麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ゆにっと~評価の行方についての考察

2008年04月30日 | 東演
 CDを買わずにダウンロードする人が増えているのは知っていましたが、その売り上げ枚数とDL数を足したものを「ユニット」というのは、恥ずかしながら知らなかった。
                       

 さて、直接「ユニット」とは関係ないが、その手のチャート系のニュースで最近驚いたのは、Perfumeのニュー・アルバム『GAME』がオリコンで1位になったこと。

 なかなかユニークな、テクノな三人組の存在には注目していたけれど、いわゆるB級というか。。。まあ、東演の人間が言えた義理じゃないけど。。。絶対にトップに立つグループじゃあないよナ、と思っていた。

 なんつうの? 決して四番サードじゃなく、七番セカンド…的な?
 そりゃ、年に何試合かは、サヨナラ満塁ホームランを打ったり、超美技でお立ち台には立つことはある。

 実際、今回のオリコン1位は、テクノユニットとしてはYMO以来24年11ケ月ぶりの頂点だったらしく、こりゃまさに快挙ではある。さらに11月には日本武道館で2daysとな…。
 勢い、トドマルトコロを知らず、だな。

 それでも尚、コアなファンの人気者ってイメージは強い。
 もっとも、今の時代、コアな力が大きいパワーを生んでいるわけで、Perfume自身も、インディーズ時代にアキバでライブを盛んに行い、メジャーデビュー後の広がりにファンによる動画共有サイトへの投稿があったりして、いわゆる“そちら系”の香りがするグループだから、その点では整合性があるっちゃ、あるんだけど・・・。
あ。いまさらですが、ご存知ない方のために簡単な解説を添えますと・・・メンバーは、樫野有香(かしゆか)、西脇綾香(あ~ちゃん)、大本彩乃(のっち)の3人※で、弊団の原野寛之と同じ広島県出身。
 で、02年入団の原野に遅れること3年、『リニアモーターガール』でメジャーデビューしています。
 しか~し、結成は、01年に遡り、当時まだ11~12才だったんじゃけぇ、驚くのお~。
 ※結成当時は広島ローカルで活動。のっちでなく河島佑香がメンバーで、3人とも「香」がついたのがグループ名の由来。当時は「ぱふゅ~む」または「ぱふゅ→む」とひらがな表記だった。

え~、話が深みにハマッテますね

 表題が「Perfume」でなく「ゆにっと」なのは、つまりアイドル論を展開したいわけではなく、音楽業界が、単純なCD売り上げからDLも含んだ評価へと変化してきているように、きっと我々演劇界の評価も、単純な集客ではなくメディアの「ユニット数」・・・それこそDVDだけじゃなく動画のDLも含んだ・・・に変わって行く、否、既に変わってきているのかも(?)
ゴールデン・ウィークを前に、劇団創立メンバーで、ということは最長老でもある弊団の笹山栄一が、いよいよデジカメにするので相談に乗れ、と事務所にやってきた。
 カメラが趣味の彼は、かたくなにフィルムの、いわゆるスチルカメラを使って来たが、現像など取り扱う店も減って、その料金も年々デジタルの方が安くなってきたからと。

 事ほど左様に、時代は歩みを進めていく…。
 黙ってそれに従う気はないが、あがなうには、まず、その潮目をわかってないといけないゼ、と肝に銘じるのであった・・・。

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GWに、例えば根岸弥生、あるいは南保大樹

2008年04月28日 | 東演
 GWってもう始まっているのでしょうか?
 明日から何でしょうか?

 さて。いずれにしろ、予定のある人にもない人にも、東演からのお知らせです。


 今シーズンの『ピアノ・ソナタ「月光」による朗読劇/月光の夏』は既に2月に始まっております。
 その際、ピアノをお願いした根岸弥生さん。

 そして、8月15日を含む公演に今年は初登場いただくことが決まりました。

 そんな彼女が、5月5日(月)東京文化会館小ホールにてコンサートを行います。
 13時開演 (12時半開場)。
 全席自由席で、前売3500円、当日4000円。

 ベートーヴェンをこよなく愛する“やよすけ”だけに、ベートーヴェンの「幻想曲Op.77」はもちろん、ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』やヒナステラの組曲『クレオール舞曲』などを演奏する予定だそうです。

