以下動画、文の2つは国内では知ることが出来ない内容が多々あり、世界はグローバリスト VS 反グローバリストの戦いであることが分かります。大本営教信者から私達も目を覚ます必要が有りそうです。
インタビューズ・ジャパン - YouTubeさんの動画紹介です。
メディアが報道しない、ウクライナ問題を分かりやすく説明されています。
2023.05.21 櫻井ジャーナルさんの記事紹介です。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202305210000/
「バフムート陥落という現実を前に立ちすくむG7」
ワグナー・グループを率いるエフゲニー・プリゴジンは5月20日、バフムート(アルチョモフスク)の「解放」を宣言、25日から部隊を撤退させると発表した。その際、セルゲイ・スロビキン上級大将とミハイル・ミジンチェフ上級大将に謝意を表している。
スロビキンは昨年10月、ドンバス、ヘルソン、ザポリージャの統合司令官に任命された軍人、第2次チェチェン戦争を経験した後にシリアで司令官を務め、アル・カイダ系の武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国などとも表記)などを敗走させた。
バフムートの前、ワグナー・グループは岩塩の採掘場を利用した全長200キロメートルという「地下要塞」が建設されていたソレダルを制圧している。その直後、ワレリー・ゲラシモフ参謀総長が軍事作戦の統合司令官に就任し、スロビキンは副官になるのだが、指揮の実態に変化はない。その頃、ウクライナでの戦闘はロシア軍対NATO軍という様相を強めていた。
ミジンチェフも有能な指揮官としてしられ、マリウポリを解放した作戦を指揮していた。ここは戦略的に重要で、2014年2月にクーデターでキエフを制圧したネオ・ナチ体制はマリウポリに戦車部隊を突入させ、制圧している。
マリウポリを占領、拠点化していたのはネオ・ナチを主力とするアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊やアゾフ連隊とも言われる)。内務省に所属する親衛隊の中核で、ロシア軍が攻撃を始めると住民は人質として使い始める。
ジョー・バイデン政権はウクライナでロシア軍が「ジェノサイド」を行っていると主張、それを西側の有力メディアは宣伝しているが、解放されたマリウポリ市民は異口同音に親衛隊の残虐行為を告発していた。その様子を撮影した映像がインターネット上に流れている。アメリカの情報機関に従属しているハイテク企業はそうした映像を削除したが、削除しきれていない。世界に人が実態を知ることができたということだ。それを知らないとするなら、情報を西側の支配者に依存していることを意味している。(例えばココやココ)
親衛隊などが住民を人質にして立てこもっていたのアゾフスタル製鉄所からも住民が脱出、そのひとりであるナタリア・ウスマノバの証言をシュピーゲル誌は3分間の映像付きで5月2日に伝えたが、すぐに削除してしまう。彼女は親衛隊の残虐な行為を告発、ロシアへ避難し、戻る場所はドネツクしかないとし、ウクライナを拒否する発言が含まれていたからだ。
シュピーゲルが流したウスマノバの証言映像は西側メディアにとって都合の悪いものだった。シュピーゲル誌はこの映像をロイターから入手したとしているが、その前にロイター自身も彼女の証言映像を流していた。それは約1分間の映像で、彼女がロシア軍を批判しているような印象を受けるように編集されていた。
西側の有力メディアはアメリカ/NATOのプロパガンダ機関として機能しているが、その仕事を妨害してきたのが事実を伝えるジャーナリストだ。ドンバスにもドイツ人ジャーナリストのアリナ・リップ、フランス人ジャーナリストのアン-ローレ・ボンネル、カナダ人ジャーナリストのエバ・バートレット、フランスの有力メディアTF1やRFIのスタッフ、またロシアやイタリア人の記者もいた。ゴンサロ・リラもそうしたジャーナリストに含まれる。アメリカ/NATOはドンバスの現実を伝えるジャーナリストに対する弾圧を強め、ドイツ人ジャーナリストのパトリック・バーブは職を失い、アリナ・リップは銀行口座を接収された。
マリウポリをネオ・ナチの手から解放したミジンチェフに対する西側支配層の憎しみは強いようで、罵詈雑言を浴びせてきた。それほど優秀なロシア軍の将軍がワグナー・グループに入っている。この軍人が本当の指揮官ではないかと考える人もいる。
