とだ九条の会blog

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9条世界会議で思ったこと(2)

2008年05月14日 | 国際・政治
昨日に引き続き、「9条世界会議」で思ったことを記します。

最近の世論調査に見られるように、確かに国民の66%は「憲法九条を変えない方がよい」と答えています(2008年5月3日発表の朝日新聞全国世論調査)。しかし、「憲法改正が必要だ」と答えた人は56%と過半数にのぼり、その内の74%は「新しい権利や制度を盛り込むべきだから」と答えているのです(同、5月8日付け当ブログ収録)。
つまり、憲法九条はそのままにしても、憲法全体は「古くなったから」とか「新しい環境権などを規定すべき」などの論調が少なからず影響を与えていると見るべきでしょう。
重要なのは、自民党が「新憲法草案」の中でも、こうした論調を巧みに利用し、九条第一項「戦争の放棄」は残しながらも、第二項の「戦力の不保持」と「交戦権の否認」を削り、憲法九条を事実上“骨抜き”にするとともに、全く逆に自衛隊を軍に昇格して「自衛軍の保持」を明記していることであり、アメリカの要求である日米軍事同盟による集団的自衛権の既成事実化であるわけで、これらは国民の一定の感覚的な賛意を得られる要素を持っている点です。

このような状況の時に、憲法九条を守り生かすために私たちの主張として大事なことは、改憲派と対峙していく具体的な論点として、単に「九条を守れ」と言うだけでなく、九条の第一項はそのままに残しながら、実は九条の精神である国民の「戦争はしたくない」という意識をだまして、集団的自衛権を既成事実化しようとする自民党の「新憲法草案」への理論的な批判ではないかと思うのです。
そこで、自民党の「新憲法草案」が何を目指そうとしているのか、その主張の問題点は何なのかを見ていきたいと思います。(サイト管理者)

(1)まず、第一に、自民党「新憲法草案」は、現行日本国憲法もその立場に立脚している近代憲法の「立憲主義の精神」とは全く逆の立場であり、それは国民の権利をないがしろにしているという点です。
つまり、日本国憲法はあのような悲惨な結果しか招かなかった太平洋戦争の惨禍を「政府の行為によって」再び引き起こさせないための“政府への暴走を許さない命令書”であるのに、自民党の「新憲法草案」はこれを否定し、逆に国民が守るべき規範を定め、愛国心を強制する“国民への命令書”になっているということです。
こんな立憲主義を無視した「新憲法草案」は、日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦、そして満州事変・日中戦争・太平洋戦争へと向かう15年戦争を引き起こした天皇主権で軍国主義の大日本帝国憲法(明治憲法)への逆もどりにすぎません。こんな憲法を私たち国民は認めていいのかという問題です。
(つづく)


<映画「日本の青空」戸田上映会>**************************
日時●2008年6月6日(金)
(1回目)午後2時~   (開場は上映30分前)
(2回目)午後6時30分~(開場は上映30分前)
場所●戸田市文化会館・大ホール

[前売券]一般:1,200円、シニア・大学生:1,000円、小・中・高生は無料ご招待!

主催●戸田「日本の青空」をみる会
後援●戸田市、戸田市教育委員会
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