タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

月経は規則正しいですか?

2017-08-21 21:22:10 | 婦人科
写真の赤ちゃん、もう退院しちゃいました。
夏休みもあと少しですね。
秋は、タマル産では赤ちゃんがいっぱい生まれます。
かわいらしい泣き声が聞こえてきますよ。

さて、今日は夏休みですから、若い女性の無月経についてお話しましょう。
そうですね、中学生や高校生、あるいは20代の女性ですね。

若い女性は、月経が不規則であることが多いのです。
18歳でも月経が無ければ、原発性無月経と呼びます。
16歳でも無ければ、遅発月経と呼びます。
この、初めから月経が来ない場合は、いろんな病気も有りますから、医療機関を受診します。

それに対して、初めは月経が有ったのだけれど、
途中から月経が不規則になったり、止まってしまった場合はどうでしょうか。
そういう場合の原因は、たいていが体重を落とすことによります。
やせているのが綺麗だと錯覚しているのですね。
わずか数ヶ月で、10キロ近く落とす子も居ます。
すると月経が止まってしまうのです。

他にも原因は有りますよ。
スポーツのし過ぎだとか、
精神科で処方されるような薬の副作用だとか、
ストレスも原因だと言われますが、厳密には精神科の疾患と関係しています。
あとは甲状腺の病気が無いかは診ておきます。

治療は簡単なようで難しいのですが、原因を取り除けば良いのです。
体重が減ったのなら、体重をもとに戻せば良いのです。
月経が規則正しく有った頃の体重が目標です。
スポーツが過剰なら、将来に何を優先するのか考えなければなりません。

1年以上月経が来ていなくても、
体重さえもとに戻せば、70%以上は月経が再開すると言われます。
だから戻すように指導するのですが、その子の親でさえ、体重を元に戻すのに抵抗するのですよね。

逆に、体重が過剰の場合も、確かに月経が不規則になります。
100キロ以上も有るような若い女性も、何人も通院されています。
こういう場合の目標は、いきなり標準体重ではなくて、
まずは5%の減量に挑戦します。
次の目標は3から6ヶ月かけて、10%減量です。

ただし体重管理がうまくいっても、すぐには月経が規則正しくはならないので、
しばらくは女性ホルモンを使用した方が良いでしょう。
そして目標体重に達したら、一度ホルモン剤を切ってみて、再開するかテストすれば良いのです。
でもね、最近は避妊目的や、月経困難症の治療目的でもホルモン剤を飲んでいる女性が多いですから、
ずっと結婚するくらいまで飲んでおく、というのも1つの方法です。

やせや肥満が有っても、将来、必ず妊娠することはできます。
それよりも、やせや肥満の妊婦さんは、妊娠高血圧症候群などの病気を発症することが多くなりますから、
できれば妊娠適齢期までには治しておくに越したことはないのですよ。

ただし繰り返しますが、自分がやせている、ということを自覚することから始めないといけません。
まあ、いくら言っても、テレビや雑誌のモデルさんがそうなのだから、無理もないのでしょうね。