テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

SONY, TA-F555ESR Integrated Stereo Amplifier

2016-01-18 13:04:34 | Weblog

今日お預かりしたのは SONY の TA-F555ESR で左右両チャンネル共出力が出ないと云うお
話だった。  この種のオーディオ機器の修理、改造に付きましてはこちらの ホームページ
https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。

スピーカーの出力端子とメインアンプの出力の間に導通が無く、途中入っているリレーに問題が
在るのか? 一応入力信号は途中までは確認出来たが出力段までは来ていなかった。 回路図
が在れば話は早いのだが。 電源電圧に問題は無さそうだったがこれも回路図が無く絶対では
無い。 サテどうするか?

下の画像の左のトランジスタ Q468,469 (2SA1492) に発熱が診られた。

1月31日 この機種の回路図をアレコレ探してみたが見付からなかった。 ただ姉妹機種に同
様の回路では無いかと想われるものを見付けた。 駄目元でこれを頼りに進めてみよう。

先ずはホコリを払っておいた。 回路図とパターン図を通勤の電車の中で眺めておいたので早
速取り掛かってみよう。

2月1日 回路図を頼りに抵抗とトランジスタを調べてみた。

抵抗類、特にヒューザブル・レジスターに問題は診られなかった。 トランジスターも殆ど良好だっ
たがドライバのQ464 (2SC2275) のE-B間が短絡していた。 秋葉原か足立区の店から取り寄せ
なければならないので電源回路に使われていた物を別の物に換えここに使うことにした。

上下の画像は同じ部分で上では並びが左からECBとなっているが、下の図ではBCEとなっている。

その後、前段Q462(2SC3514)にも問題が見付かった。 E-Cは半ば短絡しておりhfeはゼロだった。
この石は近くの部品屋さんに在ったので夕方購入し2SC2275共々交換した、明日通電してみよう。

2月2日 上のトランジスタを交換した結果、一部の出力用トランジスタの発熱は収まった。 ただ
出力は依然として現れず、一寸したノイズでプロテクション(保護)回路が動作して仕舞っていた。 

2月3日 今日はMさんにお手伝い頂き先に進んだ。 先ず出力回路(全てDCカップリング)のオ
フセットを調整したが、先日トランジスタを2石交換した方は90mV程のオフセット電圧が診られた。
(もう片方は略ゼロと良好だった)  次にバイアスを確認したがオフセットの良好だった方は約18
mVと低格の15mVと略一致していたのでそのままとした。 (交換した方は当初バイアス電圧ゼロ
だったが、オフセット調整後の値を未だ診ていない) これで理論上出力回路は動いているハズな
ので入力を加えてみたが何の出力も出ない。 Mさんが帰った後、一人で入力を加えるポイントや
出力の出し方をアレコレ試してみたが、結果判明したのは入力の切り替え(スライド・スイッチを使
い Direct In-Normal-Adaptor を切り替えている)に接触不良が診られ、また出力(スピーカー)切
り替え用リレーの接点にも問題がある様だった。 直結したりした結果、両チャンネル共良好な出
力が得られたがこれら二つの基板を診るには中央の出力ユニットを一度取り外す必要が有るの
で時間が取れた時まで取っておくことにした。 しかし何とも単純な部分に問題が在った!

2月5日 細部に取り掛かった。 出力回路が繋がらないのはリレーでは無くランドの問題だった。

次に入力切替を診てみたが残念ながらスライド・スイッチを駆動しているケーブル?或いは駆
動部分の問題で直せそうもなかった。 駄目元で一度動かしている機構系を分解してみるか。

秋葉原からDMMが届いたのでバイアス電圧を確認してみた。 片側は良好だったが、もう片方
は最初3mV程度しか出ず、暫く通電した結果約6mVまで上昇したが定格の15mVまでは遠い。

しかしこの状態でも歪みは感じられず、良好に機能しているので深追いはせずにおこう。

 

 

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