今日お預かりしたのはビクターの SSL-87MS で、以前藤沢の方の類似機種を修理した際の
記事をご覧頂いた西宮の方から修理依頼を頂いた。 お話では先頃亡くなられたお父様が
大事にしていた物とのことだった。この種のオーディオ機器の修理に付きましてはこちら
の ホームページ https://vrc-tezuka.sakura.ne.jp/ からお問い合わせ下さい。
7月20日 朝から先ずは分解に取り掛かった(昨日開梱した際に余り目にしたくない虫
が飛び出したので、そのまま作業台に運ぶのは憚られ外で先ずホコリを払った)。
可也問題が在る様だが先ずはターンテーブルのオート・リターン、オート・カットが機
能しないとのお話だった。 この辺りは専門分野では無いが先ずは無くなっているドラ
イブ・ベルトの製作から始めてみよう。
接着剤の乾燥を待つ間に内部の構造を診てみた。 下の画像のデルリン?製ギア
の裏側に在るカムが一連の動きの源になっている様見受けられた。
ベルトを装填し実際に回してみた。 若干接合部で音はするが問題は無い様だった。
レコード針の先端を指で触ってみたが可也丸くなっている様だった。
チューナー基板の所に上の画像の金具が落ちていた。 最初何か分からなかったが
トーンアームの下部を支えて(持ち上げて)いる金具と判明した。
アンプ部分の動作を確かめてみようと通電したが若干ホワイト・ノイズが出るだけだった。
ならばとチューナーの出力を診てみたが良好に出力されていた。(NHK FM 82.5MHz)
アンプ部分をアチコチ調べた結果、電源スイッチを除く全てのスイッチ(スライド・スイ
ッチもロータリー・スイッチも)に可也の接触不良が診られた。 こうなると接点復活剤
では先ず改善はみられそうも無い。
実際にディスクを掛けてみたが、60Hz用のモーターなので回転は遅かった。 このプレーヤ
ーの機能が不明で、当初先日手掛けた Telefunken の物と同じ様にスタートボタンを押すこ
とで、一連の動作をするのかと考えたがどうもそれ程は複雑では無さそうだった。
取り説に目を通したところ単にレコード針 (トーンアーム) をゆっくりディスクに乗せ、演
奏終了後トーンアームを元の位置に戻す機能だけと云うことが分かった。
今日は時間切れとなり後は明日取組ませて頂こう。
7月21日 *カレンダーを見てビックリ、昨日は脳外科の予約が有ったのをスッカリ忘れて
いた。 閑話休題 スイッチ類の接点を何とかせねばならず早速取り掛かった。
スイッチ類を外し接点部分の酸化膜を取り除いた。 真空管回路なら簡単なのだが
トランジスタ回路では安全の為、配線を外し作業を進めた。
シェル内部の配線が1本切れていたので繋いだ。
底部のパイロット・ランプの配線が切れていた(鼠がかじった?)ので直した。