麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

山ありやまなし、CDあり。

2016年07月28日 | 制作公演関連
満員御礼で幕を開けた
J-Theater『三好十郎+宮沢賢治』。

先陣の三好作品『噛みついた娘』の
出演者と観客が会場外で交わる
その熱気のただなか、
劇場内ではセットチェンジ
からの~宮沢賢治テクリハ!

時計の針は21時半を指している。
昨夜のはなしだ。

あけて7月26日。
朝早くから、場面毎の段取りを当たり、
休むまもなくゲネプログを敢行したら、
12時半の開場まで20分とない時刻。

賢治の『やまなし』『よだかの星』
『注文の多い料理店』『猫の事務所』は、
そんなスリリングな流れから初日。

ラップやダンスも取り入れた構成。
その全曲オリジナルの挿入歌を
なんとCDにして販売もしている(^_^;)
5曲入り500円なり。
お陰様で売行好調である。

賢治の世界がワンステージ終わると
再び道具を入れ替えて『~娘』に。
16:30と19:30、明日の13:00、16:00。
と、
一気に三好十郎をやりきって、
最後に『やまなし』ほか四篇。
・・・怒濤の一日三演目は続く。

ん?
時間がいったりきたりしているぞ。



迄を夕刻に書いたけれど、
投稿には至らずに帰宅した。

井の頭線渋谷駅。
降車改札に向かう人波のなか、
コントでもそこまで蛇行しないぞ、
とゆーくらい右へ左へとゆらめく
長身のサラリーマンが前を行く。

そこをまっすぐに颯爽とすり抜けた、
かに見えた若い男は太い柱に激突。
(@_@)(;>_<;)(@_@)
どちらもだいぶ酔っているようだ。

乗り換えた山手線のホームには
痛々しい包帯姿の女子。


『噛みついた娘』のタイトルロール
女中のステが、東京の印象を「恐い」と。
青森から出てきた純粋な娘に
何が恐いのかと、上流階級の輩が問えば
「人間が恐い」とステは答える。

そんな芝居の後半の見せ場があるが……
確かに人間が、一番こわい。

でも多忙を縫って、劇場に来て頂く人は
本当に優しくて、素敵だ。

※※※

と投稿したつもりがアップできてなかった。
『三好十郎+宮沢賢治』は、てなわけで
昨日、おかげさまをもって終幕しました。
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噛みんぐ、ポケモンGO

2016年07月25日 | 制作公演関連
報道の過熱ぶりに半信半疑だったけど
我が家に近い「池袋西口公園」で
それを実感する風景に遭遇した。


みな「ポケモンGo」プレイ中だ。

入口近くに噴水があり、
その同心円をイメージした
輪が広がるタイル張りの模様が
公園の中央から広がってはいる。

けれども普段はそれとは関係なく
人が往き来しているのだ。

ところが、中心を空けて、
ぐるりと周りを囲んだ老若男女が
スマホをかざしている光景は
流行のそれとは解っていても、
気持ちのいいものではなかった
(>_<)
目に見えないモンスターが
タイルのデザインよろしく
真ん中から湧いて出てくるように
見えなくもなかったりもして・・・

と、書きながらタイトルに使い、
アクセスを少しでも増やそうと
小賢しい作戦を立てる方も
如何なものかと自戒しつつ…(^^;

J-Theater〈日本人作家シリーズ〉
『三好十郎+宮沢賢治』も
ポケゴーに負けない勢いで、
初日夜、仲良日夜と完売です\(^o^)/

さて。
三好を小林七緒が、宮沢を小林拓生が
それぞれ演出する公演のため、
《ともに俳優であり、演出家でもある
二人の小林が激突する!》的な
売り文句をこしらえたけれど、
数日前ひょんなことから、
二人が同い年であることを知った。
しかも人数が極端に少ない、
とある干支に当たるのだと云う。

舞台監督が小林岳郎で、
実は三人も小林がいる上に、
またレアな丙午まで三人とは・・・

あ、三人目は制作。つまり私だ。

只今「楽園」では場当たりが進行中。
また折込も入れ替わり立ち替わり。
で、16過ぎからゲネ。

上演時間1時間15分の三好十郎の
ほぼ上演されていない舞台は、
いよいよ19時30分、お目見えする。
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+城館

