タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

子宮もむくんでいるのです

2016-02-03 21:38:09 | 産科
丹波市柏原町の柚晴(ゆずは)ちゃん、1月2日生まれ。
「健康で、晴れの日のように明るい子になってくれますように。
お産は陣痛が長かったので、しんどかったです。
スタッフの方が優しく、お料理もおいしかったです。」

今年、最初の赤ちゃんでした。
初めてのお産は、辛いことの方が多いかもしれませんが、
それを乗り越えたという自信を持って、子育てにも活かせるといいですね。

さて、今日は、「むくみ」についてお話ししましょう。
最近、何かの薬の宣伝で、月経中は便秘になりやすいので、女性のための便秘の薬を、
という類のものを見ましたよ。
そうですか、そういう訴えは少ないので、気づきませんでした。

月経前には、むくんで、尿も出にくいと訴える女性は多いです。
以前は月経前緊張症候群と呼んでいましたが、
今では月経前症候群と呼びます。
ですが最近の女性はむしろ、PMSと言われますね。
何の略かまで知って使っているのかな?

それはともかく、なぜむくむのでしょうか?
プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンの1つが、
排卵後、卵巣から分泌されだします。
月経が来ると、なくなってしまうのですが、
うまく妊娠すると、どんどん分泌され出すのですよ。
当初は卵巣からだけですが、胎盤ができてくると、胎盤からも分泌されるようになります。

プロゲステロンが分泌されると、子宮の内膜はむくんできます。
全身もむくむのですが、とくに子宮の中の変化はダイナミックなのです。
この現象を脱落膜化と呼ぶのですよ。
子宮はベッドのようにフカフカとなり、
ちょうどこのころに、受精卵が子宮の中に転がり込んできて、着床するのです。

子宮に性感染症などが有ると、子宮内膜も荒れてしまっていて、
フカフカでないと、受精卵が潜り込んでしまって、
癒着胎盤の原因になったりするのですよね。
だからベッドをフカフカにして待っているというのは、とても重要なことなのですよ。

では妊娠が進むとどうなるか、と言えば、
必ずしも全身がむくむというわけではありません。
むくむのと、血液の量が増えるというのは、裏腹だからです。
妊娠すると体重が増えますが、脂肪ばかりとは限りません。
水分が増えるのです。
それは血管の中の水分が増えて、血液の量が増えるのです。
お産には血液が大量に有る必要が有りますからね。
胎盤にいく血流も増えないといけませんからね。

それに対して、血管の外、これを間質と呼ぶのですが、
この血管の外の水分が増えることを、むくむと呼ぶのです。
だからむくむことは、血管内は逆に脱水になっていて、病的な状態なのですね。

妊娠高血圧症候群では、からだがむくみますが、この時はむしろ脱水なのです。
だからといって、水分は余分に摂ってはいけません。
軽くむくむ、ということは妊娠中にはよくあることですが、
この場合は、暇が有れば横になって、なるべくむくまないようにすれば良いですね。
弾性ストッキングなども効果的です。

西洋薬の利尿剤はかえって脱水を助長してしまいますが、
漢方薬のサイレイトウやチョレイトウなどの利尿作用の有るものは、
脱水にならずに利尿効果が期待できるとされます。
もっと簡単には、杜仲茶、はと麦茶、黒豆茶なども良いと言われますよ。