透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「シャボン玉」

2011-12-19 | A あれこれ

 NHKの「ラジオ深夜便」をよく聴きます。夜の11時半頃に始まって翌朝の5時まで、長時間の放送です。

朝4時過ぎからの「明日への言葉」というコーナーに今朝(19日)野口雨情のお孫さんの野口不二子さんが出演され、雨情が創作したいくつかの詩について語っておられました。

数日前このコーナーにドナルド・キーンさんが出演され、専門の日本文学のことや交流のあった作家の想い出を語っておられるのも聴きました。歳をとったせいでしょうか、朝早く目が覚めます。

野口雨情作詩の「シャボン玉」はよく知られた童謡ですね。

シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ 屋根まで飛んで こわれて消えた

シャボン玉消えた 飛ばずに消えた 生まれてすぐに こわれて消えた

風 風 吹くな シャボン玉飛ばそ

不二子さんのお話で初めて知ったのですが、雨情は生後まもない我が子を亡くしているんですね。 「生まれてすぐに こわれて消えた」という2番はこの悲しい出来事を詩にしたんですね。 シャボン玉を人生に見立てて詩を書いた雨情。1番の詩は全うできた人生ということになるのでしょう。それと対比的に2番を創っています。

「風 風 吹くな」 ここには雨情の優しさを感じます。

よく知られた童謡が人生をモチーフにしていたとは・・・。「雨降りお月さん」や「赤い靴」もそうですね。雨情作詩の童謡には深い意味が込められているんですね~。