2016年07月24日 | 制作公演関連
富士山麓の湖畔で中学生に
三島の芝居を堪能してもらったり、
25日開幕の二本立て公演の
追い込みに関わっている間に、
演劇集団ア・ラ・プラスは
上演会場の「東演パラータ」に木曜から。

一週間ほど稽古場として借り、
29日が業界で云うところの仕込日。
そして8月1日に幕を開けると
そこからは一気に千秋楽まで激走だ。

つごう18日間「城館」で過ごすことになる。
(一日オフがあるから実質は17日)



あ、パラータはロシア語である。
城とか家とかの意味だそうだ。

つまりは。
それまでの稽古が仮住まいの生活で、
いよいよ完成した新築の家に
25日に入居したようなもの。

絨毯を敷いて、家具を置いて、
皿や服を仕舞い、ランプシェードを被せ、
そうして文字通り、お客様を迎える。

初日に向けて、これからの一週間は
おもてなしの最終段階だ。

昨日、とにかくお尻までの段取りをつけ、
夜は場所をかえて衣裳合わせ。
まだ全部は揃っていないけれど、
例えば目玉となる「あれ」は
具体化して、問題点も明確に。

それはコスチュームに限らず、
演技の面でも実寸の舞台で
本番に近い道具を使っての稽古は
当たり前だが「実感」が強く、
それは伸びやかな気分に繋がる。

そりゃ多少、冷蔵庫が出っ張るね、
とか、
洗濯物が思ったより干せないな
とか、
計算違いはあるのだけれど、
それを修正するための時間でもある。

実は今日はオフ(-.-)Zzz
月曜日からのラストスパートに備える。
で、役者と演出は昨夜、精をつけに
近くの店で「カレーパーティー」
\(^o^)/


スタッフは後ろ髪引かれながら
それぞれの準備で参加ならず。
かくいう僕はJ-Theaterの初日を控え
そちらの制作作業に移行(T_T)

そう明日は〈日本人作家シリーズ〉
『三好十郎+宮沢賢治』の幕が開く。

同じ下北沢に小劇場楽園と
東演パラータがあることは幸いだ。
なんとか両方に睨みを利かせたい(^_^;)
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噛みんぐ、初通し

2016年07月22日 | 制作公演関連
「初通しがこんなに遅いの初めて」
と演出は言いながら、昨夜
小林七緒組は『噛みついた娘』の
通し稽古(初)を敢行した。

初日まで四日。
上演時間は一時間二十分ほど。

J-Theater公演『三好十郎+宮沢賢治』の
先陣を切る「喜劇」である。

さて十四人のキャストで届ける本作。

伊藤弘子、イワヲ、平野直美

佐野陽一、石橋和也、辻京太、日和佐美香

斉藤まりえ、クリスタル真希、扇田森也、
田嶋真由美、薄平広樹、鈴木麻美(スー・アサミ)

山本政保

とは別途、ゲストで声のみの出演者がいる。
演出が戯曲を読んでピンときて依頼。
本人の快諾を得て、一発録りだったそう。
「リーフレットには載せてください」
と手渡されたメモを見て、笑った。

高塩顕。
この世界では名の通った音響家。

てか『三好十郎+宮沢賢治』を終え、
次に制作で入る演劇集団ア・ラ・プラス
『かもめ』の音効担当も彼だ。

てかてか。
今は活動休止中の、僕がプロデュースする
「COOL―P」というバンドの
彼はドラマーでもある。
だから笑ったわけだ。
顕、聞いてねーよ~(^_^;)

もちろん彼自身が、演出が所属する
流山児☆事務所でも仕事をしていて
七緒嬢からのご指名だったわけで
なんの問題もありゃしないけど、
この世界が狭いとゆーか、
顕が多芸とゆーかC=C=(;・_・)

与太話はこれくらいにして。
『噛みついた娘』の話をしよう。

以前のブログでアメフトに例え、
短いランを選択し確実に前進している
と書いたのだが、そういう稽古を重ね、
最近はチャレンジングなパスも絡めて
ファーストダウンをゲットし続けて、
開幕四日前を迎えたと思う。

