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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

ジョン・レノン/ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)

2009年12月24日 23時04分31秒 | Beatles
 このシングルを購入したのは、確か1972年、私が中学1年の時だったと思う。当時、ジョン・レノンが作ったクリスマス・ソングという触れ込みで、多少話題にはなったように思うが、これが大ヒットしたという記憶はなく、私自身もクリスマス云々に関係なく、単に「ジョンのシングルの一枚」として購入してきたような気がする。ビートルズ関連のクリスマス物といえば、個人的にはビートルズ活動中、毎年ファンクラブの会員宛に配布されたクリスマス・メッセージ集があり(もちろん海賊盤という形でだが)、これがほとんど決定打になっていたため、ジョンのこの曲はちょっと影が薄い気もしたものだ。クリスマス・シーズンにこれが街角で流れていないこともなかったけれど、そう沢山という訳でもなく、流れていたとしても「好き者がにやりとする」程度だったはずだ。そんな訳で、この曲、出てしばらくは、あまりクリスマスらしい佇まいを感じさせなかったような気がする。

 以来三十数年、先日、あるところでお茶を飲んでいたら、この「ハッピー・クリスマス」のカバーが不連続だったが都合3曲くらい流れたことがあった。仕上がりやパフォーマーはそれぞれだったが、どれもR&B風にアレンジした「濃い」ヴァージョンであった。私はぼんやりとそれを聴きながら、「あぁ、そういえば、この曲ももう立派にクリスマス・スタンダードになったんだな」と、ちょっと感無量になってしまったものだった。そういえば、近年、街角からオリジナルのこれが聴こえてくる機会もずいぶん増え、そもそもこれが流れると、聴いているこちらからして、「あぁ、クリスマスだなぁ」と思うようになったのは、やはり時の流れという他はない。別にクリスマス・ソングに限ったことではないが、曲なり、歌なりがスタンダードとなり、曲自体にある種の風格というか、オーラのようなものを滲ませるようになるには、やはりこれだけの年月がかかるのだと、つくづく思ったりしたものだ。

 ちなみにこのシングル、B面は「リッスン・ザ・スノウ・イズ・フォーリング(ほら、聞いてごらん、雪が降っているよ)というヨーコが作ったクリスマス・ソングで、仕上がりもごくまっとう、フォーク調の美しい曲だった。ヨーコといえば例のけろけろ声で歌うアヴァンギャルド作品というイメージがあるが、こういうオーソドックスなスタイルでも佳曲をいくつか残していて、これなど「ナウ・オア・ネバー」あたりと並んで、その代表曲だと思う。もっともこちらは現在でも十分に埋もれ続けている作品であるが....。
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KENNY BURRELL/Have Yourself A Soulful Little Xmas

2009年12月24日 00時01分32秒 | JAZZ
 こちらは1966年にケニー・バレルが作ったクリスマス・アルバムである。リチャード・エヴァンスの編曲によるオーケストラ(弦も入る)に、ベース、ドラムスを加えたスタイルで収録されている。ケニー・バレルといえばブルージーで、ややダークでアーシーなセンスが横溢するギターワークということで、ジャズ・ギターといえば、ウェス・モンゴメリーやバーニー・ケッセルだったりする私には、内容的にはどうだろう....と思わないでもなかったが、これがなかなかの出来であった。先のジミー・スミスのようにビッグ・バンドでガンガン迫る、あるいは通俗路線のポップさでノリノリみたいなところがなく(いや、ないではないが)、これみよがしなことがほとんどなく、しっとりと落ち着いて、センスよくリラクゼーションを誘う....とまぁ、私のような独身オヤジが今日みたい夜に、安酒でも飲みつつ耳を傾けるのにぴったりという感じの音楽なのだ。

 なにしろ、やや斜に構えたような編曲がセンスもいい。冒頭の「Little Drummer Boy」はラヴェルのボレロのハイライトのとこを拝借したような感じで始まり、そのまま例のブルージーなギターが縦横に歌うあたりは聴き物だし、お待ちかね「Have Yourself a Merry Little Christmas」と「Christmas Song」は、ストリングスをバックにしみじみと歌っているのがいい。暖かみのあるヴァイブや木管の響きもいいアクセントになっている。同曲の演奏としては久々のヒットという感じである。「White Christmas」はオーケストラなしで、ピアノ・トリオ+ギターの編成でもって、これまたしっとりとまさに「真夜中のギター」した演奏となっている。また、「Silent Night」はゴスペル風、「Twelve Days of Christmas」ではバロック風なオケを帯同、「Mary's Little Boy Chile」はカリプソ風、「Children Go Where I Send Thee」はゴーゴーと音楽的ヴァリエーションも豊富で実に楽しめる。ラストの「Merry Christmas, Baby」はオルガンを従えての、モロにバレルしたブルージーな演奏で彼の面目躍如である。

 そんな訳で、ジャズ系のクリスマス・アルバムとしては、かなり気にいった。もう間に合わないが、来年はカーコンポへ録音など、個人的にはクリスマス物の定盤になりそうである。実を云うと、これ先日のジミー・スミスと一緒に2,3年前に購入したものだが、なんでももっと早く聴かなかったのだろう....という気がしている。ちなみに何故だか3曲目にコルトレーンの「My Favorite Things」が入っていて、3分半と短いながら、ビッグバンドを従えて、実に気合いの入った演奏を展開しているのだが、これクリスマスに由来する曲なのだろうか。
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