透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

朝カフェ読書@スタバ

2019-11-22 | A 読書日記



 今朝(22日)もいつも通りにスタバへ。カウンター内にクリスマスカラー姿の女性店員が4人、内3人は顔なじみ。 供されたのはクリスマスブレンド。2階のいつもの席で『地名崩壊』今尾恵介/角川新書を読み始める。

帯の紹介文を引く**現在の東京の地図を片手に永井荷風や夏目漱石の作品を読んでも、登場する町名が見当たらない。(中略)歴史的地名の消滅は東京だけでなく全国各地で起きており、自治体の名称も昭和の大合併、平成の大合併を経て今も激変を余儀なくされている。**

地名は地形や産業・生活などに由来することが多く、文化だと思っている。そう、地名は文化だと。だからこの本を書店で目にした時は迷うことなく直ちにセルフレジへ。

明日明後日は読む時間が無い。来週カフェ読書で読了できればよい。


 


あ、火の見櫓が載ってる!

2019-11-22 | A あれこれ

 朝日村で木工芸をはじめ、陶芸、染色・織物などの創作活動に励む作家たちを紹介する冊子「朝日村つくりびと」。先日朝日村の某所でこの冊子を手にしてページを開くと「朝日村つくりびとマップ」が載っていた。




見開きでA4サイズのマップには火の見櫓のイラストが載っている。



「たまらない人にはたまらない火の見やぐら 村内にもいくつかあります」とのコメントがある。これはうれしい。

先日このイラストを描いたMさんに電話した(全く面識のない女性だが、電話番号が冊子に載っていたので)。私が火の見やぐら好きであることを伝え、お礼を言った。

Mさんは火の見櫓が地域のランドマークであることを意識していて、出かける時の目印(まさにランドマーク)にしているとのことだった。すばらしい!

東京には東京タワーや東京スカイツリーというランドマークがあるけれど、田舎にだって火の見櫓というすばらしいランドマークがありますよ~っ!




 


「芥川賞の謎を解く」を読んだ

2019-11-21 | A 読書日記

 この本を一言で紹介するなら芥川賞選評通読記。

大江健三郎の田中康夫『なんクリ』評。田中康夫の『なんとなく、クリスタル』を江藤 淳が高く評価したことは知っていたが、大江健三郎がどう評価したかについては全く知らなかった。それは**明らかに江藤の発言を意識した辛辣な選評だった。**(191頁)

**田中康夫氏『なんとなく、クリスタル』は、風俗をとらえて確かに新鮮だが、風俗の向こうにつきぬけての表現、つまりすぐさま古びるのではない文学の表現にはまだ遠いだろう。多くの註をつけることで、作家としての主人公への批評性を示したという評価も見た。しかし一般に軽薄さの面白さも否定しないけれど、文学の批評性とは、やはりもっとマシなものではないだろうか?**(191、2頁)なるほど確かに、と私は共感する。

昔の芥川賞作品の選考会では審査委員の作家たちが自分の文学観に基づき(って当たり前だけど)、候補作品について激しく議論していたことが本書でよく分かる。昔は熱かった作家たち。

巻末に第1回上半期(1935・昭和10年)から第152回下半期(2014年・平成26年)までの芥川賞候補作の一覧表が載っている。記憶している作品や実際に読んで、書棚に並ぶなつかしい作品も何作かある。



川上弘美の作品をずっと読んできた私には受賞作『蛇を踏む』の評価が気になる。第4章「女性作家たちの時代」に丸谷才一、日野啓三がこの作品を高く評価したこと、石原慎太郎と宮本 輝が全否定したことが紹介されている。知らなかった・・・。そうか、宮本 輝も評価していなかったのか、知らなかった。

選考会の様子や受賞会見の様子が分かる写真も載っている。選考会で並ぶ川端康成と三島由紀夫の写真も。石原慎太郎と村上 龍がそろって、青山七恵の『ひとり日和』を褒めたということについても詳しく紹介している。私はこの作品を受賞の翌年(2007年)に読んでいる(過去ログ)。再読しようと探すも、カオスな書棚に見つけることができなかった・・・。本をきちんと整理しなくては。

