1222 安曇野市明科南陸郷 4脚4〇型 撮影日191110
■ 明科南陸郷の火の見櫓は国道19号から見えにくく、最近ようやく気がついていた。「土偶展」からの帰路、立ち寄って観察した。火の見櫓のある風景は実に好い。里山の麓のなだらかな斜面に広がる集落の中にすくっと立つ火の見櫓の姿を凛々しく、頼もしく感じるのは私だけだろうか・・・。
地区の集会施設の駐車スペースに車を停めて、なだらかな坂道を登り、火の見櫓を観察する。屋根と見張り台の大きさのバランスが良い。4脚と4角形の屋根というオーソドックスな組み合わせは好ましく、しっくりくる。
見張り台にサイレンを設置してある。もう半鐘を叩くこともないのだろう。特に飾りがなく、丸鋼を縦横にクロスさせた手すり子、これはこれで好ましい。円形の見張り台の床に方杖を突いている。方杖はこのように反っていると見た目には好い。ただし鋼材をこのようにつっかい棒のように扱うのは 構造上理にかなっているのかどうか。
柱と屋根との取り合いに注目。柱の上端を一旦水平部材で受け、その水平部材で屋根を支えるという構成を採っている。これは珍しい。半鐘を屋根下の真ん中に吊り下げている。見張り台が十分広ければこの方が見た目が落ち着く。どっしりとしていて存在感のある半鐘だ。
櫓中間の踊り場。櫓内全面を床にしていない。このような構成もあまり見かけない。上部の梯子を垂直構面に平行ではなく、斜めに設置しているが、これもあまり見かけない。外付け梯子上端の留め方にも注目。
脚部。この火の見櫓にも「登らないで下さい」というプレートを設置してある。先日三郷でも同じプレートを見た。脚部の下半分は柱材のみ伸ばしているが、やはりトラス脚が好ましい(と、もう何回書いただろう)。
脚元に立って火の見櫓を見上げる。このようなアングルでも観賞したい。幾何学的な造形の美。