敏腕Pの日々のつぶやき

テアトルシアター代表。担当舞台作品について他、演劇やスポーツ等々の雑感を気の向くままに。

オセロー

2007年07月31日 | 鑑賞
 演劇集団円『オセロー』(作/W・シェイクスピア 訳/松岡和子 演出/平光琢也)は大入り満員で全10ステージを終えたそうだ。
紀伊國屋ホールにて7/20~29。

【文中敬称略】
 なんといっても、吉見イアゴーの“悪ぶり”が圧巻

「金田・平光コンビによるシェイクスピアシリーズ」の前2作を見逃しているが、平光演出では、昨年の橋爪『ファウスト』は観た! 少々遊びが過ぎた舞台だったが、この『オセロー』はテンポ良く、笑いも「笑かそうとする」のではなく、芝居の中の面白さが際だっての笑いで・・・よくシェイクスピアは、海外では笑いが起きるのに日本ではシカツメラシイ顔で終わると言われるところを、見事、楽しい舞台に仕上げていた。

 舞台上方に垂らされた鎖と、様々な表情を見せる盆舞台だけの、その二者の変化で時間と空間を飛ばしていく、加藤ちかの美術も大いに機能した“スタイリッシュな演劇”に、終演後は満場、割れんばかりの拍手だった!!!
                            
 おっと。主役を演じた金田明夫を忘れてはいけません。
 オープニングは少々小さいオセローだなあ…と思わなくもないのですが、映像では冴えないサラリーマンやドジな刑事など、いわゆる「脇」で光る俳優が、堂々“高潔なムーア人の将軍”を演じ、実際、体も大きく見えてくるのである。それが終盤、妻デスデモーナに贈ったハンカチを副官・キャシオーが手にしていたという有名な場面では、前述の盆舞台の窪みに、鮮やかに(?)嵌り込んで、英雄がただ嫉妬に狂う男になる様を強烈に印象づけた。
 一気に体が小さく見えるそれは、デ・ニーロばり(?)だ。

 ヒロイン・デスデモーナの朴ロミ(←ロミは王偏に路に、美)も、登場は声優チックな発声が耳に触ったが、多くの男を惑わせる若く美しいベネチアの元老院議員の娘として、他の女性とはステージが違う、と捉えると納得もいった。

 また、彼女の身の回りの世話をするエミリアは、イアゴーの妻でもあるが、『オセロー』では夫婦揃って“もうけ役”ともいえる「貞淑で賢明な妻」を、三沢明美が、夫役の吉見一豊に負けじと、気品に溢れた心優しいエミリアは、例えるなら、見事なグラブさばきをみせる玄人受けする「セカンド」のようだった。

 ついでに例えるなら、全力投球するエース・オセロー金田、キャッチャーはノムさんばりの奸計(?)でリードするイアーゴ吉見、ホットコーナーには華のあるデスデモーナ朴。一気にはしょって、8番ライト=ライパチ君は、イアーゴに操られ最期はイアーゴの剣に倒れる哀れなロダリーゴー瑞木健太郎・・・という布陣、みたいな。
 いやぁ~大変素晴らしかったです

 で。あえていえば、これはもう完全に好みの問題ですが、音楽が、僕には駄目でした。

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8.4に聴いて

2007年07月30日 | 東演
 先日、8月9日の『月光の夏』川崎公演へ向けての会合の話を書きましたが、同席いただいた毛利恒之さんの新作『兄と弟・広島に生まれて』が、8月4日(土)にNHK-FMで放送されます。
 
「FMシアター」の枠にて、戦争実話を元にしたシリーズを3週に渡って放送される、その最初の回。22:00~22:50。出演は、久米明、綱島郷太郎、左時枝ほか。演出は保科義久(敬称略)

 広島生まれの実在の兄弟を描き、戦争の愚かさを訴えると共に平和を希求するドキュメンタリードラマ。
 兄は冤罪にもかかわらずBC級戦犯として処刑された元日本海軍大尉。13歳違いの弟は、昭和20年被爆し、今年75歳。
 戦争の加害者として処刑された兄、原爆の被害者として戦後を生きた弟、対照的な兄弟の悲劇を描く(以上、NHKのHPから抜粋)、毛利さんらしい骨太なドラマのようだ。