『芥川賞の謎を解く』鵜飼哲夫/文春新書 文学好きにおすすめの1冊。


過去にも芥川賞の選考について書いている(過去ログ)。


― 火の見櫓講座開催のお知らせ

2019-11-20 | A あれこれ

 火の見櫓講座開催のお知らせです。








静岡県 富士宮市にて


茨城県 筑西市にて

講座ではパワーポイントを使って美しい火の見櫓や珍しい火の見櫓の紹介、火の見櫓観賞のポイントなどをお話させていただく予定です。穂高に立っている火の見櫓の観察も予定しています。

皆さんの参加をお待ちしております。



 開催日時:12月1日(日) 午前9時30分から

 会場:碌山公園研成ホール 安曇野市穂高 碌山美術館向かい

 参加費用:2,500円(700円) 当日テキストとして使う「あ、火の見櫓!」の本代を含みます。既に本をお持ちの方は参加費700円です。本をご持参ください。

 問合せ・参加の申し込み先:ココブラ運営事務局 (株)JOHO 電話 0263-35-9800



 


「芥川賞の謎を解く」を読む

2019-11-20 | A 読書日記



 **(前略)いままでかなりの数の図書館で講演をしてきたのですが、こんなに充実したイベントを、こんなにたくさん行っているところは初めてです。(後略)**という金原瑞人さんの文章が塩尻で開催されている「本の寺子屋」のリーフレットに掲載されている。金原さんは昨年「本の寺子屋」で講演をしていて、私も聴いた。

今年度の「本の寺子屋」は5月19日に三田誠広さんの「本を読むこと/本を書くこと」で始まった。今月17日は今年度12回目、鵜飼哲夫さん(読売新聞編集委員)の「新聞書評と読書」と題した講演だった。

鵜飼さんは小泉今日子さんに読売新聞に書評を書く読書委員(他紙では書評委員とも)になって欲しくて神楽坂で久世光彦さんらと一緒に彼女と飲んで、飲んで、断られ続け・・・、小泉さん(って、なんか変、キョンキョン)が席を外したときの久世さんのアドバイスが効いてやっとOKしてもらった、といったエピソードや安部公房との電話でのやり取りの様子などのエピソードを交えながら新聞書評について語っておられた。なかなか面白い講演だった。

今月24日には歌人の穂村 弘さんの講演会が開催される。この日は都合がつかず参加できないが、今年度最後、来年3月8日の堀井正子さんの講演会には是非参加したいと思っている。SBCラジオで聴く彼女のソフトな声がとても好きだ(過去ログ)。

鵜飼さんの著書『芥川賞の謎を解く 全選評完全読破』文春新書を講演終了後に会場で買い求めた。



「全選評完全読破」というサブタイトルやこんな帯を目にして、買わないなんて選択肢はない。**大江健三郎は田中康夫「なんクリ」をどう読んだか?** どう読んだのだろう。


 


あ、載ってる!

2019-11-17 | H 「あ、火の見櫓!」



 長野県の中信地域を対象エリアとする生活情報紙「市民タイムス」に火の見櫓の本を出版したことを取り上げていただいた。市民タイムスは地元ページを第1面にもってくる紙面構成をしているので、東筑・北安エリア版では写真のように1面のトップに掲載された。

本を自費出版した人を紹介する記事を時々目にするが、そのような記事と同様の扱いだろうと思っていたので、このように大きく紙面を割いた記事に驚いた。

なぜこのように大きく取り上げられたのだろう・・・。

今日(17日)の午後、読売新聞編集委員の鵜飼哲夫さんの「新聞書評と読書」という講演を聴いたが、鵜飼さんは講演のなかで、おもしろいと思ったことをどうやって伝えるか、その時は特別に大きくしよう、ということもあると記事の扱いについて語っておられた。

このことを聞いて市民タイムスの記者が私の説明に火の見櫓っておもしろい!と思ったのかもしれないなどと勝手に都合の良い解釈をした。自分の知らない世界を知ることの楽しさを誰でも感じると思うが、新聞記者はより強くそのように感じるのかもしれない。

このような記事を通じて火の見櫓に関心を持つ人が増えればうれしい。

それにしても大きく載ったなぁ


 


132枚目

2019-11-17 | C 名刺 今日の1枚


132枚目 

 わが村の図書館に『あ、火の見櫓!』を謹呈させていただこうと、先日図書館に電話をした。司書のMさんの「本は図書館にあります」という返答に驚いた。今日(17日)図書館にMさんを訪ねた。

