長野県朝日村にて 2023.07.15
■ いつの間にか火の見櫓の左後方の倉庫の後ろにあった大きな木が切り倒されていた。風景の雰囲気がだいぶ変わってしまった。スケッチにはその無くなった高木、ハクモクレンを描き入れた。このスケッチでは他にも白いアジサイ(写真には写っていない)の色を青に変え、道路左側の家の前に青いアサガオを咲かせた。アサガオはようやく咲き始めたところで、やはり写真では判然としない。
この風景を描くのは今回が6回目。道路の両側の敷地の高さに差があって、建物の様子が一見不自然に見える(写真参照)。敷地の高さを揃えれば、もっと自然に、リアルに見えると思うが、そのような調整はしないで、そのまま描いた。火の見櫓の左側の大きな倉庫が遠近感に不自然な感じを与えているが、やはりそのまま描いた。屋根の勾配が実際よりちょっと急だったことに写真と見比べて気が付いた。
この風景で悩むのは後方の山並みの表現。稜線、山の端を1本の線を引いて終りにするかどうか・・・。1本の線だけで表現するほど遠くにないので、少しノイズの線を描き入れた。
山の色もどうしようか、考えた。遠くの山は青みを帯びて見える。レイリー散乱と呼ばれる現象だという。だが、この場所から見える山は青みを帯びるほど遠くにない。画面全体の緑のトーンを合わせた方がまとまるだろう、と今回は木々と同系色にした。夏の緑のイメージ。
この風景は、納得いくまで描きたかった。いや、理由は敢えて書かないが、どうしても描かなくてはならなかった。構図、色の調子、共にまとまったと自己判断して、ここのスケッチを終わりにする。