麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

約三十の嘘

2005年10月16日 | 鑑賞
昨日「とうきょう花菜」の公演について、
シンプルな舞台美術に触れたが、
その『あくびと風の威力』を夜七時から観る前
昼二時からサンモールスタジオで観た
「ナマイキコゾウ」の『約三十の嘘』の美術、
そして衣裳もまた素敵でした。
*=つまり2本とも14日金曜日の観劇)
                       
材に色すら塗らずに使い、塗料も時間もかけない工夫は、
単に節約に終わらず、寝台列車の高級なコンパートメント
という設定を、「木目調?」によって、十二分にイメージさせる
“アイデア”として機能していたし、

衣裳は色を統一(例えば「横山役」は服、時計、靴が黄色
というように…)することで、キャラクターがわかりやすく、
コンゲーム的なこの芝居を大変良く表現していた

さて。
土田英生さんの数ある名作の中でも、よく上演される作品
『約三十の嘘』。・・・僕は初めてみた。
なるほど、土田さんにしては明るい話(?)だ。
弊団も、03年9月、アトリエ=東演パラータで
   「若手公演No.1」と銘打った自主公演で
   土田氏の『燕のいる駅』を演らせていただいた。
   
今年はジャニーズが相葉くん主演で上演。
・・・もとい、ジャニーズの相葉くん主演で
   会場も東京グローブ座だけれど、
   企画製作はフジテレビさんでした。

奇しくも『燕…』は駅、こちらは列車内だが、
そんなことはともかく・・・話を戻すと、
「ナマイキコゾウ」は、
演劇集団円所属でもある宋英徳さんの劇団のようだ。

なんとも心もとないが、HPもなく、
リーフの挨拶文を頼りにするなら、
「去年、若い奴らと芝居を打」ち、
(それがナマイキコゾウの第一回公演と推測される)
「皆ヘタクソだったが、マシな奴とマシでない奴が居」て、
「残ったマシでない方の奴らと芝居をやり続けようと決めた」
とある。それにしては、適材適所、見事な配役による舞台だった。
(もちろん、謙遜なのでしょうが…)

円の養成所の、宋さんの同期も多いらしい。
……これは、『子宝善哉』で演出を担当していただいた
篠本賢一さん情報なのだが・・・
実は彼が志方という役で出演していて、
これが見事なサギ師っぷりで、
・・・ただここで褒めるのはあまりに内輪っぽいよなぁ、
     と、さすがの僕でも思うのだった。

最後に、円では硬質な芝居を書き演出する宋さんが、
こーして他人の芝居を料理する「ナマイキコゾウ」は、
良い意味でのチープ感を残したまま、円とは別のベクトルで
どんどん進んで欲しい!と、ナマイキながら思った。

コメント
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