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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

ウィントン・マルサリス/ライブ・アット・ブルース・アレイ(Disc.1)

2009年12月06日 22時50分30秒 | JAZZ
 「Jムード」のカルテットで86年12月に収録された2枚組にライブである。これまでのアルバムからのベスト選曲、アルバム未収録曲、そして充実したインプロヴィゼーションとライブ盤に必要な要素が全て完備した内容になっている。マルサリスはこれ以降、「自分探しシリーズ」を敢行、また大編成指向、作曲家指向などが強まることもあり、こうしたオーソドックスな新主流派風の音楽はしばらくごぶさたしてしまうこともあり、このアルバムでマルサリスは「初期5年間の総決算」をやらかしたという趣も感じられる。ロックの方では活動のひとつの区切りとして、ベスト選曲のライブ盤でそれまでの活動を総決算するというのは、一種の常套パターンだが、ジャズの方ではけっこう珍しいのではないか?。とにかく、マルサリスのジャズ・トランペッターとしての実力が遺憾なく発揮された作品であり、どこを切っても「これでどうだ!」的な自信に満ち満ちた、威風堂々たる内容になっている。

 1曲目はバンド・テーマともいえる「ノーズ・モウ・キング」、この曲はスタジオ版も凄い出来だったが、このライブはそれを上回ること数倍といった感じの凄まじいパフォーマンスになっている。なにしろマルサリスの超高速な「トランペット版シーツ・オブ・サウンド」が凄い。並のプレイヤーなら決めやハイライトでこうした高速フレーズを使ったりするところだが、マルサリスは最初から最後まで、ギターもかくやと思わせる早さで吹ききっている。アラン・ホールワーズと同じで、あまりにスムース、あまりに当たり前に吹いているので、うっかりすると速いことすら感じさせないのだ。2曲目の「ジャスト・フレンズ」はスタンダード・ナンバー。マルサリスはミュートをつけて、都会的な雰囲気で吹いているが、ここではジェフ・ワッツのブラシがなかなかいいグルーブ感を出している。途中、テンポが自在に増減させていくのは、この時期のこのバンドの特徴的アレンジだろう(今聴くと、古いスタイルをそのままやってると思われたくないがために、一種のアリバイ作りみたいな感じで、ちょっとあざとい気もするが)。間奏曲的な「ノーズ・モウ・キング」をはさんで、4曲目の「ホワン」はミディム・テンポのブルース・ナンバー。途中のマルサリスのワイルドな展開するソロもいいが、こういう曲だと後半を受け持つマカース・ロバーツのピアノが若さに似合わず味があっていい。ちなみに「ノーズ・モウ・キング」と並んで「ホワン」も、途中何度も顔を出すが、これも当時のバンドのテーマ曲のようなものだったのだろうか?。

 「チェロキー」は「スタンダーズ・タイム」に収録されたのとほぼ同じアレンジで(テーマがポリリズムというか複音楽的なアレンジ)、2分半ほどで終わる。続く「デルフィーヨのジレンマ」と「チェンバーズ・オブ・テイン」は、文句なくディスク1のハイライトだ。どちらも「ブラック・コーズ」の収録曲で、オリジナルにはブランフォードが入ってがいたが、ここではワン・ホーンで彼が居ない分、ロバーツの存在感が大きくクローズ・アップされた格好だ。前者は奔放なマルサリスのソロのバックで、かなりホットなプレイを展開しており、両者がヴィヴィッドに触発しあっているのが良く分かる。後半のソロは前任にケニー・カークランドに比べると色彩感のようなものは劣るが、その分ブルース的なフィーリングが濃厚なプレイとなっている、個人的にはケニー・カークランドのアカデミックなプレイが好みだが、こちらももちろん悪くない。後者は15分にも及ぶ長尺演奏で途中ジェフ・ワッツのドラム・ソロがフィーチャーされている。前曲でもそうだったが、このパフォーマンスでのジェフ・ワッツのドラムは相当にハイテンションだ。冒頭のアフリカ的な導入から込み入ったリズムをものともせずに、バンド全体を鼓舞しているのはさすがだ。マルサリスもアルバム冒頭の「ノーズ・モウ・キング」並の超高速フレーズで応えている。これまたすさまじい。
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中国製の怪しい....据え置き型MP3プレーヤー TD-01

2009年12月06日 00時11分33秒 | PC+AUDIO
 私の年末恒例、「安物買い銭失いシリーズ」第1弾がこれ。写真でみても意味不明な箱という感じでよくわらないと思うが、要するに「スピーカー付きのMP3プレーヤー」である。機能としては、SDカードとUSBメモリに入っているMP3データを再生する....それだけ。ディスクドライブはもちろんついていないし、ラジオもない。もはや無愛想なくらいシンプルである。操作系もそっけなく、一応フロントにあるものは、SDとUSBの端子、電源、曲の停止、スキップくらいだ、ボリュームすらないというのは、日本の常識からすれば、手抜きといわれても仕方ないレベルだが、2,857円という価格からすれば、どんな音....いや、そもそもまとも音が出てくるかどうか?という心配すら感じてしまう(笑)。

 とりあえず、バッハの「無伴奏チェロ組曲」の入ったSDカードを差し込んでみると、いきなり再生開始。こういう初期設定は中国では親切なんだろうな、でも、日本人の私は思わずぎょっとしてしまう(笑)。で、肝心の音質だが、3,000円もしないキカイの割には健闘している方だ。5,000円くらいで売っているPC用のスピーカーと同等か、それよりほんの少しクウォリティが高いってところだろうか。一応低音用スピーカーがついているので、2.1chなのが効いているのかもしれない。そういえば、以前にTAOというメーカーの2.1chのPC用USBスピーカーHY-311を購入したことがあったけど、ちょうどあれくらいの音だ。当初は「やっぱ音はしょぼいよな」とか思ったが、これは最初に聴いたカザルスの「無伴奏チェロ組曲」の音が、そもそも大昔のモノラル音源なので音質が悪すぎせいもあり(笑)、気分を変えて70年代のフュージョンなども再生すると、まぁ、3000円相当....という注釈つきではあるが、そこそこの音で鳴っている。

 ちなみにこのキカイにはリモコンがついていて、それでもってダイレクト選曲、EQ、音量を調生できたりする(ただし反応は非常に鈍い)。そうか操作はあくまでもリモコン主体なのかと、納得しかけたところで、その割に電源ボタンはリモコンにないんだな、おっとそもそもこのキカイ、取説付いてないじゃないか....と、その怪しさ全開ぶりに失笑してしまった。ちなみに充電はACからではなく、付属のケーブル使ってUSBからする。まぁ、これ自体はいいのだが、付属したケーブルがやけに短くて据え置いて使うとしたら、いちいちPCかアダプターもってこなくていけないのは難点だ。という訳で、とりあえずSDカードに入ってMP3を再生できるキカイが欲しかっただけなので、しばらくはこれを枕元にでも置いて、就寝用BGMの再生装置としてでも使ってみることにしたい。
コメント (4)
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