透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

1265 火の見櫓へのオマージュ?

2020-11-28 | A 火の見櫓っておもしろい


1265 茅野市宮川高部 (高部公民館) 3脚無3変形 撮影日2020.11.26
半鐘を吊り下げるのは上の写真に写っている貫通柱ではなく、反対側(西側)の柱。

 建設中の高部公民館の東隣に茅野市消防団宮川分団の屯所があり、そこに火の見櫓が立っていた。ここは「神長官守矢史料館」のすぐ近くだが、いままでこの火の見櫓には気がつかなかった・・・。火の見櫓より建築に関心があったのだろう(もちろん今もそうだが )。

高部公民館の敷地に火の見櫓が立っていたようで、この火の見櫓はその後継ではないかと思われる。亜鉛メッキした鋼管でつくられていて古いものではない。半鐘を吊り下げてあるから火の見櫓には違いないが、櫓上端に消火ホースを掛ける作業をするための床面を設えてある。消火ホース乾燥塔に火の見櫓としての機能も持たせた、と捉えるのが妥当かもしれない。消火ホースの長さ(20m、二つ折りにして10m)に合わせて櫓の高さを決めたようだ。



 
左:信濃毎日新聞2月1日付朝刊31面より(黄色い〇は筆者による)西側の貫通柱を写したもの
右:神長官守矢史料館に掲示されていた高部公民館の模型写真

高部公民館の屋根を貫く柱に半鐘を吊り下げるというのは、古い火の見櫓へのオマージュという意味もあるかもしれない。火の見櫓は地域の象徴でもあるから、地域住民が利用する公民館に半鐘を残すのはとても好いことだと思う。


 


フジモリ建築見学記

2020-11-28 | A あれこれ

 建築史家であり建築家でもある(いや、今では逆、建築家であり建築史家でもある)藤森照信さんは長野県茅野市の出身で、デビュー作「神長官守矢史料館」は地元宮川高部地区にある。史料館から徒歩で数分のところに「高過庵」と「低過庵」、「空飛ぶ泥舟」もあって、フジモリ建築ファンがこれらの作品の見学に訪れている。どれもとてもユニークな作品だ。そして今、高部公民館の建て替え工事が行われている。この公民館も藤森さんの設計(過去ログ)で完成は来年(2021年)5月の予定だという。



撮影日2020.11.26 

左上:神長官守矢史料館(過去ログ)    右上:高過庵(過去ログ
左下:低過庵(過去ログ)         右下:空飛ぶ泥舟(過去ログ



建設中の高部公民館(撮影日2020.11.26)
県道岡谷茅野線と市道に挟まれた細長い敷地にフィットさせるために公民館も細長い。


屋根を貫く柱 屋根の東端





なかなか迫力ある外観だ。屋根の西端を貫いて立つ枝付き柱。柱(たぶん右側の太い柱)に半鐘を吊り下げる予定だという。外壁は低過庵にも使われている焼杉板張り。来年(2021年)の5月、竣工したらまた出かけたい。楽しみだなぁ。