バンコク都における降雨・洪水被害に関するインラック首相の声明
(2011年10月25日現在)
25日、20時半より、インラック首相は、バンコク都における洪水被害に関して、テレビで声明
を発表しました(以下は、当館館員がインラック首相の声明を聞き取ったものの骨子です。声
明の正確な内容につきましては、タイ政府から正式な声明文が公表され次第、改めて確認い
たします)。
1.タイの北部から中央部を通って大きな水の固まりが流れてきている。
水の流れのエネルギーは受け止められる能力より大きいため、水はバンコクの内部と
外部に侵入する可能性あり。
2.洪水による水位は、水をどれだけコントロールできるかによって違ってくる。
また、土地の高低により一定ではない。
3.(バンコク)西部では北から流れてきた水は、ノンタブリー、バンプラットに影響を与えてい
る。
バンコク都は堤防を強化しているが、水は受け止められる能力を超えており、トンブリ及
び周辺地域で平均して50センチの洪水となっている。
4.(バンコク)北部では、流れ込む水は運河の戸を閉めホックワー運河から排出し、バンコ
クの中心を流れないよう対処しており、うまくいけば洪水による水位は50センチメートル
を越えない。
5.(バンコク)東部では、ラピーパット運河やクロンセープ運河を使って海に流すが、当初の
計画通り進んでも、この地域は他地域より低いことから、洪水の水位は1~1.5メートル
が見込まれる。
6.最悪のケースとして、堤防が崩れる、又は、水位が予想を超えるような場合、バンコクは
場所によって高低が異なることから、洪水の水位は10センチメートル~1.5メートルとな
ると見込まれる。
政府は影響が最小限となるように努力するが、本日より国民も万一に備えて財産を高い
場所に移して欲しい。
7.水位が上昇する27~31日を臨時の休日とした。
他方、洪水対策従事者は引き続き協力して欲しい。
政府は食料品や生活必需品の確保、水や電気の質の確保に最大限取り組む。
8.国民はパニックになってはならないが、同時に万一に備えて欲しい。
この危機を乗り越えられると確信している。
この声明文の6にある「国民も万一に備えて財産を高い場所に移して欲しい」は、全く理解できません。「高い場所」とは、どこを指しているのでしょうか。バンコクの中心を流れるチャオプラ川周辺には平屋のスラム街が何か所かあります。ここに住まれている人々には避難する場所さえありません。もっと具体的なメッセージを発しないと、一層の混乱を招く恐れがあります。