 “やよすけ”は根岸さんのニックネーム!
 昨年夏の川崎公演での運命的(?)な出会いから、女優陣に一早く定着もしております。

 GWの上野は、既に3月から好評開催中の『平城遷都1300年記念「国宝薬師寺展」』(国立博物館)や、『ウルビーノのヴィーナス展』(国立西洋美術館)、
『モダンアート展』(東京都美術館)など華やかな芸術の花が咲き誇っておりますが、是非、ピアノの響きに酔いしれましょう
 東演演技陣も多く会場に駆けつけていると思います。

 興味のある方は是非、東演まで

 それから10日(土)正午から、インターネットTV「あっ!とおどろく放送局」3CHの生放送番組に、南保大樹が出演予定です。

 ネットなので全国どこでも視聴可能
 詳しい打ち合わせはまだですが「舞台俳優とは何ぞや!」を熱くフリートークするみたいな感じです、ハイ。

 その他東演は、只今、中堅や若手で勉強会などを積極的に行っております。
 スポットライトを浴びた舞台での公演につながる、奈落の下でモガク作業です。
 やがて、その種から芽が出て、膨らんで、花が咲いて、
 ジャンケンポンです。
 
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カモメに飛ぶことを教えた猫

2008年04月27日 | 鑑賞
 1953年4月の劇団結成以来、児童・青少年演劇に力を入れてきた劇団仲間は、常にトップランナーとして、代表作『森は生きている』をはじめとする数々の名作で、このジャンルを牽引して来ている。その力はまるで衰えを知らず、昨日観劇させていただいた『カモメに飛ぶことを教えた猫』も、大変素晴らしい作品でした。
 正直、今月はハズレが多かったので、久々に前を向いて劇場を出ることができました。

 大人も十二分に楽しめる舞台
 笑えて、泣けて、明日から頑張ろう!って気持ちになる
 そんな『カモメ~』は・・・
                    【文中敬称略】

 チリ出身のルイス・セプルベダの原作は読んでいない(白水社刊、河野万里子/訳)から言い切れないが、原作の力は勿論のこと、脚色のいずみ凜の構成力が、まず作品を支えている。
 大田創の美術も良い。港町全体を象徴的に表現しながら、原油にやられた瀕死のカモメ・ケンガー(二瓶美江)が落ちてくるテラス、そこに飼われている猫・ゾルバ(更井孝行)が散歩する路地や、街の猫たちの憧れの的・ブブリーナ(安田由美子)が詩人(小林利也)と暮らすバルコニー、ネズミたちの潜むアジトなどが多面的に現れる。
 また、萩京子の音楽が出しゃばらず、でも印象的に、我々を異国の港町に誘う。
 出しゃばらないという点では、照明(遠藤正義)と音響(杉山秀行)も職人芸で魅せる。素敵な絵をよりエレガントにする額縁のように、作品を包み込んでいる。

 これらスタッフを従えた菊地准の演出が、仲間の俳優のポテンシャルを引き出して「誇りと約束を重んじるネコ達が、カモメを育てる」という優しい物語を紡ぎあげる・・・。

 ケンガーとゾルバの約束から、ゾルバが、大佐(鹿島伸往)や秘書(村井裕)、 博士(古川伴睦)という個性的な仲間とともに卵を孵すまでが一幕。
 だけれどまるで飽きない。
 後にフォルトゥナータ(池田舞)と名付けられる銀カモメの赤ちゃんが産声をあげるまでがスピード感豊かに転がっていくからダ。

 そして2幕。いよいよネコがカモメを飛ばすことに挑む!
 船乗りのネコ・向かい風(新堀創世)を仲間に加える一方、ノラネコ1、2(飛田晃治、小倉輝一)との闘いは激しくなる。
 このあたりのボルテージの上がりっぷりも含め、まさしくカモメの滑空のように、ドラマはクライマックスへ・・・。
 機会があれば是非、ご家族で観てもらいたい一本

 ちなみに、カモメの名前・フォルトゥナータは“幸運の者”という意味。
 素敵なネコに出会えた彼女自身も、彼女を育てることができたネコ達も、この無謀な挑戦を傍観する中で、自らも飛翔することになるブブリーナも・・・
 なにより、この舞台と出会えた観客が“幸福な者”になれるのが『カモメに飛ぶことを教えた猫』です。
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私が今この世界に生きていることをⅡ

