透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「五重塔のはなし」

2011-12-02 | A 読書日記



 五重塔はこれまで地震による倒壊例がないという。その秘密は心柱の制振効果にあるといわれている。東京スカイツリーにも鉄筋コンクリート造の円筒(=心柱、内部は階段室)が設置されていて話題になっているが、五重塔の心柱にどの程度の制振効果があるのかはよく分かっていないようだ。

『五重塔のはなし』/建築資料研究社を読み始めた。

Q&A方式で書かれている。原則として1項目見開き2頁でQ73まである。Qは多岐にわたるがそれぞれのAは分かりやすい。Q43は「塔の寸法に決まりはあるか?」。Aで塔のプロポーションや各部の寸法決定のプロセスが解説されている。

濱島正士氏(文化財建造物保存技術協会会長)による「五重塔の見かた」というタイトルの五重塔の解説は専門的で難しいがなかなか興味深い。日本の木造技術は奥が深いということを再認識した。


この本でも触れている逓減率については以前書いた(過去ログ)。火の見櫓のプロポーションを数値化するのにも有効な概念だ。