そしてゴールは目の前だ。
クォーターバック七緒は、
多彩なワイドレシーバーと
ランニングバックにタイトエンドを
どう組み合わせて仕掛けるのか。

僅か三日(それも月~水)の短い期間に
五回公演・・・さらに初日は残席僅かです。

お見逃しなく。
カミングスーンですよ。

7月25日(月)19:30
26日(火)16:30/19:30
27日(水)13:00/16:00
小劇場「楽園」にて。

26日13:00、27日19:30からは
宮沢賢治『やまなし』ほかを上演。
同作は8月3日(水)にも16:30、19:30
同じく「楽園」で公演あり。


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野武士

2016年07月21日 | 身辺雑記
「野武士」が六月末に閉店したと
昨日のネットニュースで知った。

もう少し正確にいえば。
お笑い芸人・上島竜兵とその仲間たち、
誰が呼んだか「上島会」が解散か?
という話の発端として、丸ノ内線の
東高円寺駅から徒歩で一分ほど、
大通りに面した正面入口のほか
細い商店街側からも入れる
彼らのたまり場の居酒屋が
惜しまれつつ閉店し、それを機に
会も解散しようとの声が上がる中、
竜ちゃんが泣きながら反対した、
という他愛もないニュースであった。



実は新婚時代を過ごしたのが、
まさにその街だったから、
かみさんと何度か呑んだことがある。
「芸人さんがよく来る店らしいよ」
と友人にしたり顔で話したことも。

さま~ずが街をぶらぶらする番組で、
ついこないだ取り上げられたばかり。
放送は今月だったけれど、その収録は
まだ閉店前のタイミングだったようだ。

そう、暦は七月も下旬。
東京は都知事選真っ只中。
マスコミは沢山の立候補者のうち、
三人の「有力候補」に注目している。

一番気合が入っているのは小池氏で、
さしずめ「緑色の野武士」と
僕には見えるがどうだろう。
もちろん気合だけで勝てる訳じゃない。
選挙運動を一切せず知事になった人もいる。

が、覇気の強さは現状、彼女が優位という
世論調査の結果と連関している。

本来なら、その風貌に加えて
「野」党の統一候補なわけだから
「野武士」のような豪快さで、
鳥越氏が与党系を打ち負かす
というストーリーの方が面白い。

彼がもう少し若い頃なら、
さしずめ吉岡一門や巌流島で戦った
血気盛んな武蔵だったろう。
が、良い意味で枯れた今、
熊本に客分となり『五輪書』を書いた
晩年の剣聖のイメージである。

マスコミよろしく三者を平等に扱うなら、
増田さんについても一言。

ソフト路線を狙い、ラフな服装で
広い東京を東奔西走しているよう。
酷暑だから動きやすいとは思うが、
ただでさえ地味な風貌は
完全に日曜日のお父さんだ。

コメンテーターとして、きちっと
筋の通った話をしていたスーツ姿で
戦った方が良かったんじゃないかしら。

なんて、やや俯瞰して感想を書いていたら、
ポストに都知事選の公報が届いた。

へえ~「報酬ゼロ」を掲げる人だの、
NHKから国民を守る(?)人だの、
いろんな候補がいるな~。

「そのど映画界に入り」
「そのが、マルチメディアで」
きっとぢちらも「その後」と
書きたかったんだろうが、急いでたのか、
あるいは彼独自の言語表現なのか……。

さて、一つひとつじっくり拝読しよう。
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卒塔婆小町at山中湖

2016年07月18日 | 制作公演関連


2016年7月15日(金)
山中湖村プール併用村民体育館にて
三島由紀夫「卒塔婆小町」
(『近代能楽集』より)を上演した。


小町に、神保麻奈。

男Aに望野哲也(右)、男Bに高岩明良(中央)。



女Aは戸田梨恵(左)、女Bは福永奈津美(中央)、
女Cは松尾典枝(右)。


巡査に田辺誠二。

詩人には高谷恭平。


そして、能菅演奏のやすだまこと。


写真はすべて横田敦史。

このメンバーで10月3日(月)から5日(水)
近江楽堂(新宿区)において公演。
・・・詳細は改めて。


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雨の山中湖

2016年07月16日 | 制作公演関連
三島由紀夫文学館と山中湖村教委の
共催による『卒塔婆小町』公演。
山中湖中学校の全校生徒及び
保護者等にご覧いただく企画。

上演前には、学年別のワークショップ
(講師は黒川逸郎)と
作品関連のレクチャー(同・川口成典)も。

昨年は東京を出てまもなく土砂降り、
現地でも雨がずっと降っていた。
今年は仕込みを終えて宿に戻る途中、
コンビニで買い物をして、
さぁ車に戻ろうとした直前に夕立。
作品は『弱法師(よろぼし)』だった。