 8月4日、是非お時間を作ってラジオに耳を傾けてみてください。 

                     

 一昨夜は、多くのテレビ局が選挙特番を放送する中、テレビ東京は隅田川の花火大会をオンエアー! だが、よく考えたら、今回の参院選挙は日にちがズレたのだから仕方ない・・・。
 それに全局で選挙やられてもネ…。

 並びの話でいえば、やはり“夏”は「平和」を訴える作品が多く発表される。
 映画『夕凪の街 桜の国』(公開中~)、フジテレビは「千の風にのってドラマスペシャル」と謳って、『家族のラブレター』(8/3)、『ゾウのはなこ』(8/4)、『はだしのゲン』(8/10~11)の3連作、など。。。

 演劇界でも『はだしのゲン』は木山事務所公演として今年も上演される。地人会の朗読劇 『この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ』とともに、長い間上演が続けられている舞台で、我が『月光』も朗読劇としては5年目だが、舞台版を合わせればもうすぐ干支が一回り…。先人達に負けない舞台創造を、今後も続ける所存だ。

 さて。『月光』の荷下ろしが本日行われ、道具などとともに、いただいたお酒など記念品の数々がパラータ号から劇団に。
 我々留守番メンバーにも嬉しい、それらの心のこもった「御礼」だが、目に見えるモノ以上のモノが、巡演組には見えたのだろうし、同じ仲間として、それを感じることはできた。

 稽古場に、信州の涼やか風が一瞬吹いたので・・・。



   少し夏風邪ぎみ。
     そのせいか、今日の締めは、
     やっぱ少しクサ過ぎですかね?
     ・・・早く治します。


   
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ニョキニョキ

2007年07月28日 | 東演
 26日に所沢で7月の巡演、全17ステージを終えた『朗読劇/月光の夏』。
セットや舞台に必要な道具(脚立や地絣、腰道具など)を載せたパラータ号が、劇団近くのドックに帰還。。。まぁ単に駐車場に戻って来ただけなんだけど、2週間を超す長旅を終えた姿に、ついカッコいい言葉を使いたくなるのは人情だろう。

 俳優達はしばしのオフ
 各自、信州路での思い出を噛み締めているようだ。
 成長期
 膝が痛くて眠れなかった経験を持つ人は多いだろう。
 僕も、小4の春休みから小5の新学期の始まるまでの2週間くらいの間に10㎝以上伸びた経験があるが、いずれにしろ、就寝の間にニョキニョキ伸びる。

 それと同様に、07年の『月光』は7~9月の3ヶ月をかけて北は秋田から南は鹿児島までを駈け抜ける、その1stギグに当たる長野-埼玉を無事終えた今、少々疲れた体と幸福に満ちた心を横たえながら、恐らくはニョキニョキ成長しているはずだ!

 そんなニョキニョキなメンバーは。。。
 キャストは山田珠真子、古田美奈子、能登剛、南保大樹。舞台監督に原野寛之、照明・鵜飼守、制作・横川功(以上劇団東演)。音響の高橋清志さんは、パラータの劇場管理もお願いしている、いわば身内。訪中公演もご一緒いただきます。
 そしてピアニストは、我等が植田伸子さん

 植田さんは、役者ブログ以上にコンスタントに、かつ弊ブログのようにだらだら長くない簡潔な「ダイアリー」をほぼ毎日書かれていて、しかもとても素敵なブログなので、少し抜粋してご紹介すると(『 』は原文)。。。

 長野では、会報に載せるピアノの絵を描いて下さった会員さんが「伸子(しんこ)」さんと言い『生まれてはじめて私と同じお名前の方にお会いしました』。

 また、所沢の終演後に「感動しました」と声をかけてくれた母と子が同じ「植田」姓で、松葉杖をついた息子さんは音大を出た後、事故で松葉杖をつくようになったものの「ピアノを弾くことだけは残りました」と。そして、奇しくもその日が彼の誕生日。
 『あまりの不思議に驚くばかりでした。各地でいろいろな方にお会いし、ほんとうにたくさんのものをいただいた2週間でした』

