またまた持ち込まれた G4654L は電源は入っているが真空管が全て点灯しないと云う症状でし
た。 真空管、或いはソケットの問題かと想像しましたが 実際は下の画像に見られるラッシュ
カーレント吸収用サーミスタの断線でした(上の物が本来の大きさですが、徐々に小さくなっ
たのが下で、小さいだけで無くリード線が取れておりました)回路図にある様、冷たい状態で
は 400Ω、熱くなると 11Ωに抵抗値が下がる優れ物ですが同様の物は手に入らずセメント抵抗
に替えました。
8月15日 上の画像に見られる様一応動作はし出したが音声出力が無く、また垂直同期に不安
定要素が見られた。 そのままとする訳にも行かないが先ずはご依頼主にご意向を伺ってみよ
う。 8月16日 ゴーサインを頂いたので調べ始めたが音声出力の P、G2 には 260V 程が加わっ
ており、また OPT にも問題は見られなかった。 サテ K の電位は約 55V、G1は 135Vとこれで
は動作しない。 K の電位は本来 145Vでこれは 140V電源が略そのまま加わっているのだがつ
まり 140V電源回路に問題が在りそうだがここはシャーシーを取出さないと当れないので 明日
に回したが、この部分に使われているケミコン 100μが怪しいが低圧 (テスター) では問題は見
られなかった。
8月17日 兎にも角にもシャーシーを取り出さねば細かく診れないので苦労してシャーシを外
したがこの機種の場合その都度泣かされる。 140Vラインの 100μ/200Vとブースト回路の 10μ
/450V も念の為交換して結果をみた。
ケミコン 2個の交換後も 140Vラインは 55V程にしかならず、こうなると音声出力の12CA5しか
思い当たらず新品に交換してみた。 結果音声も出て、同期も良好になった。 未だ細かく診て
はいないがどうもこの出力管内部に短絡等の問題が起きている様である。 外した12CA5をチュ
ーブチェッカーで調べ様として気付いたのはヒーターが点灯せず、可也発熱していた。つまり
可也エアーリークしており 140Vラインが 55Vしか無いのは 12CA5のプレート電源 265Vをこの
出力管を通じてカソード側に供給していたがその出力管が動作せず電圧が上がらなかったと想
像出来る。 因みに B電源の 275Vを 18KΩで落としているが 140Vとすると 7.5mA程しか流れな
いことになるが140Vラインの負荷は 7.5mAとは到底考えられないので多分この想像は間違って
無いと想う。
9月5日 先日修理を行った物がまたも動作しなくなったとのことで運ばれて来た。サテ今回は
何が問題なのか 原因は+B回路に入っているヒューザブル抵抗 (上の画像) 5.6Ωの断線であった。
ここをセメント抵抗に替え様子を見たのが下の画像です。 しかしこうもアチコチに続けて問題
が出た Predicta は初めての経験となった。
9月12日 上のヒューザブル抵抗と同様の巻線抵抗が電源回路に使われておりこれも近い将来
断線の可能性があるので思い切って交換した。 また試験中水平振幅が少し不足している様だ
ったので水平出力、及びダンパー管も交換した。 サテ、これで暫く問題は起きないだろう!
それまで普通に動作していたのだが、電源回路に使われている(下の画像の)巻線抵抗の
リードをニッパーで切り、抵抗値を測ったが殆どオープンとなっていた。 本の少しの力が加
わっただけで断線して仕舞った様だが思い切って交換しておいて良かった。 交換せずお返
ししてもこの部分でまた問題を起こしたことでしょう!
9月15日 ランニング後の物をご依頼主が引取りにいらした。 その後客先に収めたものの何と
も解せない報告を頂いた。 VHF の地上波 (アナログ) は良好に受像しているが肝心の DVD か
らの信号は雑音が多い。1階に DVD とビデオコンバーターが置かれていてテレビその物は 2階
に設置されており同軸で RF 信号を持って来ているとのことだが、先ず地上波が 良好に受像出
来るのが可笑しい。 症状からはビデオコバーター~テレビ間の同軸が怪しいが? さて