Mさんに購入の経緯を訊くと、MGプレスの記事を読んでおもしろいと思ったからと答えが返ってきた。限られた予算の中でこの本を選択・購入していただいたことに感謝したい。

新着本の書架の前で写真を撮らせてもらった。

日本十進分類法による番号  317.79 を記したシールが貼られていた。


 


ありがとう

2019-11-17 | A あれこれ



 昨晩(16日)33会のメンバーから出版を祝う会を開いてもらった。33会は中学の時3年3組だったことに因んでつけた親睦会の名称で、同級生たちとの付き合いはずいぶん長い。今までの親しい付き合いに感謝し、これからもよろしくとの願いを込めて本を進呈した。

この33会で一年おきに旅行に出かけているが、今年は1月に出雲旅行をした(過去ログ)。 前から毎年行きましょうという声があったが、昨晩も「来年も行きた~い!」との希望が出た。一年おきだともう何回も行くことができないというのが理由。

今年の忘年会で相談しなくては・・・。間もなく忘年会のシーズンになる。時の流れははやい。


 


情報発信 紙媒体の有効性

2019-11-16 | H 「あ、火の見櫓!」





 今日(11月15日)の市民タイムスの17面に掲載された「地域のベストセラー」の第3位に『あ、火の見櫓!』が入っていた。今話題の『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治/新潮新書を押さえた結果にびっくりした。

月2回掲載される(と思う)ので今回は11月前半の結果だろう。下の写真の記事が10月31日のMGプレスに掲載されたことが効果的だったのではないか。紙媒体では読み逃すということがあまりない。朝刊を夜読むこともできるし、翌日以降に読むこともできる。今はラジオでも聞き逃しサービスがあるが、情報伝達の確実性はテレビやラジオに新聞などの紙媒体が優るだろう。



紙媒体の有効性を改めて実感する出来事だった。私が発した情報を多くの人が受け取ってくれている。このことがうれしい。

皆さん ありがとうございます。


 


朝カフェ読書

2019-11-14 | A 読書日記



 日常の中の非日常なひと時であった朝カフェ読書が今ではすっかり日常の一部となった。

今朝(14日)もスタバの開店直後にカウンターへ。カウンター内のふたりの女性店員とは顔なじみ。「新聞見ました。ラジオも聞きましたよ」と声をかけられ、おじさんはうれしかった。  新聞(MGプレス)の写真を見て「あれ、あの人だ!」と気がついたとのこと。

いつもの席でいつものコーヒーを飲みながら『「わかる」とはどういうことか』山鳥 重/ちくま新書を読む。

**草の形はそれぞれ独特で個性いっぱいです。ですが、草を知らない人、草に興味のない人が見ると、草は見えてはいますが、それぞれの草がそれぞれ違う形をしていることに気がつきません(それぞれ区別できません)。少し注意を集めてしばらく眺めていると、それぞれの形が違うことが見えてきます。**(29頁) 

ぼくも本に同じことを書いている。以下にその箇所を引く。**火の見櫓巡りをするようになってから、どれも同じようなものだと思っていた火の見櫓が実はみんな違っているということが分かるようになりました。火の見櫓に関する知識を得て火の見櫓が見えるようになったのです。**(3頁)

読み始めた本のサブタイトルは「認識の脳科学」。この手の本は実に興味深く、今までに類書を何冊か読んでいる。今週末は、いや、今週末も何かと忙しいが、この本を読みたい。




 


建築用語

2019-11-14 | A あれこれ

 『茶 利休と今をつなぐ』千 宗屋(そうおく)/新潮新書を読み終えた。茶事には一生にも匹敵するような濃密な時間があるのだろうな、と思った。お茶を習っている人にも習っていない人にもおすすめの一冊。

第七章 深遠なる茶室 では茶室の空間的・建築的な説明がなされている。

**柱が細く、壁の薄い茶室は、壁の中に貫(垂直の柱を水平方向に貫通させ、楔で固定。壁や床下の補強に用いる)を縦横に組み、堅牢な骨組みを作り上げています。**(171頁)と、茶室の構造について説明している。残念なことにこの文章の貫に「かん」というルビがふってある。「ぬき」が正しい。

