今日お預かりした 2台の内の 1台で地対空の通信をメインとする米軍のトランシーバーRT-865
D/PRC-66 でお話では送信、受信共機能して無いとのことでした。 一応動作試験を行ったとこ
ろ受信は辛うじてしておりましたが感度は極端に低く、実用にはほど遠いレベルでした。
幸いテクニカル・マニュアルを付けて頂いたので先ずはそれに目を通させて頂きましょう。
しかし C-MOS を多用し、PLL シンセサイザを使った何とも複雑な装置ですので無論道のりは
可也遠そうです!
4月6日 昨日今日と調べを進めた結果幾つかのことが見えて来た。 第 1混合 (出力 IF 30MHz)
はまともに機能している様感じたが、RF Amp は辛うじて動作している程度に思えた。 また
シンセサイザからの局発信号を 3逓倍しているトランジスタ Q4 (2N918/50) の動作電圧が気に
なった。 標準的な動作電圧からはこのトランジスタのエミッタ電流は 2.3mAだが 1/4程の 0.6
mAしか流れていなかった。 マイクロディスクより少し大きい fT:600MHz, 0.6W 程度のトラン
ジスタは中々無くここをどうするか? (通常の 2N918 は簡単に手に入るがこのトランジスタ
の外形では残念ながらユニット内に入らない) RF Amp部分に使われているバリ Lと V/C の組
み合わせの集中定数回路の調整で 20dB程感度は上がった気がするが未だ 40dB程上げなければ
実用にはならない気がする。
4月7日 行き付けの部品屋さんの在庫の中で使えそうな物が見付り早速買って来た。
勇んで仕事場に戻り早速組込んでみた。 細かい点では少し変化は有ったが殆ど変化は見られ
無かった。
細かく回路を見たところ実際の回路は回路図と異なりベース接地で(半田付けは昔のまま
なので後から変えられたとは思えない)回路図ではエミッタ接地となっている。
どうもシンセサイザ出力のレベルが低いのでは無いかと想い始め出力を診てみたが想像通り
非常にレベルが小さかった。 この信号の代りに SG から信号を加えたところ感度はドラスチ
ックに上がった。 しかしシンセサイザ部分は IC が多用されており修理は困難と想えた。