今日お預かりしたのは SONY, TR-714 で非常に懐かしい 7石 SW+MW 2バンドです。 中学1年生の
時に作った 7MHz のトランジスタ送信機の動作をチェックするのにクラスメイトで裕福な G 君の家に
在ったこの機種を使ってモニターしたことを昨日の様に思い出します(60年前)。 この種のラジオの
修理のご依頼はこちらの ホームページ http://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ にお願い致します。
レターパックだった為帰宅間際の配達となって仕舞い今日は診られないが、MW では低い周波数で
若干ノイズが増えたので局発が停止していることが想像出来る。 SW は全く無音だった。
1月27日 本格的な修理に取り掛かった。
周波数変換のトランジスタが機能していない様だったのでパターン面で各電位を診てみた。
エミッタとベースの電位は定格より少し高かった(電流が余り流れていない)。
出来ればダイアル機能が載った金属板を外したく無いのだが仕方無く外すことにした。
ここまで分解するだけでも大変だった。 外したトランジスタ 2T201 の hfe は 3しか無かった。
*2T201 を NPN と想っていたので上の hfe の値は無意味。
これでは動作しないと周波数特性は少し落ちるが 2T73 (2SC73) hfe:72 に交換してみたが電流は多く
流れエミッタとベースの電位は可成り下がって仕舞い発振には至らなかった。*2SC73 は NPN
ならばゲルマニュウムでは無いがシリコンの 2SA1015 に換えてみたが変化は無かった。 ところで
回路図上は NPN になっており誠に紛らわしい。 一度頭を冷やそう!
アレコレ確かめていたが短波 (SW) は可成り良好に動作していたが音量が少なかったので電解コンデ
ンサを交換した。 結果音量は可成り増えた。
可成りの時間を掛け回路を追ったが MW が機能しない原因が何とも分らず、こちらのクラブの鉄人の
一人 M さんに診て頂くことにした。 その後の M さんからの報告では MW の局発用バリコンには 40
mV程の電圧が発生しているとのことだった。 また容量を測ろうとしたが不可能だったとのこと。
結果今回のバリコンはトラッキングレスでは無く2連バリコンだったのでアンテナ側の物と交換してみ
たところ正常に機能し出したとのことだった。 若干アンテナ側の Q が下がる様想われ感度が気にな
ったが受け取った物の感度に問題は診られず、早速ご依頼主に送ったが今日(2月5日)驚くほど良好
に中波も短波も動作しているとのご報告を頂いた。