透明タペストリー

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「飢餓同盟」を読む

2024-06-23 | A 読書日記


 安部公房の『飢餓同盟』(新潮文庫1970年発行、1994年25刷)を読んだ。いや、読んだとは言えないか。前衛的な作品というわけでもないけれど、読みこなすことができなくて、ただ字面を追っただけだったから・・・。初期の作品は難しい、いや、脳の劣化著しく、読解力、記憶力がかなり低下していることが主因であろう。

カバーの裏面の紹介文を転載する。**眠った魚のように山あいに沈む町花園。この雪にとざされた小地方都市で、疎外されたよそ者たちは、革命にための秘密結社〝飢餓同盟〟のもとに団結し、権力への夢を地熱発電の開発に託すが、彼らの計画は町長やボスたちにすっかり横取りされてしまう。それ自体一つの巨大な病棟のような町で、渦巻き、もろくも崩壊していった彼らの野望を追いながら滑稽なまでの生の狂気を描く。**

ストーリーを要約すれば確かにこんな感じではあるが、滑稽なまでの生の狂気? そうなのか・・・。


手元にある安部公房の作品リスト

新潮文庫22冊 (文庫発行順 戯曲作品は手元にない。2024年3月以降に再読した作品を赤色表示する。*印は絶版)

今年中に読み終えるという計画でスタートした安部公房作品再読。6月22日現在11冊読了。残りは11冊。今年3月に出た『(霊媒の話より)題未定 安部公房初期短編集』(新潮文庫)を加えたとして12冊。7月以降、2冊/月で読了できる。 


『他人の顔』1968年12月
『壁』1969年5月
『けものたちは故郷をめざす』1970年5月
『飢餓同盟』1970年9月
『第四間氷期』1970年11月

『水中都市・デンドロカカリヤ』1973年7月
『無関係な死・時の壁』1974年5月
『R62号の発明・鉛の卵』1974年8月
『石の眼』1975年1月*
『終りし道の標べに』1975年8月*

『人間そっくり』1976年4月
『夢の逃亡』1977年10月*
『燃えつきた地図』1980年1月
『砂の女』1981年2月
『箱男』1982年10月

『密会』1983年5月
『笑う月』1984年7月
『カーブの向う・ユープケッチャ』1988年12月*
『方舟さくら丸』1990年10月
『死に急ぐ鯨たち』1991年1月*

『カンガルー・ノート』1995年2月
『飛ぶ男』2024年3月


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