この箇所を読んで、建築用語が間違った使われ方をされることが時々あるなぁ、と思った。

さすがにこの頃はラジオなどで「鉄筋造り」などということばを耳にすることは無くなった。だが、鉄骨モルタル造りなどということばを聞くことがある。ネット検索すれば専門的な用語でも簡単に確認することができるのに、メディアで間違った建築用語が使われ続けるのはなぜだろう。

建築用語の場合は、日常的に使うものがかなりあるから、学術的な専門用語のようにきちんと定義づけられて体系的にまとまっているとは思われない。日常的に使うからこそ誤用も多々あると解すべきか。

照明を消すの意味で電気を消すと慣用している。これは誤りとは言い切れないのかもしれない。週刊朝日に連載されている嵐山光三郎の「コンセント抜いたか」は誤用。連載開始まで誤りを指摘する人がいなかったということか。この連載は文庫化されているが、ネットで検索して**お父さん!抜くのはプラグでしょ、プ・ラ・グ**と指摘する帯がついた画像が見つかった。

テレビ番組を見ていると出演者が梁のことを柱、土台のことを基礎などと呼ぶことすらあるからなぁ・・・。


 


131枚目はスタバで

2019-11-13 | C 名刺 今日の1枚



縁起を担ぐ

 今では茶柱を見ることが無くなったが、以前は茶柱が立っていると良いことがある、と思ったものだ。

この頃は奈良井川沿いの堤防道路(と呼んでいるが正式な名称は知らない)にあるアルピコ交通上高地線の踏切で「なぎさTRAIN」が通過するところに遭遇すると何か良いことがある、と思っている。

昨日(11日)仕事帰りに「なぎさTRAIN」に遭遇した。だから、きっと良いことがあるだろうと思っていた。今朝(12日)朝カフェ読書をしようとスタバへ。カンターの店員さんが「本買いましたよ!」と声をかけてくれた。MGプレスの記事を読んだという店員さんで、本を買いますと言ってもらっていた。「なぎさTRAIN」通過の吉兆はこのことを示していたのだ。
「そうですか、うれしいな!」と私。

131枚目はスタバの店員さんへ

「いつものコーヒー」を手に、2階のへ。席について『茶 利休と今をつなぐ』千 宗屋/新潮新書を読んでいると、店員さんが本を手に私のところへ。本にサインをし、名刺を付けて返した。ということで131枚目はスタバの店員さんへ。本を出版しなければ無かったふれあい。


◎ 今日(12日)本を扱っていただいている平安堂あづみ野店と塩尻の中島書店に問い合わせて分かったが、両店合わせてなんと53冊も売れていた。ある知人はわざわざ長野から買いにきてくれたようだ。

ここで改めてお礼を述べさせていただきます。「皆さん本当にありがとうございます」


1222 安曇野市明科の火の見櫓

2019-11-12 | A 火の見櫓っておもしろい


1222 安曇野市明科南陸郷 4脚4〇型 撮影日191110

 明科南陸郷の火の見櫓は国道19号から見えにくく、最近ようやく気がついていた。「土偶展」からの帰路、立ち寄って観察した。火の見櫓のある風景は実に好い。里山の麓のなだらかな斜面に広がる集落の中にすくっと立つ火の見櫓の姿を凛々しく、頼もしく感じるのは私だけだろうか・・・。



地区の集会施設の駐車スペースに車を停めて、なだらかな坂道を登り、火の見櫓を観察する。屋根と見張り台の大きさのバランスが良い。4脚と4角形の屋根というオーソドックスな組み合わせは好ましく、しっくりくる。



見張り台にサイレンを設置してある。もう半鐘を叩くこともないのだろう。特に飾りがなく、丸鋼を縦横にクロスさせた手すり子、これはこれで好ましい。円形の見張り台の床に方杖を突いている。方杖はこのように反っていると見た目には好い。ただし鋼材をこのようにつっかい棒のように扱うのは 構造上理にかなっているのかどうか。



柱と屋根との取り合いに注目。柱の上端を一旦水平部材で受け、その水平部材で屋根を支えるという構成を採っている。これは珍しい。半鐘を屋根下の真ん中に吊り下げている。見張り台が十分広ければこの方が見た目が落ち着く。どっしりとしていて存在感のある半鐘だ。



