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竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
初めてのお人でも、それなりのお人でも、楽しめると思います。

拾遺和歌集 巻5 歌番号273から277まで

2024年09月19日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻5

歌番号 273 拾遺抄記載

詞書 天暦のみかと四十になりおはしましける時、山しなてらに金泥寿命経四十巻をかき、供養したてまつりて、御巻数つるにくはせてすはまにたてたりけり、そのすはまのしき物にあまたのうた、あしてにかける中に

詠人 かねもり

原文 也万之奈乃 也万乃以者祢尓 万川遠宇部天 止幾八加幾者尓 以乃利川留可奈

和歌 やましなの やまのいはねに まつをうゑて ときはかきはに いのりつるかな

読下 山しなの山のいはねに松をうゑてときはかきはにいのりつるかな

解釈 山科の山の磐根に松を植えて、貴方の齢は常盤堅磐にあって下さいと願います。

 

歌番号 274 拾遺抄記載

詞書 天暦のみかと四十になりおはしましける時、山しなてらに金泥寿命経四十巻をかき、供養したてまつりて、御巻数つるにくはせてすはまにたてたりけり、そのすはまのしき物にあまたのうた、あしてにかける中に

詠人 仲算法師

原文 己恵多可久 美可左乃也万曽 与者不奈留 安女乃志多己曽 太乃之加留良之

和歌 こゑたかく みかさのやまそ よはふなる あめのしたこそ たのしかるらし

読下 声たかくみかさの山そよはふなるあめのしたこそたのしかるらし

解釈 天からの声も高く、ここは帝います御笠の山ぞ、世は経て行きます、その君が治める御宇は安楽であるはずです。

注意 初句の「こゑたかく」は中国漢武帝の「山呼」の故事を引く、判りにくい歌です。

 

歌番号 275 拾遺抄記載

詞書 承平四年、中宮の賀し侍りける時の屏風に

詠人 斎宮内侍

原文 以呂加部奴 万川止多个止乃 寸恵乃与遠 以川礼比左之止 幾美乃美曽美武

和歌 いろかへぬ まつとたけとの すゑのよを いつれひさしと きみのみそみむ

読下 色かへぬ松と竹とのすゑの世をいつれひさしと君のみそ見む

解釈 葉の色を変えない松と竹との末の世の姿を、どちらが久しく常緑であるかを、君だけがご覧になるのでしょう。

 

歌番号 276 拾遺抄記載

詞書 おなし賀に、竹のつゑつくりて侍りけるに

詠人 大中臣頼基

原文 飛止布之尓 千与遠己女多留 川恵奈礼者 徒久止毛川幾之 幾美可与者日八

和歌 ひとふしに ちよをこめたる つゑなれは つくともつきし きみかよはひは

読下 ひとふしに千世をこめたる杖なれはつくともつきじ君かよはひは

解釈 一節毎に千代であることを願い込めた杖ですので、杖を突いても齢は尽きることの無い貴女の齢であります。

 

歌番号 277 拾遺抄記載

詞書 清慎公、五十の賀し侍りける時の屏風に

詠人 もとすけ

原文 幾美可世遠 奈尓々多止部无 佐々礼以之乃 以者本止奈良无 本止毛安可祢八

和歌 きみかよを なににたとへむ さされいしの いはほとならむ ほともあかねは

読下 君か世をなににたとへんさされいしのいはほとならんほともあかねは

解釈 貴方の生きる世を何に例えましょうか、さざれ石が巌となるでしょう、その長久の時のほどでも例えとして飽き足らないのですから。

 


拾遺和歌集 巻5 歌番号268から272まで

2024年09月18日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻5

歌番号 268 拾遺抄記載

詞書 うふやの七夜にまかりて

詠人 よしのふ

原文 幾美可部武 也遠与呂川世遠 加曽不礼者 加川/\个不曽 奈奴可奈利个留

和歌 きみかへむ やほよろつよを かそふれは かつかつけふそ なぬかなりける

読下 君かへむやほよろつ代をかそふれはかつかつけふそなぬかなりける

解釈 貴方がこれから経るでしょう、その八百万代を数えるならば、ようやくに今日は七日夜になったばかりです。

 

歌番号 269

詞書 右大将藤原実資、うふやの七夜に

詠人 平かねもり

原文 己止之於比乃 万川者奈奴可尓 奈利尓个利 乃己利乃保止遠 於毛飛己曽也礼

和歌 ことしおひの まつはなぬかに なりにけり のこりのほとを おもひこそやれ

読下 ことしおひの松はなぬかになりにけりのこりの程を思ひこそやれ

解釈 今年に芽生えた松は七日になりました、万年の歳を生きる松のこれらかの残りのほどを思い馳せましょう。

 

