどの高級車が売れている。日本メーカーでも、値段の安い車を売るマツダやスズキは苦戦している。この傾向は実は今に始まったことではないらしい。中国では不景気になると日本車が売れる。2008年のリーマン・ショック時には中国のGDPは4.5ポイント下落したが、その年の日本車の中国における販売台数は174万台に達して、前年同期比15.23%増、シェアも25%上昇し、史上最高を記録した。この数年の中国経済の減速時期でも、日本車は独壇場にある。その間に、何か因果関係があるのかどうかは分からないが、つまりは不況期と言っても、お金持ちは存在するのだ。不況期のしわ寄せはもっぱら中間層や低所得者層に来ることは明らかで、彼らが買っていた車の需要が減っているということだ。(くちなし亭、12月20日)
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