安曇野市三郷にて(080622)
■ 安曇野。地元堀金出身の作家・臼井吉見の同名の小説によって広く知られるようになったそうですね。それまでは「松本平」という呼称が一般的だったようです、と以前も書きました。
安曇野の景観を特徴付けているものといえば北アルプスを背景とする水田地帯に点在する屋敷林でしょう。但し屋敷林は安曇野に特有のものではなくて例えば富山県の砺波平野の「カイニョ」や島根県の出雲平野の「築地松(ついじまつ)」などもよく知られています。どちらも捜せば昔撮った写真が見つかるはずですが、今回は掲載を見送ります。
ところでこの安曇野の景観を特徴付けている屋敷林が次第になくなりつつあるそうで、先日(0618)新聞に「安曇野 屋敷林守ろう」という記事が載りました。
屋敷林は防風林として季節風などから家屋を守り、また夏の強い日差しを遮るなどの実利的な役割もあるでしょうが遠くからでも自分の屋敷の所在が良く分かるというシンボル的な役割、それに高木に対する特別な想い、そう巨木信仰もありますから家の守り神のような意味合いもあるのではないか、と私は思っています。
記事にもありますが、枯れ枝や枯れ葉の片付けに手間や経費がかかるために所有者によって止む無く伐採されたり、後継者がいないために荒廃が懸念される屋敷林もあるそうです。そこでこの程地元安曇野市の市民らが屋敷林を守ろうと「屋敷林と歴史的まちなみプロジェクト」を発足させたと記事は伝えています。
約五十ヶ所の屋敷林をリストアップして今月から現状調査を始めるそうです。所有者から屋敷林の来歴や管理上の悩みなどの聞き取り調査をするそうですが、なかなか大変な作業だと思います。
安曇野の美しい景観を守るために頑張って欲しい、このプロジェクトのリーダーに就いた友人を電話で激励しました。来年度に調査結果を冊子にまとめるそうです。できることならネット上にも公開して欲しいと思います。成果を期待しています。