。。。などのエピソードが目白押し
   ※興味を持った方は、植田伸子オフィシャルサイトへGO
                                
 8月は、岸並万里子、江上梨乃、能登剛、南保大樹のキャストに舞監・原野、音響・高橋をコアメンバーに、様々な座組で巡演します。

 次なる“ニョキニョキ”は間もなく始まるのダ。
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8.9に向けて・・・(後編)

2007年07月27日 | 東演
 さて昨日に続いて、川崎の濃密な夜の話。

 早くもチケットは、ほとんど残っていないという8月9日の「ラゾーナ川崎プラザソル」での『朗読劇/月光の夏』・・・。
 つまりは、あとは創造側がその頑張りに応えるのみダ

 25日夜の創造側の出席者は、『月光の夏』の作者・毛利恒之氏、今回のピアニスト・根岸弥生氏の名代として、マネージャーの伊倉一恵氏、弊団からは岸並万里子と江上梨乃というなかなか豪華な顔触れ(おまけに僕)。

 やはり毛利さんの話は深い。
 『月光の夏』にまつわる、作品に現れない話も沢山話していただき・・・さらには『月光』の前に、一本別作品の打診があって、忙しいと断ったのだが、実はその企画自体に魅力がなかったなんて話も…。そのあと来た『月光』のエピソードは、どんなに忙しくても自分で手掛けたいと思った! という「月光秘話」の“前段の秘話(?)”なども披露していただいた。

 そして伊倉さんの話は熱い!
 徳島での仕事で欠席された根岸さんにかわり“ベートーヴェン弾き・根岸弥生”の魅力を大いに語り、また、今回たまさか、実行委員の一人・平松氏(正式には平松さんのご主人の音楽プロデューサー)の紹介で『月光』に関わることになったが、以前から『月光』には興味を持っていて絶対参加したい!と思っていた、という話など。

 そして役者二人は、迎える川崎の期待と、毛利さんの思い、加えて根岸&伊倉二人三脚の『月光』に懸ける想いを受けて、まずは来月から始まる“川崎五重奏=東演俳優四人+ピアニスト”を大いに楽しみにし、かつ新しい『月光』を創造すると、高らかに宣言した。


 そう、何を隠そう、この五人による稽古は顔合わせを終えたのみで、実際には合わせていないのダ。合わせていないのに、何だかやたら意気投合してしまっているのダ
 
 不思議な出逢いである。

 そして、言うまでもなく、公演当日8月9日は長崎に原爆が落とされた日だ。
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8.9に向けて・・・(前編)

2007年07月26日 | 東演
 予告通り、川崎での交流会の話。
 
 先週土曜の町田に続いての『月光の夏』に関連する集いであったわけですが、若干性格が異なるので少し触れると。。。

 町田は、会員制の「町田演劇鑑賞会」の年6回の例会作品のひとつとして『月光』を9/6に上演し、それに向けての会合のゲストでした。
 で川崎も、やはり会員制の「川崎市民劇場」の面々ではありましたが、年6回の例会とは別に、有志を募って実行委員会を作り、8/9の本番に向けて取り組むというもの。

 まあ『月光』を上演することにかわりはないのですが…。
 前者は、当然「会員のみ」が観劇するのに対して、後者は「誰でも」観られるというのが大きな違いと言えるでしょう。
 ちょうど今頃、長野から移動して、所沢で仕込み中の『月光』巡演は、まさに前者。

 川崎は3年前にも同様のアプローチで『月光』を迎えてくれている。
 多摩川に沿って細長い我が故郷。130万の人口を抱える政令指定都市で七つの区を持つ川崎の、前回は市の北部に位置する高津区の、駅で言えば南武線と田園都市線が交差する「溝の口」駅前にあるホールでの2ステージでした。今回は、海に近い南部の、市の中心でもある「川崎駅」と直結した新名所「ラゾーナ川崎」の中にある会場での2ステージ!

