タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

いよいよオンライン診療が始まりました

2017-12-15 21:18:22 | 婦人科
いよいよ明日から、オンライン診療(スマホ診療)ができるようになります。
まずはどんな患者さんにメリットがあるか、からお話しましょう。

詳しくは、説明のページを見てもらえば良いのですよ。

https://clinics.medley.life/clinics/5a12a68b1416610ec1ecdb3e

簡単にまとめると、いきなり初診からオンライン診療ができる場合と、
再診からできる場合とに別れます。
初診から、1度もクリニックを受診しなくても使えるのは、
アフターピルの処方と、美容皮膚科の「薄毛対策」だけです。

アフターピルは、けっこう遠方の方も来院されるのですが、
なかなか診察時間に来院できない方も多いのです。
そこで、とりあえず診察時間内にオンラインで、診察を受けます。
薬は、仕事が終わってからゆっくり、24時間取りに来れるというわけです。
郵送もできますが、郵送料と手数料が別途かかりますし、
3日以内に飲まないといけないのですが、郵便事情で時間がかかるかもしれませんしね。

そして更年期頃から女性は「薄毛」が気になりますよね。
女性の薄毛は全体に薄くなります。
男性の場合の頭頂部かオデコから薄くなるのとは機序が違います。
だから使用する薬も違うのですよ。
ご主人の薬では効きませんからね。

効果の有る薬は外国製品なので、個人輸入もできますが、ちょっと不安でしょう?
ちゃんと届くかどうかもですし、
使用して赤みなどの副作用が出ても自己責任ですからね。
その点、クリニックで処方した場合は、オンラインで画面で副作用もチェックできますし、必要が有れば、受診を勧めることもできます。
その場合は、保険診療で抗アレルギー薬を処方することもできますしね。

以上の2つが一度も受診しないくても処方できる薬です。
次に一度でもタマル産を受診してカルテを作成している方の、
再診から利用できる場合を説明しましょう。

1つ目は、避妊用のピルを処方されている方、
次回からオンラインでも処方致します。
ただし年に1度くらいは診察と子宮頸がん検診を受けてくださいね。

2つ目は保険診療です。
子宮内膜症の方などで、保険診療の低容量ピルを内服されている方です。
ただし、普段の診療で許可を受けた方が対象になります。
保険診療の場合で、自分が可能かどうか知りたい方も、どうぞ質問してください。
ただし来年の3月までは様子見で、来年の4月から本格的に遠隔診療にも保険が適応されるようですので、それまでは積極的ではないかもしれませんよ。

3つ目は、医師の診療ではなく、助産師が対応する助産師外来です。
もちろん電話でも簡単な質問にはお答えしていますが、
普段は外来や病棟の仕事に従事しているので、十分な時間を取れません。
それで、産後のお悩みや産後の1ヶ月健診までの2週間健診などに利用する予定です。
こちらは両親学級などで今後、説明していきましょう。
助産師外来のオンラインのみ、通常の診察時間ではなく、
火曜、水曜、木曜の、午後2時から4時半の間で対応する予定です。

それでは実際の使い方を説明しましょうね。
提供企業のCLINICSのホームページが詳しいので、そちらの案内を見るのが一番です。
https://clinics.medley.life/
簡単に言うと、上記のCLINICSのホームページからアプリをダウンロードするか、
タマル産のホームページのオンライン診療のところで、
「オンライン診療を予約」というボタンを押すと、
https://www.tamar.jp/
CLINICSというソフトのタマル産のページに飛びます。
結果はこれです。
https://clinics.medley.life/clinics/5a12a68b1416610ec1ecdb3e

まだアプリをダウンロードしていない方には、ダウンロードのページに飛びます。
すでにダウンロードしている方には、ログイン画面が出ます。
ここで自分の名前などを入力すると、診察が受けられます。
診療の予約は当日の希望診察時間の1時間前までに予約が取れます。
ただしこれはクリニックによって設定は違いますからね。

無事診察が終わると、ネットで会計もできます。
カード情報も登録しておくと、その場でできるのですよ。
ただし注意点は、VISAとMasterカードだけなんです。
日本人女性に多い、JCBが使えないのですよ。
普段の外来のお支払いには、ほとんどのカードが使えるのですが、
このオンライン診療でだけは、まだJCBには対応していません。

オンライン診療が終わると、明細書と必要に応じて薬が送られてくるはずです。
ただし翌日の、郵便局からの発送になりますので、
家に届くには数日かかると思っておいてくださいね。
とくに最近は郵便事情が悪くなっていますからね。

では、いよいよ明日からですよ。




子宮頸がんと子宮体癌の割合

2017-12-13 21:56:59 | 婦人科
篠山市黒岡の琴和(ことわ)ちゃん、11月1日生まれ。
「琴の弦のように強い女の子になってください。
2人目でしたが、意外と長くてしんどかったです。
入院中は退院したくないほど、居心地が良かったです。」