ワグナー・グループは傭兵会社で、囚人を兵士に使っているというような話も西側では流されているが、ロシア軍の内情に詳しい人物によると、GRU(参謀本部情報総局)やFSB(連邦安全保障局)の指揮下にあるという。
プリゴジンは5月5日、弾薬の不足と多数の死傷者を主張して部隊を撤退させると宣言しているが、ミジンチェフが本当の指揮官だとする推測やGRUやFSBの指揮下にあるという情報が正しいなら、プリゴジンの発言は茶番、あるいは心理作戦だったのだろう。
ウォロディミル・ゼレンスキー政権がウクライナ軍の兵士に死守を命じたバフムートは陥落した。「玉砕」を強いられ兵士は数カ月の戦闘で約6万人が死傷、ロシア軍側はその1割以下だと言われている。
プリゴジン発言の2日前、クレムリンが2機のドローン(無人機)で攻撃された。施設は損害を受けず、死傷者もいなかった。ECM(電子対抗手段)が使われた可能性がある。
ロシアのトリー・ペスコフ大統領報道官は5月4日、攻撃目標を決めたのはアメリカ政府であり、ウクライナ政府は命令を実行しただけだと語っているが、その可能性は高い。
クレムリンに対する攻撃があった5月3日にゼレンスキー大統領はフィンランドを訪問してスウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの首相と会談、4にはオランダにあるICC(国際刑事裁判所)を訪れているが、13日にはイタリアを訪問、さらにローマ教皇フランシスコと会い、14日にはドイツとフランス、15日にはイギリスを訪れた。
5月19日にゼレンスキーはサウジアラビアがイランやシリアとの関係修復を示すアラブ連盟の首脳会談に乗り込んだものの、相手にされない。ロシアや中国との戦争を意識しているであろうG7首脳会談が19日から広島で始まったが、ここでは歓迎された。アメリカやイギリスの帝国主義者にとってウクライナはロシアを疲弊させ、あわよくば解体させるための生贄だ。
ソ連が消滅した後、ネオコンはアメリカが唯一の超大国になったと信じ、中国やロシアは簡単に潰せると思った。CFR(外交問題評議会)が発行している定期刊行物、フォーリン・アフェアーズ誌の2006年3/4月号に掲載された論文はそうした心情を表していると言えるだろう。キアー・リーバーとダリル・プレスはその論文の中で、アメリカが近いうちにロシアと中国の長距離核兵器を先制第1撃で破壊する能力を持てるとしている。その幻想の中で生きてきた人々は現実の前に立ちすくんでいる。
「根拠のない優越意識で窮地に陥った米国やその従属国」
ウクライナでの戦いでロシアに敗れたアメリカ/NATOは東アジアへの「転進」を図っている。台湾で軍事的な緊張を高めているが、戦闘員として想定しているのは日本と韓国のようだ。
本ブログでは繰り返し書いてきたが、アメリカ国防総省系のシンクタンク「RANDコーポレーション」が昨年に発表したレポートによると、アメリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようとしている。
しかし、その時点でミサイルの配備を容認しそうな国は日本だけだった。しかも日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約がある。そこで、ASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成された。
陸上自衛隊は2019年に宮古島と奄美大島で軍事施設を建設、16年には与那国島、そして今年3月16日には石垣島でも自衛隊の施設を完成させた。これらにミサイルを配備することになるが、その目標は中国にほかならない。日本では抵抗らしい抵抗がないまま中国やロシアをミサイル攻撃する準備が進められていると考えねばならない。それがアメリカの戦略なのだ。
そのアメリカのバラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけての時期にネオ・ナチを利用し、ウクライナでクーデターを行った。ビクトル・ヤヌコビッチ政権が倒され、ネオ・ナチ体制が樹立されたのである。ヤヌコビッチはウクライナの東部や南部を支持基盤にしていたが、その東部や南部の住民は7割以上がロシア語を話し、東方正教会の影響を強く受けている。この地域はソ連時代にロシアからウクライナへ住民の意向を無視して割譲されたのだ。
