透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

防災無線による情報伝達は確実か

2016-03-11 | A あれこれ

■ 東日本大震災から今日(11日)でちょうど5年経った。今年も松本市でシェイクアウト訓練が行われた。


松本市のHPより転載



シェイクアウト訓練って何? アメリカで2008年に考案された、地震発生時の身の安全確保を主眼にした訓練。具体的には上図のような3つの基本行動をする。

私の勤務先でもこの訓練に今年も参加した。午前11時、市内の防災行政無線(町中に設置されている拡声スピーカー)から訓練を知らせる音声が流れた。窓を閉じていれはあまり聞こえないので窓を開けてこの放送を聞いたが、複数のスピーカーから流れる音声が周囲の丘などで反響してずれて重なり、伝達内容がよく聞き取れなかった。

何か重要な内容を聞き落してしまったのではないか・・・、放送の内容が聞き取れないと不安になるものだ。これでは災害発生時にはパニックを引き起こしかねない。伝達内容はシンプルに、誰でも分かることが重要だ。小さな子どもにも当然分からなくてはならない。

多くの人が参加した訓練について改良すべき問題点はなかったのか調査・検証して、その結果を今後活かすべきだ(と昨年も書いたが、このようなことをしていないかもしれない)。


三重県鈴鹿市では津波の避難訓練で防災行政無線のスピーカーの音が聞こえにくいという住民がいるために、寺の梵鐘を叩いて知らせる訓練をしているそうだ(同市のHPより転載(下線は筆者))。

ならば、火の見櫓の半鐘!  

火の見櫓を見直すべきなのだ(実際そのような自治体もあるようだが)。災害発生を伝える時には半鐘を連打することにしておけばどうだろう。叩き方が分からない、などということがないように簡単な叩きかたにしておく。消防団員の不足?火の見櫓の上り下りが大変?危険? いや、半鐘を地上で叩く装置が開発されている。

江戸時代から連綿と続いてきたシンプルで明快な防災システムを簡単に取りやめてしまっていいものか、再考すべきだ。だが、既に時遅し、かな・・・。


過去ログに手を加えて再掲した。