今日修理の見積もり依頼を頂いたのは B&O (Bang & Olufsen) の Grand Prix TV 610 RG で多分1963年
頃の物と想われる(この型番で探してみたが未だハッキリした製造年は分かっていない)。 この種の機
器の修理、改造に付きましてはこちらの HP https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
ラジオは長波、中波、短波(x2)、FM の5バンドで、FMは未だステレオ対応とはなっていない。
これまでにも類似機種を何台も手掛けたがこれほど大きく、重い物は初めてとなった。 奥(正面右)には
本来テレビがセットされるのだろうが、そうなると益々重くなり二人で持ち上げるのは難しそうだった。
既に半世紀を経ており無理も無いが内部は可成りのホコリ+蜘蛛の巣だった。
レコード(ダイアモンド)針のスペアー。 交換には可成り神経を使う必要が有りそうだった。 昼食後
見積もりに取り掛かることにしよう。
先ず中波は問題なく機能していた。
FMは通電後、短時間動作したが直ぐに動作しなくなった。
使われていた真空管には B&O 3-63 のスタンプが押されており1963年3月頃の製造と想われる。
ツマミ類は可成り汚れておりクリーニングしたいところだが、誰でも出来ることなのでどうするか?
スタイラスの取り付け方等を診てみた。 サテ内部はどうなっているのか?
実際にレコードを載せ回転させてみたが演奏終了後、自動的にホームポジションには戻らなかった。
取説も無く、またターン・テーブル内部を見て無いのでこの機能が有るのかどうか定かでは無い。
何とトーンアームの支点が軸受から外れていた。 カウンター・ウェイト固定のネジも外れており、共に
輸送中に外れて仕舞ったのだろう。
5月9日 ゴーサインを頂いたのでスタイラスの交換に取り掛かった。
交換は予想していたよりスンナリ行ったが実際にレコードを演奏したみたが右の出力が殆ど無い。
アンプその物には問題は無かったので念の為、レコードプレーヤからのケーブルも確認したが問題は無く
カートリッジその物に問題が在った。 説明書にはMagnet systemと記されていたが実際はクリスタル・タイ
プの物が使われていた。 MM、或はMCカートリッジなら半世紀を経ても問題無いことが多いがロッシェル
塩を使ったクリスタル・タイプでは30年位が寿命では無いかと想われる。 お願いしてあったiPodが届いた
ので早速動作確認を行い好結果を得た。