透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

平安時代の住居跡から出土した刀子

2024-01-16 | A あれこれ

 長野県朝日村には縄文時代の遺跡が何か所かある。西洗馬(にしせば)の氏神遺跡もそのひとつで、縄文時代、弥生時代、平安時代の遺物・遺構が出土している。

氏神遺跡から出土した平安時代の刀子(とうす、小刀)が朝日村歴史民俗資料館に展示されていることを知り、見に行ってきた(同館は19日まで冬季休館中だったが、知らずに出かけてしまった。お願いして見学させてもらった)。同館学芸員の方が長野県立歴史館に出向き、考古資料課の職員の指導を受けて劣化していた刀子の保存処理を行った貴重なものだ。

刀子は時代によって用途・目的が異なるとのことだが、平安時代には役人が紙を切ったり木簡を削ったりするときに使う鉄製の「文房具」だったとみられるという。


朝日村歴史民俗資料館 


同館2階展示室 正面奥が氏神遺跡の出土品展示ブース ここに刀子が展示されている。




長さ15cmほどの刀子

1000年も前、ちょうど紫式部が『源氏物語』を書いていたころの役人が仕事で使っていたのか・・・。


「鉄製刀子 保存処理報告書」

刀子の保存処理の過程が写真付きで詳細に記録されている。