哲仙の水墨画

デジカメの風景写真、四季の草花、水墨画、書、短歌などを楽しみます。

八坂の塔(写真)

2009-10-16 05:26:37 | 写真
当てもなき歩きも楽し路代えて
ふと現るる八坂の塔は        樋田哲仙

 智積院の前の東大路通を北上し、五条坂を通り過ぎて程なく、路地へ右折するとどこを歩いているのか分からない。東山の緩やかな連峰が見えるだけで住宅の立て込んだ道は迷い込んだも同然であるが、急に視界が広がると目の前に見慣れた八坂の塔(法観寺の五重塔、重要文化財)が現れた。時には路を代えるのも面白いものだ。

大輪の菊(墨彩画)

2009-10-15 05:59:44 | 墨彩画
えもいへぬ香に魅せられて楽しむは
菊花展まであと二週間      樋田哲仙

 文化の日のころの楽しみに菊花展がある。このブログでもなんども紹介している和泉市国華園の全国菊花大会である。全国各地から優れた菊花愛好家が出品して競う大会である。規模といい、量といい他の菊花展を圧倒する大きさで、ドームの中での展覧は香りが満ちて1日堪能できる。毎年楽しみにして出かけるその大会が、あと2週間に迫った。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第五十七番めぐりあひて(書)

2009-10-14 05:14:21 | 
めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に
雲がくれにし夜半の月かな        紫式部

 久しぶりに幼馴染のあなたに行きあって、他人の空似か確かめる間に去ってしまわれた。それはまるで夜半の月が雲に隠れるようなものでした。紫式部は源氏物語の作者。夫の藤原宣孝と死別後、上東門院(一条天皇の中宮彰子)に仕えた。清少納言とともに当代切っての才女。

我が家の松の木(写真)

2009-10-13 06:31:04 | 写真
三日間晴れて我が家の松の木の
手入れを済ませ秋の安らぎ       樋田哲仙

 狭いながらも我が家の庭に松の木が7本ある。毎年この時期3日間を費やして剪定に入る。結構重労働で数日前から気にかかるが、済ませると肩の重い荷が下りて安堵感が湧く。本当の秋を迎えられた喜びとなる。雑木と異なり松は木の中で一番手間がかかる。更に高齢となると今後どうするか不安もあるが、健康なうちは気を奮い立たせて松の木に上ることにしている。

ザクロ(水墨画)

2009-10-12 06:08:22 | 水墨画
かの家は更地となりて外にすぐ
石榴のあるを思ひ当たらず      樋田哲仙

 買い物に行く途中、路地の塀越しにザクロを見かけた家が取り壊され整地されて売り地となってしまった。ありそうでなかなか見当たらないのがザクロ。毎年秋の深まりに楽しみにして通ったものだけに落胆している。外にザクロのある場所は思い当たらない。当分お預けとなりそうだが、出歩く際に注意を払っていればどこかで見つかるであろう。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第五十六番あらざらむ(書)

2009-10-11 07:14:05 | 
あらざらむこの世の外の思ひ出に
今一度(ひとたび)の逢ふこともがな         和泉式部

 このごろは病気が重くなって、このままではそんなに長くはないように思われてなりません。あの世の思い出になるように、もう一度あなたにお会いしたいと思っております。和泉守橘道貞の妻であったことから和泉式部と称された。小式部内待の母。「和泉式部日記」を著わす。

高台寺(写真)

2009-10-10 06:52:50 | 写真
秀吉の死後正室の棲みし寺
紅葉のころをまた訪ねたし        樋田哲仙

 八坂神社や円山公園はいく度も訪ねているが、近くにありながら無縁だった高台寺を訪ねた。太閤秀吉亡き後落飾した正室北の政所が余生を過ごした臨済宗高台寺は境内が広い。平家滅亡後尼となった建礼門院の寂光院とは比べものにならない。方丈、開山堂、霊屋ほか堂宇が整い、境内に紅葉は多い。

マリーゴールド(墨彩画)

