タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

初めての不妊外来

2013-03-05 19:39:18 | 不妊症

タマル産で生まれる赤ちゃんの10%以上は、タマル産で不妊治療をして授かった赤ちゃんたちです。
不妊治療中はよその赤ちゃんを見ると辛くなる方も居られるようですが、
未来の自分の姿だと考えて、おおらかに祝福できるといいですね。

さて、火曜日は不妊症のカップルの方の参考になるように。
先週の3人に引き続いて、今週も新たに妊娠反応が出て、
とりあえず「胎のう」まで見えた方が居られます。
最近数年間の治療成績をホームページにアップしたので、見てくださいな。
http://www.tamar.jp/pg73.html

春ですから、初めての不妊外来の治療方針をお話しておきましょう。
初めて来院される方はカップルのこともよく有ります。
それはとてもいいことですね。治療や検査はカップルでするものだからです。
またどちらかに妊娠しにくい原因が有ったとしても、それはカップルとしての問題だからです。
そういう考えが無いと、場合によっては離婚、なんていうことにもなりかねません。
もちろん、とりあえず1人で来院されても構わないのですけれど。

初診の時は、まず予診表を書いて、血圧、体重、尿検査をして待ちます。
これは全身的な病気が隠れていないかを観るために必要なことです。
糖尿病が有ると、妊娠しにくいだけでなく、
妊娠してからも流産や胎児の奇形率が4~8倍くらい上がりますから。
高血圧がもともと有ると、妊娠してからもっと上がることも有ります。
そうなると早くに産む必要がでてきたり、胎児の発育が悪くなったりしますしね。

続く問診では、事前に聞いておくことが有れば聞いておきます。
普通の婦人科の病気で来られる場合と違って、症状を訴えるよりは、
治療方針を聞く、という態度で臨んだ方がいいでしょう。

外診は重要なのですが、割愛することも有ります。
不妊の時に最も重要な所見は甲状腺が腫れていないか、体格はどうか、ということです。
甲状腺の機能低下は不妊症の原因になります。亢進でも胎児への影響を考慮しないと。
肥満の方は糖尿病だけでなく、PCOという病気で排卵しにくいことも有ります。
首が詰まっていたりすると、染色体の異常なんかが疑われますが、そんなことは稀です。
以前、不妊症で治療してやっと妊娠して、赤ちゃんを初めて産んだら、
乳がんだった、という方が居られました。
そんなことも有るのですね。不妊だけ診ていればいいというわけではありませんね。

次は内診です。初めての方も居られるでしょう。
ですがいろいろな情報が得られるので、きちんと受けられるべきですね。
たいていのタマル産での不妊の初診の場合、
子宮頸癌検診と、クラミジアと淋菌の検査、細菌培養検査、
そして超音波検査を受けます。
超音波で何でも分かると思われるかもしれませんが、
とくに子宮内膜症などは、超音波検査よりも、内診の方が数段よく分かります。

子宮の出口が花開いているか、しぼんでいるか、というのも重要です。
開いていることを「子宮膣部びらん」と言います。
もちろん「びらん」である方が妊娠しやすいのです。若い証拠ですね。
閉経すれば「びらん」は無くなって、しぼんでしまいます。
子宮内膜症の方や、STDの方もしぼんでいることがよく有ります。

ここまででかなりの情報が得られましたね。
これで今後の予定が立ちます。
おおよそその後の2、3年の計画をお話します。
もちろんすぐに妊娠できればいいのですよ。
ですが、若い方で3年、40歳前後の方は2年を目処に治療計画が必要です。
すぐに浮気心を出さないためにも。

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