タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

夏の子どもの病気

2018-07-23 21:42:19 | 婦人科
先週生まれた、赤ちゃんとお父さん、それにお婆ちゃんです。
安産で良かったですね。

退院したら、上の子がおたふくかぜだとか。
小さい子が感染すると、ほっぺたがふくらんで、かわいいものです。
でも熱も出ますし、そんなことは言ってられません。
私も幼稚園の時になったのを今でも覚えています。
初めてお隣の家からアイスノンを借りてきて、治してもらいました。
それまでは熱が出ると、ゴムでできた大きな氷枕でしたからね。
氷を砕いて枕に入れるのですが、知らないでしょう?

帰ったら赤ちゃんにうつらないように注意しないといけませんね。
基本的に、妊娠中におたふく(流行性耳下腺炎)になっても、あまり心配は要りません。
少しだけ、流産や早産が増えるとは言われていますが。
先日のトキゾプラズマや風疹と違って、影響は少ないですからね。

ところで今、兵庫県で流行している感染症は何だと思いますか?
断トツに多いのが、感染性胃腸炎です。
妊娠中になると、下痢や嘔吐で始まり、それに刺激されて子宮に張りを覚えます。
今も妊娠34週で、それらしき症状のお母さんが入院されています。
感染力は強いので、トイレは分けていますからね。
1週間もすれば落ち着いてくるでしょうが、今は子宮の収縮抑制剤を点滴しています。

兵庫県で2番目に流行っているのが、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎です。
こちらはウィルスでなく、細菌です。
熱が出て、のどが腫れて、舌も赤く腫れます。
学校も休まないといけないし、クリニックも届出をしないといけません。
でもね、これから夏まっさかりになると、減少していく病気です。


逆に夏休みですからね、夏にだけ増える感染症が有ります。
頻度はまだ多くはないのですが、今急激に増えているのが、
ヘルパンギーナと手足口病と、流行性角結膜炎、それに咽頭結膜熱です。

ヘルパンギーナは夏カゼの1つで、ウィルスによって生じますよ。
数日の潜伏期のあと、熱が出て、のどに水泡ができます。
痛くてものを飲み込めなくなりますね。

手足口病は、手と足と口にブツブツが出ますが、熱はそれほどではないのです。
口のブツブツは、潰れて口内炎になりますよ。

そして流行性角結膜炎は、潜伏期間が1、2週間と長めで、
結膜が充血して、めやにが出ます。
夏休みになると、いろいろと病気をもらってくるのではないですか?

咽頭結膜熱は、流行性角結膜炎と違って、熱から始まり、
結膜炎だけでなく、咽頭炎も起こしますよ。
プール熱と言って、プールでもらってくるのですね。

タマル産は小児科ではないので、これら子どもの病気は診ないのですが、
赤ちゃんの兄弟から感染することは多いものですからね。
赤ちゃんが家に帰ったら、上の子たちとは部屋を別にしますよ。
ドアのぶやトイレのスイッチは、1日1回、アルコールで消毒してあげてください。
トイレの便器や周りは、塩素系の消毒薬が良いですよ。
トイレハイターなどですね。

そして赤ちゃんがかわいくても、病気のお兄ちゃんやお姉ちゃんは、触れないようにね。
病気が治っても、1、2週間は便からウィルスを排出するので、
お母さんも、おむつや手を消毒しないといけませんよ。

それにしても昔と違って、小さな子供にはいろいろな病気が有りますね。
それだけ検査法も進歩したということでしょう。
お母さん方の方が、小児科の実情をよく知っておられるのでしょう。
今日は、教科書的な話になってしまいましたよ。

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