次は、痛いと言わないように産んでみたいそうですよ。

さて今日は、婦人科ガンのお話です。
最近はラジオで、子宮頸がんの検診を受けましょう、というアナウンスが聞こえてきます。
確かに子宮頸がんは以前は40代、50代の病気でしたが、
今では20代、30代と、赤ちゃんを産む年齢にまで下がってきていますし、
若い世代では、ものすごい勢いで増加しているのです。

原因は性行為でうつるヒトパピローマウィルスだということは、みなさんご存知ですね?
性行為をする年齢になっていなければ、ならない病気ですよ。
あるいは、特定の結婚する人とだけしか性行為が無ければなりませんね。
だから中学生に予防接種をすると効果が有るのですからね。

私が医師になった30年ほど前は、子宮頸がんは子宮体癌の10倍ほどだと教わりました。
10対1の割合だということです。
だからずっと子宮頸がんの方が多いのだと思っていましたよ。
ところが天理に赴任してみると、なんだか子宮体癌の割合が多いのです。
10対1どころか1対1ほども有ったのですよ。
今でもなぜ天理にだけ子宮体癌が多かったのかは謎です。

それから10年ほどして、丹波市(当時はまだ氷上郡)の柏原で開業しました。
この時に丹波市では、子宮頸がんに対しては市の助成が有ったのですが、
子宮体癌に対しては助成が無かったので、誰も受けなかったのですね。
ですが先の経験から、丹波市でも子宮体癌の検診に助成を付けてもらうように、
市にお願いして、ようやく受けられるようになりました。
でもね、丹波地方で5年間検査してみましたが、
やはり意外と子宮体癌は少なかったのですよ。

篠山市に移転してからは、市とは交渉せずに、
必要が有れば保険診療や自由診療で子宮体癌の検診をしています。
それが全国的な調査では、どうも最近では、子宮頸がんより子宮体癌の方が罹患数が上まったようです。
10対1どころか、いつの間にか1対1になっていて、さらには上回ってしまっていたのです。

子宮体癌は50歳以上の閉経後の女性、
もしくは閉経して10年ほどした女性に多いと言われていたのです。
それが最近では、すべての年齢の女性に増えてきているのですよ。
これではやはり若い女性であっても、不正出血が有るような場合は、
子宮体癌検診もしていかないといけないようですね。

子宮頸がんの治療は、若い女性では、子宮の出口だけ切除することが多いのです。
円錐切除術と言います。
子宮体癌の治療は、若い女性の場合は、子宮は取れないので、ホルモン療法をするのですよ。
もちろん赤ちゃんを望まない場合は、子宮を取ってしまいます。
この場合も、子宮の外まで広がっていることは少ないので、
子宮頸がんのように、大きな手術をする必要性はあまり有りません。

ということで、まずは子宮頸がん検診を受けていただくことです。
そしてこれからは、子宮体癌の啓蒙もしていかなくてはいけないでしょうね。






ささっこすくすくアプリ、楽しいかも

2017-12-11 21:13:50 | つれづれ
写真は、ささっこすくすくアプリ、というアプリの宣伝です。
https://www.city.sasayama.hyogo.jp/pc/mayor/diary/post-1435.html
篠山市長さんのページにも宣伝されているので、一度見られてはいかがでしょう?
先週、篠山市の担当の方が来られて、これを宣伝して欲しいということでしたので。

何ができるか、と言えば、
予防接種のスケジュールや、子供の成長の記録を残せたり、
地域のイベント情報が見れるようですね。
若いお母さんは、スマホが好きだから、楽しいのではないでしょうか。
私などは、スマホは有れども、コンピューターの方が慣れているのです。
もしくは紙と筆記具ですか。

今頃になって、自分が生まれた時の母子手帳を見てみると、
母親が育ててくれたことに感謝してしまいますね。
母が亡くなってから分かっても遅いかもしれませんが。
今日も職員さんのお義父さんが亡くなられたので、お葬式に参列してきました。
苦労した思い出に涙されてしまうのでしょうね。

ということで、スマホに子育て日記を付けるのも良いのでしょうが、
自分が亡くなった後に、子供が見てくれるかと言えばそうでもなく、
むしろお母さん自身のために有るということでしょうね。

それで、タマル産のホームページなのですが、
とりあえず本日、リニューアルしてしまいましたよ。
今度はけっこう時間がかかりましたが、今みてみるとバグだらけですね。
今週1週間かけて直しますからお許しを。
12月16日から遠隔診療を始めるので、それまでにきっちりとしておきますよ。

