テレビ修理-頑固親父の修理日記

古いテレビ、ラジオ、カーラジオ、アンプ、プレーヤ、電話機の修理のご案内です。古い物でしたら何処の国の物でも略OKです

ロシア製 6球スーパー Daugawa (1954?)

2015-09-25 12:52:52 | Weblog

   今日お預かりしたのはロシア製の 6球スーパーで Daugawa と伺ったがこれがメーカー名なのか
製品の型名かは不明。 お話ではマジック・アイが割れていて、全く動作しないとのことだった。
この種のラジオの修理に付きましてはこちらの ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ から
お問い合わせ下さい。

カバレッジは長波(150-415KHz)、中波(520-1,600KHz)、短波(3.95-7.4+9.45-12.1MHz)の4
バンドだった。

ツマミが一つ欠落していた。

電源トランスは変えられた様で、整流管の代わりにセレン整流器が使われていた。 IFTのシール
ドケースが外れていたが幸い近くに落ちていた。 (IFTは結合度を可変出来るタイプだった)

通電してみたが出力段は機能していたが音声出力はみられなかった。 可成り難航しそうな気配。

9月26日 ゴーサインを頂いたので修理に取り掛かった。 先ずは各真空管のgm等を診てみた
が6B8相当と想われる物の2極管部x2が13/40と12/40と最低値を大きく下回っていた。 また
6SL7相当の物も35-12/32と片側が可成り劣化していた。 マジック・アイは当然使えない。

音声出力が全く無かったので調べた結果、低周波2段目のプレート負荷150KΩが断線していた。

ラジオも辛うじて動作する様になったが、選局ツマミを回して行くと突然動作しなくなり調べた結
果バリコンの一つのローターが変形しておりステーターにぶつかっていた。

 ペーパーコンデンサは絶縁が可也劣化していたので全て交換した。 一応ラジオは機能し始め
たが感度が低く、特に中波では交流成分が混入しており、可也難航しそうだった

9月27日 昨日は回路図を持ち帰り、通勤の電車内と我が家でシミュレーションを行ってみた。 昨
日ここを先ずチェックしておいた方が無難と考えた部分の動作を確認してみたが(同時に真空管も
数本交換してみた)結果基本に立返り電源(固定バイアス)回路から始める必要が有りそうだった。

 

9月28日 最後に固定バイアス用の電解コンデンサを念の為交換してみたが変化は診られなか
った。  何か基本的なことに問題が在りそうだったが、分かって仕舞えば以前この機種を直した
方が整流後のマイナス側を誤ってグランドに落としていた。 この機種では固定バイアス用の電
圧を得る為に抵抗3個から成るバイアス回路に繋ぐ必要が有る。  結果動作は良好となり一安
心したが当初想定した時間の略2倍を要して仕舞った。 6SA7相当の物のgmは最低値依りは多
かったが発振が弱い様だったので交換した結果(短波も機能し始め)好結果を得た。

もう少し詳しく記せば、本来この機種には両波整流回路が採用されており、トランス2次側の中点
はバイアス用の125Ω+15Ω+10Ω の巻線抵抗に繋がった後にグランドに落ちている。  2次側の
電流は約60mAなのでバイアス用抵抗には約 -9Vが発生し、終段のグリッドに加えられているが
この電源トランスが壊れたのか修理後は高圧巻線が一つのトランスが使われ整流回路もセレン
のブリッジに代えられていた。 ここまでは何の問題も無いのだがセレン・ブリッジの -側をグラン
ドに落として仕舞った為平滑回路の最初のケミコンは機能しておらず、またバイアス回路も単に
宙に浮いて仕舞っていた。 つまり折角直したものの前に修理をされた状態では到底実用とする
ことは出来なかったことが想像出来る。

コメント
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