南部のオデッサではネオ・ナチが反クーデター派の住民を虐殺、占領したものの、クリミアはいち早くロシアと一体化、東部のドンバスでは内戦が始まる。
内戦が始まった当時、ウクライナの軍や治安機関にもネオ・ナチ体制に反発するメンバーが存在、ドンバスの反クーデター軍へ合流したと言われている。そうしたこともあり、ドンバスでの戦闘は反クーデター軍が優勢だった。
そうした中、ドイツやフランスが仲介するかたちで2014年9月に停戦で合意して調印されたものの、停戦は実現しない。そこで新たに話し合いが行われ、2015年2月に新しい議定書が作成され、署名された。これがミンスク2だ。
しかし、この停戦合意はクーデター体制の戦力を増強するための時間稼ぎに過ぎなかったことをアンゲラ・メルケル元独首相やフランソワ・オランド元仏大統領が認めている。メルケルは昨年12月7日にツァイトのインタビューで認め、その直後にオランドはメルケルの発言を事実だと語っている。
アメリカやイギリスが戦闘の継続を望んでいることは明らかだったのでドイツやフランスが前面に出てきたのだろうが、その両国もアメリカやイギリスと同じようにロシアに対する戦争を意図していた。停戦が実現しなかった責任はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスという欧米主要国にあった。
それから8年、アメリカ/NATOはクーデター体制の軍事力を増強する。戦闘員を育成、訓練し、武器弾薬を供給、ソレダルでは岩塩の採掘場を利用して全長200キロメートルという「地下要塞」が築かれた。同じようの要塞はドンバスの周辺に広がっているようだ。
昨年初頭になるとドンバスの周辺にウクライナ軍が集結、大規模な攻勢が近いと言われた。2月24日にロシア軍がミサイル攻撃を始めるが、その直前にウクライナ軍はドンバスへの砲撃を激化させていた。
ロシア軍は軍事作戦を開始してからウクライナ側の機密文書を回収しているが、その中にドンバス攻撃に関するものがあった。2月中に攻撃の準備を終え、3月に作戦を実行することになっていたようだ。
ドンバス周辺に集まっていたウクライナ軍はロシア軍の攻撃で大きな打撃を受け、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領はウラジミル・プーチン大統領と停戦交渉を始める。その仲介役はイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットだ。
ベネットによると、双方は妥協に応じて停戦は実現しそうだった。3月5日にベネットはモスクワでウラジミル・プーチン露大統領と数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけた。その足でベネットはドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。
ところが、その3月5日にゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフをウクライナの治安機関SBUのメンバーが射殺してしまう。クーデター直後からSBUはCIAの下部機関化しているので、アメリカ政府が殺したと言えるだろう。ジョー・バイデン政権はウクライナでの停戦を許さない姿勢を示した。
西側有力メディアの流す物語から考えて、バイデン政権は簡単にロシアを倒せると思い込んでいたのだろう。EUや日本もその話を信じていたと推測できるが、現実はその物語と違う展開になる。
ネオコンの上院議員だった故ジョン・マケインは生前、ロシアについて「国を装ったガソリンスタンド」だと表現していた。フロリダ州知事のロン・デサンティスは2023年3月の段階になっても「核兵器の束を持つガソリンスタンド」と呼んでいる。幼児がよく口にする悪口と同じレベルだ。その悪口で現実に対する恐怖を誤魔化そうとしているのかもしれない。
しかし、アメリカやその従属国以外は現実を見ている。アメリカを中心とするシステムが敗北しつつあることを理解している。アメリカの「強固な同盟国」だったはずのサウジアラビアがアメリカから離れてロシアやイランに接近しているのもその一例だ。アメリカ中心のシステムから抜けられない人びとが幻影に救いを求める。
平和が訪れると人びとには考える余裕ができ、幻影から抜け出してしまう人が増えるだろう。そうならないためにも戦争を続ける必要があるだろう。東アジア情勢は危険だ。その危険な状態を理解している日本人が多いとは思えない。