透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

半鐘の龍頭

2024-01-22 | A 火の見櫓っておもしろい

 なぜ梵鐘(火の見櫓の半鐘も同様)のつり手の飾りに龍が使われているのか。今まで特に疑問にも思わなかったが、FBに半鐘とその頭部の龍頭(竜頭)の写真(①  ②)を載せたところ、ある方からこのことを問うコメントをいただいた。それで調べてみた。




龍頭 二頭の龍頭が相反する造形、宝珠を載せている。この先は仏教の世界。龍は何を銜えているのだろう・・・。

火の見櫓の専用品としてこのような半鐘が鋳造されていたのであれば、龍は水を司る神であるから、火除けの願いを込めたのだという説明も出来るだろう。だが、そうではなくて寺の梵鐘でサイズが小さいものを火の見櫓の半鐘として用いたのだから、この説明は合理性を欠く。

今はネット時代、検索すると何らかの答えが見つかる。蒲牢(ほろう)という中国の神話に出てくる想像上の動物に行き着いた。咆えることを好み、また鯨を襲った時に鯨の咆えるのを聞くことも好むという。それで鐘の音が大きく響くように願って蒲牢をつり手部分の飾りにした、ということだ。蒲牢は龍の子だから姿が龍とよく似ている。それで、龍頭と呼称するようになったのだろう。


尚、この半鐘は松本市寿の火の見櫓(写真③)に吊り下げられていたが、火の見櫓は既に撤去され、半鐘は保管されている。このことについて既に書いた(過去ログ)。


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