このシングルを購入したのは、確か1972年、私が中学1年の時だったと思う。当時、ジョン・レノンが作ったクリスマス・ソングという触れ込みで、多少話題にはなったように思うが、これが大ヒットしたという記憶はなく、私自身もクリスマス云々に関係なく、単に「ジョンのシングルの一枚」として購入してきたような気がする。ビートルズ関連のクリスマス物といえば、個人的にはビートルズ活動中、毎年ファンクラブの会員宛に配布されたクリスマス・メッセージ集があり(もちろん海賊盤という形でだが)、これがほとんど決定打になっていたため、ジョンのこの曲はちょっと影が薄い気もしたものだ。クリスマス・シーズンにこれが街角で流れていないこともなかったけれど、そう沢山という訳でもなく、流れていたとしても「好き者がにやりとする」程度だったはずだ。そんな訳で、この曲、出てしばらくは、あまりクリスマスらしい佇まいを感じさせなかったような気がする。
以来三十数年、先日、あるところでお茶を飲んでいたら、この「ハッピー・クリスマス」のカバーが不連続だったが都合3曲くらい流れたことがあった。仕上がりやパフォーマーはそれぞれだったが、どれもR&B風にアレンジした「濃い」ヴァージョンであった。私はぼんやりとそれを聴きながら、「あぁ、そういえば、この曲ももう立派にクリスマス・スタンダードになったんだな」と、ちょっと感無量になってしまったものだった。そういえば、近年、街角からオリジナルのこれが聴こえてくる機会もずいぶん増え、そもそもこれが流れると、聴いているこちらからして、「あぁ、クリスマスだなぁ」と思うようになったのは、やはり時の流れという他はない。別にクリスマス・ソングに限ったことではないが、曲なり、歌なりがスタンダードとなり、曲自体にある種の風格というか、オーラのようなものを滲ませるようになるには、やはりこれだけの年月がかかるのだと、つくづく思ったりしたものだ。
ちなみにこのシングル、B面は「リッスン・ザ・スノウ・イズ・フォーリング(ほら、聞いてごらん、雪が降っているよ)というヨーコが作ったクリスマス・ソングで、仕上がりもごくまっとう、フォーク調の美しい曲だった。ヨーコといえば例のけろけろ声で歌うアヴァンギャルド作品というイメージがあるが、こういうオーソドックスなスタイルでも佳曲をいくつか残していて、これなど「ナウ・オア・ネバー」あたりと並んで、その代表曲だと思う。もっともこちらは現在でも十分に埋もれ続けている作品であるが....。
以来三十数年、先日、あるところでお茶を飲んでいたら、この「ハッピー・クリスマス」のカバーが不連続だったが都合3曲くらい流れたことがあった。仕上がりやパフォーマーはそれぞれだったが、どれもR&B風にアレンジした「濃い」ヴァージョンであった。私はぼんやりとそれを聴きながら、「あぁ、そういえば、この曲ももう立派にクリスマス・スタンダードになったんだな」と、ちょっと感無量になってしまったものだった。そういえば、近年、街角からオリジナルのこれが聴こえてくる機会もずいぶん増え、そもそもこれが流れると、聴いているこちらからして、「あぁ、クリスマスだなぁ」と思うようになったのは、やはり時の流れという他はない。別にクリスマス・ソングに限ったことではないが、曲なり、歌なりがスタンダードとなり、曲自体にある種の風格というか、オーラのようなものを滲ませるようになるには、やはりこれだけの年月がかかるのだと、つくづく思ったりしたものだ。
ちなみにこのシングル、B面は「リッスン・ザ・スノウ・イズ・フォーリング(ほら、聞いてごらん、雪が降っているよ)というヨーコが作ったクリスマス・ソングで、仕上がりもごくまっとう、フォーク調の美しい曲だった。ヨーコといえば例のけろけろ声で歌うアヴァンギャルド作品というイメージがあるが、こういうオーソドックスなスタイルでも佳曲をいくつか残していて、これなど「ナウ・オア・ネバー」あたりと並んで、その代表曲だと思う。もっともこちらは現在でも十分に埋もれ続けている作品であるが....。