というのも、タマル産のホームページを見る方の、90%以上がスマホなんです。
私のようにコンピューターで見ているのは、わずか数%なのです。
びっくりしましたよ。
力を入れたのはスマホで見やすいように、
なるべく縦スクロールで見られるように改変してみたのです。

まだ間違いだらけですが、見ていただけますか?
https://www.tamar.jp/
私が撮りためた写真もけっこう使っているのですが、
やはりスマホでは、動きが限定されますね。
できればコンピューターで見てくださいな。

年末になってきて、最近はヒアルロン酸の注射に来られる方が続いています。
ヨーロッパからの正規輸入品なので、年末は輸入に時間がかかってしまいます。
計画が有れば、早めに予約を取ってくださいね。
それと、今度の遠隔診療での美容皮膚科の特徴は、
「薄毛対策」です。この話はまたあらためてさせていただきましょう。

2017年クリスマス会でした

2017-12-08 21:12:44 | 産科
昨日は、タマル産ではお約束のクリスマス会でした。
もちろんその前の午前中は勉強会と避難訓練をしてからですよ。
ちょっとしたゲームなんかもして、けっこう盛り上がりました。
久しぶりにほぼ全員のメンバーが揃いましたよ。
赤ちゃんを産まれたお母さんなら、懐かしい顔も有るのではないですか。

勉強会の中身は興味が有りますでしょうか?
大きくは3つに分かれて、1つは産後の弛緩出血。
2つ目は新生児蘇生法の、とくにアドレナリンを使うまで。
そして来週から始める遠隔診療についてです。

まずは産後の弛緩出血です。
何度も言いますが、日本は世界一、お産では安全な国なのですよ。
ですが皆さんはそれでも満足ができないでしょう?
危険率がゼロにならないと、赤ちゃんを産みたくないでしょうからね。
でもゼロになんて、絶対にできません。
それどころかこんなに安全なのに、まだ上を目指そうとすれば、
それは費用対コストが、すこぶる悪くなりますよ。

これ以上安全を目指すより、むしろ気持ちの良いお産を目指した方が良いと思うのですよ。
少なくとも私の願いは、それなのです。
安全を目指すと帝王切開が増える。
ですが帝王切開は、お母さんにとってはとても危険が高い手術ですからね。
安全だと思って受けたのに、生命を落とすことにもつながりますよ。
有名な大野病院事件だって、帝王切開で生命を落としたのです。
いくら輸血を大量に用意していたって、輸血の速度より出血の速度の方が速いのですから。

それでもコストをかけずに、弛緩出血での生命に関わるリスクを下げる方法が有ります。
その知識を共有したというわけです。
美容皮膚科で治療するのですが、更年期頃に多い肌のトラブルで、
左右の頬にシミができる、「肝斑」というものが有ります。
これを治療する飲み薬は、トラネキサム酸と言います。
昔から有る薬なのですが、血を固める薬なのです。

このトラネキサム酸を、産後の出血や、交通事故でも使って良いのですが、
使用するだけで生存率を有意に上昇するというデータが出ました。
投与が15分遅れると、死亡率が10%上昇するのです。
ただし3時間以上経ってから点滴しても効果が無かったのです。

ところでお産の出血で生命を落とすのは、40%が出血死です。
しかも出血後、たったの2〜3時間が最も多いのです。
輸血なんてしたって間に合いませんね。
それよりも、トラネキサム酸を含めた初期治療と、
それでも止血できない場合は、子宮に行く動脈を塞栓させるという手段が良いのです。
ただしこの辺りでできるのは、神戸大学くらいですよ。
みなさんは総合病院で産むと安全だと思われているでしょうが、
それよりも高速道路の入口に近い産婦人科の方が安全性が高い、ということを知るべきですね。
ちなみにヘリコプターは、24時間のうちの日の高い、たったの8時間くらいしか飛びませんからね。

あと2つのお話はできませんでしたね。
まあ、世界一安全なのだから、いい加減、安全信仰は持たない方が良いと思うのです。
メディアが煽りすぎですね。
ほら、大阪なんて、産婦人科の医師を集めて再教育することにしたのですって。
そんなのは、ポーズでしか有りませんよ。






腫瘍マーカーはガン検診には適しません

2017-12-06 21:32:11 | 婦人科
丹波市柏原町の彩那(さな)ちゃん、10月30日生まれ。
「自立した女性になってください。
お産は2人目ですが、やっぱりたいへんでした。
病室も広く、親切にしていただき、過ごしやすかったです。」