櫓中間の踊り場。櫓内全面を床にしていない。このような構成もあまり見かけない。上部の梯子を垂直構面に平行ではなく、斜めに設置しているが、これもあまり見かけない。外付け梯子上端の留め方にも注目。



脚部。この火の見櫓にも「登らないで下さい」というプレートを設置してある。先日三郷でも同じプレートを見た。脚部の下半分は柱材のみ伸ばしているが、やはりトラス脚が好ましい(と、もう何回書いただろう)。



脚元に立って火の見櫓を見上げる。このようなアングルでも観賞したい。幾何学的な造形の美。




 


1221 千曲市栗佐の火の見櫓

2019-11-11 | A 火の見櫓っておもしろい


1221 千曲市栗佐 3脚4〇型 撮影日191110

 千曲市屋代にある長野県立歴史館で開催されていた土偶展を観て、高速道ではなく、一般道で帰ることにした。まだ見ていない火の見櫓と遭遇することを期待して。



あまり見かけない3角形の櫓に4角形(方形)の屋根という組み合わせ。屋根のてっぺんについている飾りも4隅の蕨手も細い丸鋼でつくられていて、繊細な印象を受ける。蕨手はチョウの吻を思わせる。

見張り台の手すりの飾りはエレガント。床の構造部材が放射状に配置されている。



脚部 柱材に逆U部材を合わせている。やはりトラス構造の脚の方が好ましい。


 


国宝土偶5点 勢ぞろい

2019-11-11 | A あれこれ


長野県立歴史館(千曲市)外観 撮影日191110


特別企画「土偶展 国宝土偶―縄文文化の多彩な個性」

 国宝の土偶は5点しかなく、全てが勢ぞろいしているとあっては観に行かないわけにはいかない。ということで最終日の昨日(10日)、千曲市にある長野県立歴史館まで出かけてきた。展示室内は撮影が禁止されているが、展示室外の廊下に掲示されている土偶の資料などは撮影可、ということだったので下の写真を撮った。個性的な土偶5点が並んでいる。



左から

① 縄文の女神  :山形県舟形町・西ノ前遺跡  約4800年前 高さ45.0cm
② 縄文のビーナス:長野県茅野市・棚畑遺跡   約5300年前 高さ27.0cm
③ 仮面の女神  :長野県茅野市・中ッ原遺跡  約4000年前 高さ34.0cm
④ 合掌土偶   :青森県八戸市・風張1遺跡   約3500年前 高さ19.8cm
⑤ 中空土偶茅空 :北海道函館市・著保内野遺跡 約3500年前 高さ41.5cm

5点の中では②縄文のビーナスが好き。


①縄文の女神は木彫のような印象で、これは後ろ姿ではないかと思った。側面のフォルム・カーブが独特だった。

②縄文のビーナスと③仮面の女神は茅野市尖石縄文考古館で既に観ている。過去ログ

④合掌土偶は他の4点とは違い、座位で名前の通り合掌した姿で、最も具象的な姿だ。この土偶の写真は今までに何回か見たことがあり、今回の展覧会で実物を見ることができてうれしかった。存在感のある土偶で一番時間をかけて観た。

⑤中空土偶茅空は両腕が欠損している。両脚で挟んでいるように見えるパイプ状の穴が気になるが、この展覧会のことを報じた新聞記事(*1)によると、この穴が体の中の空洞とつながっていて、火で焼く時に破裂しないように工夫したものだという。体の中に水を入れ、脚のこの穴から何かに注ぐために使われたという見方もあるそうだ。想像はたくましくしておいた方が良いだろう。確かに空気抜きの穴であればもう少し目立たないようにつくろうとするのかもしれず、何かに使うことを目的につくったのかもしれない。

1万年以上も続いた縄文時代、国宝の土偶は約3500年前から5300年前に制作されている。人の造形力は今も昔も変わらないのかもしれない。現在の「芸術品」は5000年後まで伝わるのだろうか、そして未来人を感動させることができるのだろうか・・・。

土偶を見ながらこんなことを考えていた。

最終日ということでかなり混んでいた。入場待ちしている時、入場者が14,000人になったとアナウンスしていたが、最終的には15,000人を超えたようだ(後日正確な数字を確認出来たら修正したい)。


*1 信濃毎日新聞2019年11月2日付17面「みんなのひろば」

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