歌番号 270

詞書 ある人のうふやにまかりて

詠人 よしのふ

原文 千止世止毛 加寸者佐多女寸 与乃奈可尓 可幾利奈幾三止 比止毛以不部久

和歌 ちとせとも かすはさためす よのなかに かきりなきみと ひともいふへく

読下 千とせともかすはさためす世の中に限なき身と人もいふへく

解釈 千歳とも寿命の歳の数は定めず、世の中に限りなく大切な身の上の御方と、人は言うはずです。

 

歌番号 271 拾遺抄記載

詞書 藤原誠借の元服し侍りける夜、よみける

詠人 源したかふ

原文 於以奴礼者 於奈之己止己曽 世良礼个礼 幾美者知与万世 /\

和歌 おいぬれは おなしことこそ せられけれ きみはちよませ きみはちよませ

読下 老いぬれはおなし事こそせられけれきみはちよませきみはちよませ

解釈 年を負ってしまうと、長老として同じ行事ことばかりをさせられますが、しかしながら、貴方は特別に千代に千代に立派にいらして下さい。

 

歌番号 272 拾遺抄記載

詞書 みよしのすけたた、かうふりし侍りける時

詠人 よしのふ

原文 遊比曽武留 者川毛止由比乃 己武良佐幾 己呂毛乃以呂尓 宇川礼止曽遠毛飛

和歌 ゆひそむる はつもとゆひの こむらさき ころものいろに うつれとそおもふ

読下 ゆひそむるはつもとゆひのこむらさき衣の色にうつれとそ思ふ

解釈 元服で髪を結い始めた、その初元結を束ねる濃紫色の布、それが官服の衣の色(三位以上の官服色)に遷れと願います。

 


拾遺和歌集 巻5 歌番号263から267まで

2024年09月17日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻5

拾遺和歌集

 

巻五:賀

 

歌番号 263 拾遺抄記載

詞書 天暦の御時、斎宮くたり侍りける時の長奉送使にてまかりかへらむとて

詠人 中納言朝忠

原文 与呂徒世乃 者之女止遣不遠 以乃利遠幾天 以満由幾寸衛者 加美曽志留良无

和歌 よろつよの はしめとけふを いのりおきて いまゆくすゑは かみそしるらむ

読下 よろつ世の始とけふをいのりおきて今行末は神そしるらん

解釈 万代までも続く世の始まりであることと、今日の祝い事を祈り置いて、今からの行く末は祈った神の御心として、その神のみが御存じでしょう。(祈った後は、神にお任せいたします。)

 

歌番号 264 拾遺抄記載

詞書 はしめて平野祭に男使たてし時、うたふへきうたよませしに

詠人 大中臣能宣

原文 知者也布留 飛良乃々万川乃 衛多志計三 千与毛也知与毛 以呂者加者良之

和歌 ちはやふる ひらののまつの えたしけみ ちよもやちよも いろはかはらし

読下 ちはやふるひらのの松の枝しけみ千代もやちよも色はかはらし

解釈 ちはやぶる、平野神社の松の枝は茂っている、その松は千代も八千代も色が変わることは無いでしょう。

 

歌番号 265

詞書 仁和の御時、大嘗会の歌

詠人 よみ人しらす

原文 加末不乃々 堂万乃遠也万尓 須武川留乃 千止世者幾美可 三与乃加寸奈利

和歌 かまふのの たまのをやまに すむつるの ちとせはきみか みよのかすなり

読下 かまふののたまのを山にすむつるの千とせは君かみよのかすなり

解釈 蒲生野の玉の緒山に住む鶴のように、千歳は君の世の数であります。

 

歌番号 266 拾遺抄記載

詞書 贈皇后宮の御うふやの七夜に、兵部卿致平のみこのきしのかたをつくりて、たれともなくてうたをつけて侍りける

詠人 清原元輔

原文 安佐万多幾 々利不乃遠可尓 堂川幾之者 千与乃比川幾乃 者之女奈利个利

和歌 あさまたき きりふのをかに たつきしは ちよのひつきの はしめなりけり

読下 あさまたき桐生の丘にたつ雉は千世の日つぎの始なりけり

解釈 早朝に桐生の丘に立つ雉は千代に続く皇子への日次献上の始めのものであります。

 

歌番号 267 拾遺抄記載

詞書 藤氏のうふやにまかりて

詠人 よしのふ

原文 布多波与利 堂乃毛之幾可奈 加寸可也万 己多可幾万川乃 多祢曽止於毛部八

和歌 ふたはより たのもしきかな かすかやま こたかきまつの たねそとおもへは

読下 ふたはよりたのもしきかなかすか山こたかき松のたねそとおもへは

解釈 生まれた時の双葉、その時から頼もしいことです、藤原氏の氏神社を祀る春日山の小高き丘の松の種からの双葉と思うと。