五年前「こころで聴く三島由紀夫」と題し
朗読劇のスタイルで始まり、
『近代能楽集』八曲をふたつずつ
上演するかたちで昨年一通り完結した。
季節柄、雨がよく降り、
一昨年も荒天だったそうだが、
2016年もやはり雨に見舞われた。

新国立劇場とJ-Theaterが一曲ずつ担い、
文末のように上演してきて、
昨年から新機軸として、
鑑賞教室の幕をあけた。

今年は、公民館での朗読を新国立、
芝居をJ-Theaterと住みわけて、
ともに『卒塔婆小町』を選択。

***

神保麻奈、高谷恭平、田辺誠二、
高岩明良、望野哲也、戸田梨恵、
福永奈津美、松尾典枝、
やすだまこと(能管)という出演陣。

十四時半から。
保護者の方々や近隣のお年寄りも。
そして足の弱い彼女らを生徒が席まで
手をひく光景も見られた。

『弱法師』のときは上演前に、
生徒たちの合唱発表会もあったりで
バタバタしたけれど『卒塔婆小町』は
鑑賞一本に絞ったことでギュっと
集中力を増した感じがした。

「こころ~」に対して始まったばかりの
企画だから、工夫しながら
良いものに育んでいけたらと思う。

写真は役場の入口脇に立った
憲章を刻んだ石碑。



「こころで聴く三島由紀夫」アーカイブ

12年『弱法師』、『卒塔婆小町』※
13年『葵上』、『班女』※
14年『綾の鼓』※、『邯鄲』
15年『熊野』※、『道成寺』

※がJ-Theater、無印が新国立劇場製作。
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噛みんぐ、立ち稽古。

2016年07月13日 | 制作公演関連
『噛みついた娘』を紡ぐ小林七緒組
・・・団体名ではありません。
J-Theater〈日本人作家シリーズ〉
『三好十郎+宮沢賢治』の、
三好作品を創る座組を差します。

演出家が所属する流山児☆事務所の
アトリエに腰を据えた稽古は
週六で着々と進んでいます。

それはアメフトに例えるなら
派手なロングゲインのパスを使わず
短いランを選択し、確実に
ファーストダウンをゲットする、
そんな稽古の進め方である。

しかも、一見地味に見えながら
アメフト通なら唸らずにはいられない
オフェンスラインと敵の守備ラインの
高度な駆け引きに勝利しながらの前進!
そんな印象を受けています。

同じ場面を返す稽古の中で
勿論うまくいかないこともある。
アメフトで言えば「ロス」だが、
四回の攻撃で10ヤード進むのが
このスポーツの基本だから、
演技プランとしての果敢な挑戦が
仮に「はずれ」でも次に繋がる、
そんな流れが出来ているのだ。

スタンドオフ小林七緒(演出)の
見事なゲームコントロールである。

役者同士は初めましてが多い顔触れ。
だが、演出がこれまでの出逢いから
「面白い化学反応が起きそう」
と声掛けしただけに、適材適所
見事に「はまって」いる。

また前回も書いたけれど、
新国立劇場研修所出身者が多く、
中には四期四人の大所帯や、
流山児☆事務所から参戦の三人等が
ある種の推進力になり、
顔合わせから三週間、七緒組として
一つのまとまりが構築されています。

『噛みついた娘』の喜劇性を
強調した作品が日々立体化し、
幕開きが待ち遠しい。



二本立ての上演につき日程は、

7月25日(月)
19:30☆

26日(火)
13:00★/16:30☆/19:30☆

27日(水)
13:00☆/16:00☆/19:30★

8月3日(水)
16:30★/19:30★

☆三好十郎、★宮沢賢治

小劇場「楽園」にて。
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山ありやまなし、大抜擢

2016年07月12日 | 制作公演関連
小林拓生主宰のJ-Theaterの
公演スタイルの特色として、
例えば今般の〈日本人作家シリーズ〉
『三好十郎+宮沢賢治』
(7/26~27、小劇場「楽園」)で
前者を小林七緒が、後者を自らが演出。
複数作品を異なる演出家でという
スタイルはこれまでも多々あった。

