タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

産後ケアをもっと気軽に

2017-08-23 21:26:10 | 産科


上の写真は、篠山市今田町の彩愛(にな)ちゃん、7月17日生まれ。
「周りの人たちを笑顔に出来る、明るい子になってください。
今までで一番痛かったけど、今までで一番幸せでした。
個室でゆっくりと過ごせ、旦那さんも泊まれたので良かったです。」

そうですよね、タマル産のベッドはダブルベッドですからね。
イギルスのキャサリン妃なら、産んですぐの24時間以内に退院しないといけませんが、
日本でなら産後にゆっくりできますからね。

それにしても欧米では、産後におっぱいもあげていないのに退院してしまって、だいじょうぶなのでしょうか。
もちろん訪問看護師さんに毎日、訪問してもらえるという話です。
それでも夜は、赤ちゃんを産んだばかりのお母さんが面倒を見ないといけないのにね。

欧米では医療費が高額ですから、1週間も入院していられないのですね。
日本は本当に医療費が安く抑えられていますからね。
アメリカなんて、たった1日のお産でも100万円くらいかかると聞いたことが有りますよ。
ただしそのうちの半分は、訴訟に対応するための保険料だそうです。
これは私が以前アメリカに行った時、病院に務める検査技師さんに直接尋ねたものです。
もちろん病院によって違いは有るのでしょうが。
ちなみに日本でもようやく分娩費のうちに保険料が入って、金額は3万円弱と、まだまだ安いのですが。
そのうち訴訟が欧米並みに増えてくると、保険料が上がっていくのでしょうね。

ところでタマル産では、経産婦さんは産後5日目、初産婦さんは産後6日目に退院していただいています。
経産婦さんは、上の子たちが待っているので早く帰りたいですからね。
ですが1週間ゆっくりできて、家事もせずに嬉しい、というお母さんも多いようです。
たまにはお父さんにも子育てを手伝ってもらわないとね。

初めて赤ちゃんを産むお母さんにとっては、
産後6日では足りないかもしれません。
それでもタマル産では、帝王切開も少なく、会陰切開もほとんどしませんから、
産後の回復は他院に比べてずっと早いのですよ。

それで最近、厚生労働省は、産後ケアという事業を始めたところです。
厚生労働省のホームページに、今月からガイドラインが載っていますよ。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000172988.html
これは市町村に対するガイドラインなのですが、皆さんも知っておかれると良いですね。

むかしと違って、核家族化が進んでいますし、
お婆ちゃんも働いていることが多いので手伝ってもまらえません。
だいたいお婆ちゃんなんて言うと怒られますよね。
それで、市町村が中心となって、産後の子育てを支援していこうというものです。

篠山市ではこの6月から始まりました。
丹波市さんはまだですか?
それでも内部では、まだ混乱しています。

子育て支援を受けられるのは、どんなお母さんでしょうか?
それは、お婆ちゃんの援助を受けられないお母さん。
それと育児に心理的な不安や、肉体的に調子が悪いお母さん、のたった2点です。
これに合致すれば誰でも利用できるのです。
いえ、できるはずです。
ところが利用できない?

利用が市町村に委ねられているので、どうも市町村の財政がものを言うようです。
篠山市さんでは、助成を申し込まれても断ることが有る、と言われるのですよ。
何度も市の保健師さんとは話し合っているのですが、らちが開きません。
とりあえず日帰り型はスタートしました。
入院しておっぱい指導などを受ける宿泊型は、まだ十分に機能していないのです。
産後に申し込んでも、イヤミを言われたりね。

費用は1日2千円だけで、赤ちゃんもお母さんも、個室で泊まれます。
3食付きですから、はっきり言って、家に居るより安く済みます。
最大7日間、利用できるのです。

たとえば加東市さんでは、太っ腹です。
もう、妊娠中から、産後に延長して入院する予約が入っています。
こうでなくっちゃいけません。
そもそも厚生労働省は、産後の手厚いサポートを目的としたのですから。

ついでに厚生労働省は何を狙っているのかと言えば、
お産は訴訟が多くなっているので、集約した周産期センターでするように持っていきたいのですよ。
そして産後にタマル産のようなクリニックに転院して、ゆっくりしてもらいたいらしいのです。
でも、そんな風にうまくいくのかな。

とにかく市町村を動かすには、もっとどんどん、産後ケアを皆さんが遠慮せず申し込んでいただくことです。
3食昼寝付き、助産師さん付き、赤ちゃんのお世話付きで、たったの2千円ですからね。