ビル・チャーラップのカタログをいろいろ調べていくうちに発見したのがこれ。フレディ・コールという人は名前から見てピンと来る人もいると思うが、ナット・キング・コールの実弟である。ナット・キング・コールが46歳で亡くなったのが、もう半世紀近くも前の1965年だから、いくら弟とはいえ時代的に無理があると思ったが、彼は末っ子でナット・キング・コールより13歳下(1931年生)ということで、ぎりぎり今の時代に間に合っているというところだ(とはいえ、今年で78歳だが)。彼はレコーディング・アーティストというよりは、多分、超一流のキャバレー・アーティストとして活躍してきた人で、調べてみると出したアルバムはたいした数ではないが、単に兄貴のブランドを借りただけの人ではなく、ボーカル、ピアノともなかなか高い評価を得ているようだ(実際、一聴すれば、ナット・キング・コールの弟とか半ば頭から消し飛んでしまうくらい、その確固たるヴォーカルの個性が伝わってくる)。
このアルバムではそんな彼のボーカルを、なんとビル・チャーラップのレギュラー・トリオが担当しているということで興味津々で購入してきた。レーベルはHigh Noteという聞いたこともないニューヨークのマイナー・レーベルだが、エンジニアはルディ・ヴァン・ゲルダーが担当している。さて、フレディ・コールのボーカルだが、なにしろ1曲目の「I'll Never The Same」が、「アフター・ミッドナイト」を彷彿とさせる、ほぼ完璧なナット・キング・コール・スタイルでもってチャーラップ・トリオが演奏しているので、そこにこういう「血縁の声」が乗れば、そりゃぁ、かなりナット・キング・コールに近い感じがするが(すとーんと語尾を落とす歌い方とは確かに似ている)、フレディ・コールは年齢のせいもあるだろうが、兄ほど甘さや都会的な感じがなく、もう少しアーシーで渋い歌いかたをする。声も多少いがらっぽい感じもある。全部で11曲の収められた作品は全てスタンダード作品だろうが、あまりに選曲が渋すぎて、ほとんど知らないものばかりであるが、とにかくフレディ・コールの圧倒的存在感と巧みな語り口で、すべからく名曲として聴かせてしまうといった感じだ。
チャーラップ・トリオについては、かつてのアルバム「スターダスト」で何曲か歌伴をしているけれど、今回もあれと同じパターンで、シンガーの背後でなにげに品とセンスいい伴奏をを務めているという感じ。とにかくフレディ・コールのボーカルに圧倒的存在感があるため、チャーラップのことは聴いているうちに忘れてしまいそうになるのだが(笑)、時にボーカルの狭間でセンス良くボーカルを引き立てているチャーラップの腕はやはりなかなかだ。歌伴というのはそもそもそういうものだろう。ちなみに、2曲だけチャーラップに替わってフレディ・コール自身がピアノを弾いていて、いつもは自身がトリオを率いているだけあって、これも実に堂々たるプレイ、ある意味、チャーラップより華麗なくらいだ。
このアルバムではそんな彼のボーカルを、なんとビル・チャーラップのレギュラー・トリオが担当しているということで興味津々で購入してきた。レーベルはHigh Noteという聞いたこともないニューヨークのマイナー・レーベルだが、エンジニアはルディ・ヴァン・ゲルダーが担当している。さて、フレディ・コールのボーカルだが、なにしろ1曲目の「I'll Never The Same」が、「アフター・ミッドナイト」を彷彿とさせる、ほぼ完璧なナット・キング・コール・スタイルでもってチャーラップ・トリオが演奏しているので、そこにこういう「血縁の声」が乗れば、そりゃぁ、かなりナット・キング・コールに近い感じがするが(すとーんと語尾を落とす歌い方とは確かに似ている)、フレディ・コールは年齢のせいもあるだろうが、兄ほど甘さや都会的な感じがなく、もう少しアーシーで渋い歌いかたをする。声も多少いがらっぽい感じもある。全部で11曲の収められた作品は全てスタンダード作品だろうが、あまりに選曲が渋すぎて、ほとんど知らないものばかりであるが、とにかくフレディ・コールの圧倒的存在感と巧みな語り口で、すべからく名曲として聴かせてしまうといった感じだ。
チャーラップ・トリオについては、かつてのアルバム「スターダスト」で何曲か歌伴をしているけれど、今回もあれと同じパターンで、シンガーの背後でなにげに品とセンスいい伴奏をを務めているという感じ。とにかくフレディ・コールのボーカルに圧倒的存在感があるため、チャーラップのことは聴いているうちに忘れてしまいそうになるのだが(笑)、時にボーカルの狭間でセンス良くボーカルを引き立てているチャーラップの腕はやはりなかなかだ。歌伴というのはそもそもそういうものだろう。ちなみに、2曲だけチャーラップに替わってフレディ・コール自身がピアノを弾いていて、いつもは自身がトリオを率いているだけあって、これも実に堂々たるプレイ、ある意味、チャーラップより華麗なくらいだ。