とだ九条の会blog

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『憲法の原点と生命力』--浦部法穂氏の話より(1)

2008年05月19日 | 国際・政治
5月14日、埼玉会館大ホールで行われた埼玉憲法会議主催の伊藤真氏の講演会会場で、『憲法の原点と生命力』と題した法学館憲法研究所(所長・伊藤真)発行の小冊子を手に入れました。これは、法学館憲法研究所の主席客員研究員である浦部法穂名古屋大学教授が、2005年6月に行った講演を収録したものだそうです。B6判30ページほどの冊子ですが、大変新鮮な感動を覚えましたので、その部分の概要をご紹介します。(文責:サイト管理者)

同冊子の中で、特に私が感銘を受けた指摘は、3つ。
1つは、自民党の「新憲法草案」は従来の政治体制を根本的にひっくり返す改憲構想であり、世界的にも類例のない平時の新憲法制定論であるという指摘です。
2つ目は、現在、改憲を目指す勢力は3つあり、この3つの勢力の一致点が九条改憲であるという指摘です。
3つ目は、国連が唱えた「人間の安全保障」論の原点と日本国憲法の原点が一致しているという指摘です。

まず1つ目の、自民党の「新憲法草案」についてですが、浦部氏は、いま行われている「改憲」論議は、近代立憲主義の原点そのものをひっくり返す議論であると批判します。
「改憲」という名のもとに行われようとしていますが、実は憲法の改正などという生易しいものではなく、今の憲法を否定・廃止して、新しい憲法をつくろうという話であるということです。
野党の民主党も「新しい時代の新しい憲法をつくる」ということをスローガンに掲げています。
このように、今の憲法体制そのものを否定し、ひっくり返し、新憲法の制定という行為が、果たして今の日本に必要かどうかなどという議論も全くされていません。それに浦部氏は、新憲法制定というのは、何もない平時に行われた例などかつてなかったといいます。新憲法の制定が行われるのは、たとえば革命であるとか、戦争であるとか、内乱であるとか、従来の政治体制が根本的にひっくり返って新たな政治体制を作り出す、そういうときに行われてきたのだと指摘し、現在の新憲法制定論議を批判しました。
(つづく)

【出典】『憲法の原点と生命力』(名古屋大学教授、法学館憲法研究所主席客員研究員・浦部法穂、法学館憲法研究所発行、頒価300円)
■法学館憲法研究所 http://www.jicl.jp/


<映画「日本の青空」戸田上映会>**************************
日時●2008年6月6日(金)
(1回目)午後2時~   (開場は上映30分前)
(2回目)午後6時30分~(開場は上映30分前)
場所●戸田市文化会館・大ホール

[前売券]一般:1,200円、シニア・大学生:1,000円、小・中・高生は無料ご招待!

主催●戸田「日本の青空」をみる会
後援●戸田市、戸田市教育委員会
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http://www15.ocn.ne.jp/~toda9jo/


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