 その巨大商業施設「ラゾーナ川崎」の脇を抜けて少し行った商店街にある中華料理店「西海亭」に、七時を目指して集合したのは総勢30人弱。
川崎市民劇場会員でかつ「ぱら~たの会」(東演の公式FC)会員でもある金子氏の馴染みの店は、貸し切り状態となった。
『長江~乗合い船』が縁で、中国ツアーを50人規模の大旅団で挑んだ「川崎」のパワーは相変わらずすごい!

 特に『月光』となると、前回に続いて実行委員長を務めていただく斉藤氏を抜きには語れない。

 『月光の夏』の端緒となる鳥栖小学校(当時は鳥栖国民学校)出身で、昨夜も挨拶で「長崎本線と鹿児島本線の線路に挟まれた場所にある我が母校の敷地には、川まで流れていて、そこには渡り廊下が・・・」と語り出す彼は、さらに“月光のピアノ”の秘話の実在の中心人物・上野先生にも習ったことのある、本作とは深い深い縁のある人物なのだ。

 他にも、あわや満州で残留孤児になりかけた方、東京の下町で空襲を見舞われた方、等々それぞれの戦争体験から「繰り返すまじ」という強い思いが『月光の夏』を見る会への賛同につながっている。。。

 その実行委員会(正式名称を「川崎市民劇場『月光の夏』を見る会」という)。「今日までは準備会で、今日が正式な発足式でもある」と嘘か真か解らない話をしたのは、前川崎市民劇場事務局長で、現在は会場となる「プラザソル」にも深く関わっている関氏。
 
 だってばさ。昼の回のチケットは、あと十数枚しか残ってないというじゃありませんか…。夜だって、あと70枚程度だと。
 むしろ東演&根岸弥生の創造側がネジ巻かなきゃ!だよ

(後編に続く)
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月光と恋森と、つまりは近況

2007年07月25日 | 東演
 今月の12日から始まった『ピアノ・ソナタ「月光」による朗読劇/月光の夏』長野巡演は、昨日最終公演地の長野市に入り、本日16ステージ目の幕を降ろせば、明日は関越道を下って、所沢だ。

                   役者ブログ好調☆更新中

 その、朗読版『月光』の戯曲が、いよいよ電子ブックになります
 「朗読ブック」絶版に伴い、昨年の市川公演で出逢った東京書籍印刷の浅川さんと取り組んで来た企画が、ゲラ刷りまで辿り着きました。
 あともう一歩。
 ラジオドラマ、小説、映画、舞台に、ドラマCD、絵本と、あらゆるメディアで多くの人々に感動を届けている『月光の夏』の、新しい展開です。

 作者の毛利さんとは、川崎の交流会で本日ご一緒することになっています。
 8月9日の川崎公演を主催していただたく面々が、原作者の毛利さん、出演する俳優たちと『月光』について、より深く語ろうと計画した席だ
 詳細は明日・・・。

 さて。
 東演の作品は『月光の夏』ばかりではありません。
 今日は、一昨日(23日月曜)に続き、『恋でいっぱいの森』のスタジオレコーディングがある!
 富士見ヶ丘のスタジオに、恋森キャストが集結(月光班除く)し、ごきげんな古賀メロディ・・・言うまでもなく、古賀政男ではなく、我等が古賀義弥のナンバー・・・を録音する。
 制作担当の田中に任せてあるので、細かい様子はわからないのだが、順調なようだ。

 順調といえば。。。
 再び『月光』に戻るが、下北沢での3ステージのチケットの動きが良いです。
 やはり14時開演というのが一番見やすいようで、14日が一番人気です。
 とゆーことは、個人的には制作として、ぼちぼちリーフレットとかの準備をしなければいけないのだな

 そして稽古場には、ぼちぼち『月光』の15日班(通称C班)の矢野、小高、安田らと、『臨時病室』の笹山、岸並が現れる時間である。

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夢にも思わない

2007年07月24日 | 身辺雑記
                              【文中敬称略】

 表題は、中一の主人公・緒方雅男が親友の島崎とともに活躍する宮部みゆきの小説の、シリーズ第二弾のタイトルだ!(ちなみに第一作は『今夜は眠れない』)。
 彼女の実力からすれば、佳作の末席となる青春冒険小説だが…今日は、その話ではない。