2009-10-09 06:32:32 | 墨彩画
黄と橙のひろごりみせて公園に
マスゲームかのマリーゴールド

 1年草のマリーゴールドは黄色とだいだいが目立ち、一重と八重に柄もあって種類が多い。夏から秋にかけて長く咲くから公園の花壇に最適である。20~80㌢と丈も種類があり、変化がつけられる。苗の植え方で形はどうにでもなり、グランドでマスゲームのごとく広がりをみせる。絵にするにはシンプルなものしか対象にならない。 にほんブログ村 美術ブログへ
 

百人一首第五十五番滝の音は(書)

2009-10-08 05:40:36 | 
滝の音は絶えて久しくなりぬれど
名こそ流れてなほ聞こえけれ        大納言公任

 滝は水が枯れて形ばかりが残っているものの、もう年月がたってしまったが、嵯峨天皇が造られた滝だけに、その評判は今も流れている。大覚寺の境内にその滝はあったが、山はないので人工的な滝であろう。本日ブログ1600回目。

日の岬探鳥風景(写真)

2009-10-07 05:53:24 | 写真
南へと鷹の渡りの気がかりに
夜明け前から観察に出る       樋田哲仙

 タカの多くがこの時期東南アジアへと渡る。夏の間に子育てを済ませ日本を去る鳥は飛ぶルートがあってどこでも通るわけではない。観察するためにはそのコースへ出かけなければならない。10月4日(日)3時の起床に4時には家を出る。日の岬まで2時間半、7時前に着くともう仲間はいる。快晴の空を南へ一日で150羽ほど観察した。

コスモスの花(墨彩画)

2009-10-06 05:39:51 | 墨彩画
そよ風に揺らぐ姿が撮りたくて
ネットに探る近場のコスモス      樋田哲仙

 風に揺らぐコスモスを求めて、どこかへ出かけて楽しむのが好きだ。か弱そうで風に逆らわず、なびく姿は川端の柳に似ていて、結構強くカラフルで美しい。今年もその季節が来ているので、どこか近場へ出かけてみたいと思っている。ネットで検索すると名のある公園ではコスモスの花園をこしらえ、秋を演出しているのが紹介されている。  にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第五十四番わすれじの(書)

2009-10-05 06:47:53 | 
わすれじの行末までは難ければ
今日をかぎりの命ともがな         儀同三司母

 いつまでも決して忘れはしないとおっしゃって下さるあなたの言葉ですが、人の心は変りやすいものです。行く末長く頼みとすることは難しいのです。私はこうしてあなたの情けを頂いているうちに、命を捨ててしまいたいのです。儀同三司母は一条天皇の中宮定子の母。

生野銀山観光内坑(写真)

2009-10-04 02:17:44 | 写真
繁栄の時ぞながれて掘りつくす
遺構となりし生野の山は       樋田哲仙

 生野銀山は金香瀬山、山口山の地底800㍍まで進んで掘りつくし、昭和48年閉山した。1200年の歴史を刻んで宝の山は終えたことになる。現在は観光内坑として横に1000㍍を巡回する形で見学できる。整備されていて屈む必要もなく進め、壁面の所どころに作業する人形が置かれて往時を忍ばせる。坑道の総延長は350㌔というから、蟻の巣の穴のように入り組み、鉱脈を求めて掘られたに違いない。

サルビア(墨彩画)

2009-10-03 06:30:59 | 墨彩画
一列に丸に死角と幾何学に
植ゑし花壇はサルビアの花        樋田哲仙

 サルビアの花の赤が目立つ季節になってきた。意思を持って苗を植えればどんな形にでもなる。道路の脇を飾る一列とか公園などの花壇では丸や四角の幾何学模様に咲き誇る。50㌢ほどの丈の先に穂を傘状にして小花を多数つける。園芸品種も多数あるが目にするのは赤が圧倒的に多い。下から上へと咲きあがり、しばらく秋を彩る。 にほんブログ村 美術ブログへ

百人一首第五十三番なげきつつ(書)

2009-10-02 06:15:36 | 
なげきつつひとりぬる夜の明ける間は
いかに久しきものとかは知る        右大将道綱母

 あなたがお出でにならないので、悲しみに暮れながら一人で寝るときの、夜の明けるまでの長いことがどんなであるか、あなたはご存知でしょうか。道綱母は摂政兼家の妻で文才に富み「蜻蛉日記」を著わしている。百人一首よりもこちらの方が有名。