透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

富岡製糸場の見学

2013-04-14 | A あれこれ

■ ようやく念願かなって、昨日(13日)群馬県富岡市にある富岡製糸場の見学に行ってきました。ここには近代日本の幕開けを象徴する建築が建ち並んでいます。

世界最大規模の繭倉庫(東西2棟)と繰糸場という主要な施設を広大な敷地(53,738㎡)にコの字形に配置しています。コの字の中に繭の乾燥場と蒸気釜所、鉄水槽などを配置し、コの字の外側すなわち敷地外周に女工の寄宿舎、工場建設の指導にあたったフランス人ポール・ブリュナの家族の住居(といっても面積は916.8㎡と広い)や病室付きの診療所、フランスから招いた女性技術者(女工に技術指導をした)の宿舎、検査人館などが配置されています。

明治政府が日本の近代化を生糸の生産と輸出に賭けて建設した富岡製糸場。これだけの規模の施設を構想したことと、それを1年数ヶ月で完成させた明治時代の日本の底力に驚きます。140年経過して今なお健全な建築、当時の職人たちの技術の確かさに敬服します。

 

▲ アプローチ道路正面のアイストップは富岡製糸場の東繭倉庫、1階中央のゲートが印象的。ヨーロッパの古い都市空間を思わせる構成。


東繭倉庫 木骨レンガ造2階建て 和の真壁と洋のレンガ 桁行方向の長さ104.4m 梁間方向12.3m 高さ14.8m 明治5年建設



▲ 東繭倉庫正面(東側)外観 木のフレームと両開き扉の繰り返しの構成が美しい。 繰り返しの美学!



▲ 妙義山から伐り出されたという杉材、現甘楽町につくられた窯で焼き上げたレンガ、下仁田の石灰を主成分とする漆喰、連石山(甘楽町)から伐り出してつくられた礎石、地元地消でつくられた施設

柱脚と礎石の固定方法は?



▲ アーチの中央頂部のキーストーンに彫り込まれた建設年



▲ レンガ造アーチの端部と柱の取り合い




▲ 2階床の合わせ梁の小口 雨対策は?



▲ フランス積みのレンガ壁



▲ 裏面(西面)外観 バルコニー式の外廊下



▲ 内観 東繭倉庫1階内部(展示スペース)  木の白い通し柱と2階の床梁

繰糸場 木骨レンガ造平屋建て 桁行方向の長さ140.4m 梁間方向12.3m 高さ12.1m 明治5年建設



▲ 繰糸場北面外観 ガラスはフランスからの輸入品とガイドさんの説明



▲ 繰糸場の内部  木造トラス これぞ繰り返しの美学! 


今回の見学に一緒に行ったY君、運転おつかれさま。Mさん、サンドウィッチごちそうさま。Hさん、また見学に行きましょう。


 


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2 コメント

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Unknown (UIKO)
2013-04-14 08:12:01
私も四年前の夏に行きました。
歴史が刻まれた場所に身を置くときの感触を
U1さんの写真からまた思い出しました。

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UIKOさんへ (U1)
2013-04-14 16:17:45
コメント感謝!
「歴史が刻まれた場所に身を置くときの感触」 そうかこれだったんですね。モダン建築にいるときとは明らかに違いますね。
なかなかいいところでした。また違う季節に行ってみたいと思います。
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