 参院選に出馬を決めた元アナウンサーの某氏が、きっと今、というか表明以来ずっと《夢にも思わない》とゆー状況にいるのじゃないか!という話である。

 このブログは劇団の公式HP内にあるので、その情報を主に、例えば少し広げて演劇界の話題だの他人様の芝居の感想を穏便に書いてりだのして…、あと世の中のことも、どちらかと言えば当たり障りのない(?)スポーツだのグルメだのに視線を留めて、政治や国際情勢等は避けてきています。
 で、今回もそこは外さずに

 だから、左寄りと思われるテレビ局から自民党ってどーよ的なラインじゃなく「人が生きてきて、突如《夢にも思わない》状況に陥る驚きや戸惑いといった“演劇的見地”」からの考察として触れたいと思います。

 今やキャビンアテンダントより人気のアナウンサー しかも東京キー局に日本の最高学府と言われているT大を卒業して入社。知的だの美人だの言われていた一人の女性が「国民の為に立ち上がろう!」と世に問うた瞬間、いきなりのバッシング
確かにマスメディアで活躍し、その知名度を最大の武器に当選した過去のタレント議員が、その職務の中で不手際や悪印象で叩かれたことはあったし、それはまあ仕方のないことだ。

 それが、ある意味何にもしないうちからの一斉放射!
 いや、つい先日、期日前投票に行ったら選挙権がなかったという、笑えないが笑っちゃう話は、ツッコまれてしかるべきだが、攻撃はその発覚のずっと前からだ。

 。。。別にここで差し挟むこともないが、個人的には、人を見下しているように見える(あくまで「見える」だけで、本当は違うのだろうが…)彼女のようなタイプは苦手で、同局でいえば、同期の大下容子の方が全然良いわけだが。。。

 要は「中にはそーゆー見る目のない人間もいるでしょうが、概ね私のことを支持してくれるはず!」と思って、それまで天職と思っていた職を辞し、御世話になった会社を去り、立候補したわけであろう。
 「なのに、なのに・・・」である。
 「あたしが何をしたの?」である。

 で。このような特異だけれど、大きく捕らまえれば誰もが経験しうる心情は、芝居になるなぁと、他人事だし、演劇製作者のハシクレなので思ってしまう。

 客観的に言えば、これはもう“弱い者いじめ”以外のナニモノでもなく、矛先は、タレント候補個人に向けるものじゃなく、そーゆー何某(なにがしと読んでネ)を擁立して「数」を増やそうとする
・・・おっと、アブナイそーやって特定の政党をオトシメルような発言も主旨じゃない。

 あるいは、こんな同情をシメシメと思うくらい、意外やクールな計算をしていて・・・「そういった同情票と組織票を加えて、あと××票か。何か手はないかなぁ」などと考えているやもしれないゾ、と意地悪に推測したり、いやいや、やっぱ人間だもの、ただでさえ少ないだろう睡眠時間、「今夜も眠れない」と枕を濡らしているのだろう…と、身勝手な妄想はニュートリアルの徳井くん並に尽きないのダ。

 いよいよ秒読みの参院選。
 台風に地震に、バンソコー大臣の意味不明な釈明に、海外では大きな航空機事故や蒸気管の大爆発、さらにスポーツではサッカーアジア杯に藍ちゃん涙のマッチゴルフ準Vと・・・まるで「選挙」に関心が向かないけど、それでも投票日はカウントダウンだ。

 そうそう。昨夜、俳優座劇場に芝居を観に行ったが、途中、TVでも活躍する弁護士M氏の選挙事務所があった。六本木の、ミッドタウンの真ん前・・・「お金、スゴク、あるのネ」


 とにもかくにも、全候補者377名それぞれの闘いは続き、国民の審判が下る。本日取り上げさせていただいた某氏には、都民のネ。
 「日本人で良かった」と嬉し涙を流せるかしら・・・それとも《夢にも思わない》結果になるのかしら。。。
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イベリコな町田の土曜日のこと。

