透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

見立ての手法

2007-03-08 | A 読書日記



 数日前の新聞に載ったケータイの広告。①の写真ではケータイを超高層ビルに見立てています。斬新なデザインの超高層ビルです。②の写真はケータイがビルの一部になっていますね。こういう発想は昔からありました。例えば白砂を敷きつめた庭を海に、庭石を船や島に見立てる、というように。

一見建築とは全く無関係のモノを建築に見立てると、ユニークな造形が出来そうです。生命体からイメージした都市の構想が紹介されたりもしました。

③    ④

『人間の都市』菊竹清訓/井上新書は昔の本ですが、塔状都市が紹介されています(④の写真)。かつては建築家が構想したこのような未来都市がしばしば発表されました。ちょっと写真が分かりにくいですが、これは超高層の集合住宅です。

ここで問題。この超高層の集合住宅から何をイメージできるでしょうか。ケータイから超高層ビルをイメージしたのと逆のパターンです。何からこの超高層をイメージしたか、と考えても同じことですが。

どうでしょう・・・、皮をむいた「とうもろこし」。1つの住戸をとうもろこしのひとつの粒に見立てる。こんな風に発想するとあるモノが全く違ったモノに見えてきます。建築だけでなく様々な分野に必要な発想法かもしれません。