■ 3月17日付信濃毎日新聞朝刊の第30面（第二社会面）に上掲の見出しの記事が載った。記事から引用する。＊＊原子力規制委員会は16日、東京電力柏崎刈羽原発（新潟県）で、核物質防護設備の機能が一部喪失し、実効性のある代替措置を講じていなかったため、2020年3月以降、テロ目的などの不正な侵入を検知できない可能性があったと発表した。＊＊
＊＊規制委によると、警備担当の東電社員は、代替措置に実効性がないことを認識していたのに改善していなかった。＊＊
この会社に原発運転の資格はないと指摘されても仕方ない（＊1）。
『スピカ 原発占拠』高嶋哲夫／宝島社文庫
日本海沿岸に建設されたばかりの世界最大の原発がテロ集団に占拠される。彼らは原発を暴走させて、放射性ガスの放出を目論んでいる。日本政府にシビアな要求が・・・。科学者同士の対決あり、恋愛あり、家族愛ありと内容は盛りだくさん。クライマックスはハリウッドの映画。カバー折り返しのプロフィールによると作者は元日本原子力研究所の研究員。（2016.05.01の記事再掲）
この小説に描かれていることはあり得ないことではない。
＊1 追記：2021.03.19 19日の信濃毎日新聞朝刊に「東電に運転資格はあるのか」と題する社説が掲載された。＊＊福島第1原発であれほどの事故を起こしておきながら、安全に対する意識がいまだに徹底されていない。＊＊社説はこの一文から始まっている。昨夜（18日の夜）、本稿をアップした時、私が思ったのはまさにこのことだった。