2007年07月23日 | 東演
 土曜日。
 能活のファインセーブ2連発を、僕は町田のとあるバーで観ていた。

 その日、3時過ぎに町田に新しくできた「文学館ことばらんど(2006年オープン)」に出向いたのは、僕と岸並と江上。
                          
 来たる9月6日、例会として『月光の夏』に取り組んでくれる町田演劇鑑賞会の「はじめの会」に顔を出したのだ。
 例会までの流れや役割分担などの会議前半が一区切りした後の、作品や劇団のことを深く知ろうというタイミングで部屋に招かれたのたが、3階の第6会議室に入ると、ロの字のテーブルをぐるりと囲む20人以上の会員さんが“静かだが熱い視線”で我々を迎えてくれた。

 自己紹介や「月光」への思いなど語り、さらには岸並&江上が「朗読劇」のさわりも披露して、会員さんたちの気持ちを掴みつつ、無事「はじめの会」を終え、更に交流を深めるべく席を移した。
 やはり距離は大切で、近くなると話も弾むというもの
 文学館でも質問は受けたが、掘り炬燵式のテーブルに体を接してのおしゃべりは、会員さんの人となりも見えて、グッと距離が縮まる。
 少々お酒が入ったこともあり

 で。その盛り上がりを受けて、事務局長に会長に、今回の例会担当の運営委員さん……町田演鑑3名と東演の女優+制作の3名でバーに移動したのが、日本対オーストラリアの前半30分になろうかという時間帯でした。
                        
 頼れるエース高原の同点弾、冒頭に書いた守護神のスーパーセーブによる準決進出でしたが、面白かったのは中村憲剛がセンターフォワードのごとく、ガンガン相手ゴール前に登場したこと

 中盤に好選手が多い日本には1トップが相応しいというのがトルシエジャパンからの僕の持論だ。
 幸い(?)オシムジャパンは、俊輔とヤットを思い切り前掛かりに、ケンゴと啓太を守備的MFというより本来世界で言われているところの「ボランチ」として機能させている。結果、DFを含むプレイヤーが次々前線に飛び出すわけダ。ならば1トップで、松井大輔を召集して欲しいと思うわけです。

 課題の両サイド。。。加地、駒野。。。は確かに頑張っていますが、今のクロスの精度ではアジア止まりで世界は無理。また巻が楔(くさび)として、世界で通用するとも思えない・・・と、僕以外の多くの人も思っているはずだ。だからこそ、中盤を厚くして制圧されないようにし、かつどこからでも攻めていける・・・あ、またやってしまった。中途半端だが、話を戻そう。
 町田は、岸並と江上に、現在長野を廻っている能登と南保のキャストに、西川麻里子さんのピアノという布陣で挑みます。
 9月前半の、新潟(新発田市)-山形(鶴岡市)-秋田(大仙市、秋田市)-東京(町田市)とまわる巡演のラストを飾るステージ!

 早くも成功が見えたような、良い「はじめの会」でした。

 末筆ながらタイトルのイベリコは、そのバーのカウンターにイベリコ豚の塊が鎮座していて、オーダーすると、それを削いで出す店だったので。。。
 勿論食べました。超☆美味しかったです。
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BCDの休日

2007年07月20日 | 身辺雑記

昨日は、お休みをいただきました。
三連休の代休とでも言いましょうか…。

で。どんな敏腕で華麗な(?)休日だったかといえば。。。

少しゆっくりめに起きて、そしたら「あたしは稽古に出ますから、干しておいてネ」と妻から言われて洗濯物を干しました。
Cleaningの

そのあと食事
BreakfastとゆうよりBrunchのB

食後の珈琲を落として、テレビで再放送のサスペンスドラマやキアヌ・リーブスが犯人役の安っぽい映画を流しながら、チラシを折り、次回公演案内の封入作業・・・

まとめるとコーヒーにC級映画にチラシの
と、DM発送の
・・・僕個人のものだが、それでも200通近くあるので、終わる頃には夕刻になった。

そうそう。前回(一昨日のブログ)はマンUの試合がUチャンネルで放送って話を書きましたが、昨日はプロ野球のフレッシュオールスター(2軍のオールスター)を、やはりUHFで観た。
MVPは中東直己。広島東洋カープの外野手(捕手もできる)。
カープといえば
広島はフレッシュオールスターに強くて、過去10年でMVPを12球団最多の3人輩出! 自前の若手育成に力のある球団であることを実証している!

