今日お預かりしたのは Becker, Mexico TG で真空管とトランジスタのハイブリッドモデルです。
1960年頃の物で当時の最高機種、また自動選局機能付きの最初の頃の物です。 暫くは時間が
無く実際に手掛けられるのは少し先になりますが 一応簡単に動作だけは確認しておきました。
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Mexico の特徴は何と云ってもこの自動選局機能で何ともユーモラスな、からくりを見
ている様な動きや、作りは飽きません。
12月6日(61回目の誕生日) ご依頼主からゴーサインがでたので(部品待ちの 2台は順番が
後になって仕舞い恐縮です)修理に取り掛った。 先ず最も難航することが想像出来たスイッ
チ付き VR の修理に取り掛ったが直ぐ後ろに在る (時計を思い起させる) 機構系にぶつかって仕
舞い何とも外れない。1時間程梃子摺った結果何とか外せたが随分と無理な設計をしたものだ。
外した物を VR 部分とスイッチ部分に分けたのが下の画像。 潤滑剤等を加えスイッチ ON
/OFF を100回程繰り返したが略間違い無くON/OFF 出来たので組み直した。 次ぎは FM の
カバレッジの変更に取り掛ろう。
12月7日 FM のカバレッジの変更は上手く行ったが感度が悪い、無論最近の物と比べれ
ば感度は低いのだが.... IFT の調整に取り掛かる (この時期のドイツのダストコアはもろい
物が多く、きちんとサイズを合わせた調整棒を用意しなければならない) 準備を始め様。
12月8日 この機種に IF の調整個所はディスクリまで含めると 9個所あるが全て高周波ワ
ックスで固定されており一度加熱し冷めない内に調整を終えねばならず若干梃子摺ったが
9箇所全てを見てみたが殆ど調整は狂っていなかった。
上はこの機種の回路図だが FM のフロントエンドは MW の RF アンプにもなるので回路が
複雑となり分り難いので FM に関係した部分だけを抜き出したのが下の回路図です。どう
もこれまでの考え方ではいけないのではないかと考え始めて来た。
12月9日 FM のフロントエンドの定数を 4箇所変え、調整し直しヤット実用上十分と想える
感度が得られた。 しかしこれまで多くの機種を手掛けて来たが今回程時間を要したことは無
かった。 疲れた!
12月12日 FM での自動選局機能に若干気掛かりな点が有り客先に通う道すがらマニュアル
を読み返し一点誤解が有ったことに気付き再度調整をし直し好結果が得られた。
今日お預かりしたのは Blaupunkt の Berlin ATR です。 以前 Berlin は一度手掛けましたが
ATR が付された物は始めてで1962年から1963年の短期間しか製造されなかったのがその
理由と想われます。 上の画像に見られる様、真空管式の筐体が使われており最初テッキ
リ真空管式の物と勘違いして仕舞いました。 この種のカーラジオの修理に関しましては
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動作を調べたところ異常は無く梱包し、結果をお伝えしたところ通電時スイッチ部分から火花
が出て、ヒューズも飛んだとのことを後になってから伺い、再度スイッチを診てみましたが全
く異常は見られませんでした。 下はこのスイッチ周りです。