赤ちゃんの名前は、お姉ちゃんが付けてくれたそうですよ。

タマル産では、明日はクリスマス会兼、冬季勉強会なのですよ。
それで買い出しに行こうとしたら、高速道の上でパンクしてしまいました。
生命に関わりますね。
レッカーのおじさんは、昔タマル産で生まれた赤ちゃんのお爺ちゃんでした。
うちのカミさんも以前レッカーを利用したのですが、その時もそのお爺ちゃんだったのですよね。
その赤ちゃんは、もう高校生だそうです。
お母さんのことも、ちゃんと覚えていますよ。
とくに開業した頃のお母さんは、鮮明に覚えていますからね。
というのも、手探り状態だったからでしょうね。

さて、今日外来に来られた患者さんのことです。
人間ドックで、たまたま腫瘍マーカーのCA125という検査の数値が少しだけ高めだったので、
婦人科受診を勧められて来院されました。

どうもみなさん、この腫瘍マーカーの意味を勘違いされておられるので、
言いたいことを言ってみましょう。
まず、腫瘍マーカーなんて、検診に入れるべきではないのですよ。

例えば、一番相関が有りそうなのが、男性の前立腺ガンに対するPSAという腫瘍マーカーです。
ところがこのPSAという検査、やっても仕方ない、と分類されているのですよ。
それでも検診に入っていたりするでしょう?
だって、PSAが陽性でも、そのうち3人に2人はガンではないのですから。
こういうのを偽陽性が多い、と言います。
結局、PSA検査によって、前立腺ガンの死亡率に変化は無かったのですよ。

腫瘍マーカーというのは、確かにガンで上昇することは有りますが、
ガンでなくても上昇したり、ガンなのに上昇しなかったり、
ガンでも大きくならないと上昇しなかったりなのです。
それでどんな時に有効な検査かと言うと、
他の検査でガンであることが分かっていて、しかもある腫瘍マーカーが上昇している時に、
治療効果の判定や、再発を見る参考程度に利用することは可能なのです。
本来、人間ドックで早期発見するために使用するための検査ではないのですよ。

では例えば、乳がんの早期発見はどうすればよいのでしょうか?
これも今のところ日本では、40歳以上はマンモグラフィーを2年に1回するということになりましたが、
どうもこれも確実ではなくて、日本人にはあまり適していないようで、
近い将来に変更されることでしょう。

スクリーニング検査ですから安くて、簡単で時間がかからないものが適しています。
しかも偽陽性や偽陰性が低い方が良いのに決まっていますね。
そんな検査は有るのでしょうか?

まず、腫瘍マーカーは先に書きましたように、論外です。
その次は画像診断が有力ですね。
ですが日本人にはマンモは適さないのですよ。
外人のように、脂肪ばかりの乳房なら適すのでしょうが。
画像診断で今のところ一番感度が良いのは、PETです。
ただし費用は乳がんのみの場合でも5万円くらいでしょう。時間もかかります。
感度としては、1センチ以上なら描出されるでしょう。
全身のPETなら25万円くらいでしょうか。

次に感度が良いのはMRI、その次にエコーやマンモという具合ですね。
けれどマンモでは偽陽性も多いでしょう?
毎年、要再検で帰ってくるのではないですか。
それではストレスが溜まりますね。

もっと良い検査が有ればどうでしょう?
1センチどころか、もっと小さな、もしくは画像ではまったく映らないようなレベルでも発見できて、
費用もたったの2万5千円です。
いえ、他の施設では7万円しているところも有りますが、
タマル産では日本で検査している施設の中でも安い方です。
しかも時間はかからず、たったの1分でできます。
しかも偽陽性、偽陰性は少ない、となればしてみませんか?

その答えは、遺伝子検査なのです。
だから血液検査でわかるのですよ。
国はこの検査を普及させるために、その開発に50億円くらい助成したのですよ。
遺伝子検査には大きく2種類有って、持って生まれた遺伝子の検査ではなくて、
ガンの遺伝子そのものを計測する遺伝子検査なので、
ガンが無ければ陰性ですし、有れば陽性なのです。ミアテストと呼んでいます。
http://www.tamar.jp/nyuugan


タマル産で、この1年間で検査された女性は12人居られて、
A判定が4人、B判定が7人、ここまでは安全レベルです。
この方々はマンモグラフィーまで受ける必要は有りませんね。
遺伝子検査の方が感度が高いのですから。
そして、1人の女性だけがC判定でした。
ただし68歳と高齢の女性です。
判定がDとEの場合は、ガンである確率は高いのですが、
必ずしも進行しているという意味ではないのですよ。
ひょっとすると画像診断で映らないレベルかもしれません。

それで12人のうち1人だけ、要精密検査となられましたから、
マンモやMRI、あるいはPETなんかを受けられると良いでしょう。
これだけでも、費用対効果がとても優れていますね。
初めから全員が画像診断を受ける必要が無いのですから。
これでは高額な医療機器を開発して売りつける企業は生き残れなくなってしまいますね。
だからこの検査が普及すると、反対する勢力も出てくるでしょうね。