前身のジュニアオールスター時代はキー局でのテレビ中継があって、ドカベン香川(80、南海)、金村(82、近鉄)、デーブ大久保(87、当時西武)、そして92年のイチロー(オリックス)と・・・後のスターのフレッシュな姿を映しだしていた。
そうそう、観た記憶あるある


あれ? しかし、パ・リーグの選手ばかりだな。まあジュニア(現フレッシュ)はイースタン対ウエスタンで戦うし、78年屋敷(大洋)や91年種田(中日)などセの選手がいないこともないけど、圧倒的に最優秀選手はパだ。当時はパ・リーグのテレビ中継はなかったから、ハングリー精神の差違も大きかったのだろうか?

ちなみに、今はそんなに野球に興味がなく、それほど真剣には見ずにザッピングしながらビールを飲んだのだった。
Beer


。。。以上、まるでなんてことはないBCDな休日でした。
     
          
 

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U魂

2007年07月18日 | 東演
 僕は浪人時代「TVK(テレビ神奈川)」をよく見ていた
 当時、キー局の「音楽番組」といえば、生のランキングものが主流で、まだビデオクリップに力を注いでない時代のことだ。我等がTVKは国内はもとより、海外の大物アーティストのPVを流しまくり、流すどころか「外タレ」が同番組単独のインタビューに答える映像は“売り”になっていた。

 最近でいえば・・・サッカー情報番組『やべっちFC』で、世界のトッププレイヤーが「Ha~i,Yabecchi」とメッセージを寄せるコーナーがあるが、あんな感じで「ミュートマ☆ワールド!」って一流ミュージシャンが言ってたのだ。
 閑話休題。

 勿論、国内の「売れっ子」を出演させる予算がなく、言えばそれを自ら逆手にとった戦略でもあったわけだが、結果、それは時代を先取りすることになった

 さて。最近は余り言わなくなったが、1~12以外の、もっと大きな数字のチャンネル群を「Uチャン」と呼んでいた。UHFの頭文字をとって。
 でも、そのUHFが「Ultra-High Frequency=極超短波の略」ってことは知らずに使っていたなぁ・・・。

 Uといえば、昨日マンUことマンチェスター・ユナイテッドが浦和レッドダイヤモンズと試合をした
 レッズは大健闘で、なんと2-2の引き分け

 また、マンU自体も、バルサなど他のビッグクラブ同様、アジアでの商圏拡大は至上命令なので、昔のように“観光気分”で手を抜くなんてこともなく、豪華メンバーで、かつ、熱く闘ってくれた。
(むしろレッズの方が代表や怪我でベストとはいえない布陣だったくらい…)

 ところが、そんな素晴らしい試合を、国際親善試合ってこともあって、生中継は「テレ玉」のみ!(*)
 昨季のプレミアリーグとJリーグの、覇者対決をUチャンネルしか放送しないとは・・・
              
 まあ、最近はケーブルテレビも普及して、うちだって“7チャンネル”でテレ玉は見られるわけで(実際見ましたが)、とすれば、むしろ地元・埼玉のテレビ局が、ライブ放送権を積極的にゲットしたというのが本当のところなのだろう…。
 Uチャンネルは頑張っているのだ

 で。決して自らを過小評価するわけじゃなく、歴史や座の大きさ(人数及び年間のステージ数)を鑑みた時“演劇界のUチャンネル”に位置すると思われる我々東演は、時代に先んじてPVを取り入れたように、他がまだ西洋の翻訳劇にうつつを抜かしている中、既に10年になろうかという中国との交流を深めるといった、なかなかどーして、昨夜の小野の同点ゴールばりのカッコイイ仕事をしていると言えるのでは・・・。
 と、埼玉スタジアムでのマンUとレッズの試合を、Uチャンで観ながら思ったのだった
 この「U魂」をこれからも忘れてはならないとも
 そしていつか、世界のトップチーム「マンU」のような劇団になろうと。


   (*)キー局では、深夜にTBSが録画放送。
 
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