それを小劇場の世界では当たり前に
週の頭ないし半ばから始めて
日曜日に幕をおろすのだけれど、
週末の集客数には目もくれず、
ウイークデーの前半のみ。
加えて、一日で三本廻しという
アイドルのコンサート並みの
無茶なタイムテーブルも特色だ。

でも「多くて昼夜の二回公演、
千秋楽は日曜」なんぞと定めた法はない。

それから。
大抜擢もJ-Theater的だといえる。

役に軽重は本来ないけれども、
いわゆる大役と呼ばれるような、
あるいは主役と目されるところに
わりとアグレッシブな起用をする。

前回あたりからは更に一歩踏み込み
「やりたい役」に立候補してよし!
を取り入れ始めたほどだ。

希望が全て叶うことはないが、
にしても斬新なスタイルで、
個人的に諸手をあげて称賛はしない。
のだが、希んだ役に責任を持って挑み、
成長する姿をまざまざと見せられると、
「それ、なし」とは言い切れないな、
と思わないでもない。

抜擢に関して言えば。
配役に限らず、例えば演出助手等の
スタッフワークを振って、
それが演じ手としての伸びに繋がる
(細かくいえば、人として一皮剥け
それが芸に反映されるという)
のも、一度ならず見てきた。

少し前まで私が所属していた
某新劇系劇団も、劇団の将来を鑑み、
抜擢することは当然あった。
中長期を見据えたプランのもと、
或いは集団内のバランスも加味しつつ。

ただJ-Theaterは「劇団」ではなく
プロデュースシステムを敷いており、
乱暴にいえば育成的要素は必要ない。

ただ。あくまでも「現状の」
J-Theaterに集う出演者に若い面々
(さらに言うと、まだ勉強中の生徒)
が、数的にウエイトを占めている、
という最後のidiosyncrasyがあり、
その点から「育み」に力が入りがちだ。

と、他人事のよーに解説してみたが、
気付けば2014年の『溟い海』に始まり、
今月末でJ-Theaterの制作は
な、な、なんと9本目になる。

「な」が多い、ながおぉい、なが~い。
うむ。
気付けば長いつき合いになったものだ。

と書いておいて、今日顔を出すのは、
七緒組の『噛みついた娘』の稽古場だ。

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『あの日、リストラ』閉幕

2016年07月10日 | 制作公演関連
僕が「名誉副支配人」を自称する
ウッディシアター中目黒で上演していた
DeGeプロデュース
『あの日、リストラ。1999~夏・・・』
無事に――まっ何たって「生」だから
テクニカルのトラブルだの、
役者が喉のコンディションを悪くして
昼夜公演の間に耳鼻科に飛び込む
程度のアクシデントは起きはした
――けれども、とにかく無事に
かつ好評裡に9ステージを
まもなく終えようとしています。

(只今ラストステージ本番中)

中村恭子姐が制作を務める舞台に
毎日お手伝いに通わせて頂きました。

実は、この戯曲はもともとは
『いい日、リストラ』といい
藤森一朗の代表作のひとつで、
個人的にも数回観ている舞台。

ところが記憶力が覚束無い僕は
今回遅れ客の対応をしながら
客席の隅で一度だけ見せて貰って、
「あっ、掃除のおばちゃんの役、
大橋さんがやってた」とか、
「課長は赤垣さんだったな~」
と、印象的な場面で、はたと
思い出すてーたらくであった。

そんな名作を、リストラクチャリングしたのが
『あの日、リストラ』であった。

***

作品を見たのも久しぶりだが、
中目黒をゆっくり歩いたのも久々で。
随分街の表情も変わっていた。


富山や宮崎の郷土料理の店を
商店街の奥に見つけたり、
一番街から、二番、三番……と
長くつづく中程のマンションが
ホテルになってたのには吃驚。
一年ほど前のことらしい。

行き帰り、商店街の方々が
それぞれの商いの時間を割いて
まもなくの夏祭りの準備する
和気藹々の姿も目に止まった。

提灯が毎日少しずつ増えていった。
DeGeの客足も後半に向けて伸び、
窮屈な観劇環境となってしまった。

さぁ、次の金曜は三島由紀夫!

月末には三好十郎と宮沢賢治、
そして八月は一転、海の向こうの
随分むかしに書かれたチェーホフの
『かもめ』と演目は続くのだ。

こちらも是非盛況にしたいものだ。

あ、前段のホテルの前の提灯が
偶然にも「高橋」だった(・・;)

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