2008年04月25日 | 鑑賞
 中野ザ・ポケットにて、T1projectの『私が今この世界に生きていることをⅡ~
ストリート・オブ・アクター』(脚本・演出/友澤晃一)を観て来ました。

 下北沢演劇祭・世田谷区民上演グループAのOB「ツネ」こと今井恒允くんが主要な役で出演ということで期待に胸を膨らませつつ、「さてどのくらい成長したかしらん…」とドキドキもしながらの観劇でした。

 ツネは人気ミュージカル『テニスの王子様』(通称は「テニミュ」とか言うそうな)の08年香川と愛知公演に、比嘉中の甲斐裕次郎役で出演するなど着実に実績を上げてきていて、ファンクラブが出来るなんぞという噂も聞いている。

 今回は、劇団で最も熱く演劇に向き合う「今井」という役に挑戦。肩に力が入って、腰高の演技になるツネの弱点はまだ克服されていなかったが、演劇的にはまったく無意味な正面芝居をヒルむことなく演じるなどガンバリは見て取れました。
 裏を返せば・・・T1projectの期待が高いと言うことか?

 主婦やリタイヤした男性などが多い「区民上演グループ」ですが、このようにプロへの登竜門としての役割も果たせれば、関わる人間としては幸甚です。

 ありゃりゃ、全然劇評ではなく、ツネ論から区民Aの話になってきたナ・・・。

 公演はまだ27日まであるし、ネタばれもあれだからこのまま触れずに終わろうか…。
 連続保険金殺人を描いたベストセラー小説『長い長い殺人』の映画シナリオを担当するなど富良野塾(俳優コース)一期生の友澤晃一氏が、後進の指導のために立ち上げた集団だと聞いています。
 テレビドラマやミュージカルなど幅広く手掛けられていて、テレビシナリオの数は200本以上なのだとか・・・その経験を“若い俳優の卵たち”が大いに享受できることを願って。

 我々東演も、このあと今年入団した新人たちの歓迎会が控えているので、今日はこのへんで。。。


  





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二日続けて、花伝舎へ

2008年04月24日 | 東演
 一昨日、昨日と、続けて「花伝舎」に行きました

 花伝舎というのは、芸団協が理念※を実現させるための芸能文化拠点として、西新宿の淀橋第三小学校跡に造った施設で、正式名称は「芸能花伝舎」。
造ったというか、小学校をほぼまんま使って、創造スペースとして公演や稽古に利用したり、芸能関連団体の事務所が入居していたりします。

 ちなみに芸団協とは、俳優、歌手、演奏家、演出家などの実演家の団体で構成する民間の公益法人で、芸術文化の発展に寄与することを目的に1965年設立された「社団法人日本芸能実演家団体協議会」のこと。
 現在70団体が正会員となっていて、僕ら制作者の団体「日本新劇製作者協会」もそのうちのひとつです。

うわ、なんかコムズカしいっすね。
 コムズカシついでに。。。

※芸団協の理念は・・・芸能文化を担う「ひと」を育て、芸能文化を育む「場」をつくり、「ひと」と「場」が豊かに活かされる「しくみ」を整え、この国の人々が、多彩で深く、芸能を楽しみ豊かな心を育む社会を実現することを目指す。。。だそうです。

で、「製作協」の理事会が昨日開かれたので、理事の末席にある僕も参加。
 8月に開催する総会や、その総会で表彰する「協会賞」の授与者の選定、昨日午前に開かれた文化庁の助成金に関する説明会の内容について、さらには機関誌の発行スケジュール等多岐にわたって意見を交換しました。 

 火曜日は、花伝舎に事務所を持つ「日本演出家協会」の、来年開催予定の、とあるフェスティバルの打ち合わせ・・・なかなかのビッグプロジェクトですが現在はまだナイショ。

 西新宿のビルの谷間で珍しく無いアタマを使ったのでした。
 
 ただ、なんつっても小学校の教室ですからね。「ハイ、ハ~イ」と積極的に発言したくなっちゃう空気があります。もしくは「今の意見と同じで~す」みたいなトボケタ気分も

 ああ、懐かしや。小学校
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短距離走と長距離走

2008年04月23日 | 東演
 日曜日、東演パラータでは金曜ナイトドラマ『キミ犯人じゃ☆ないよね?』(テレビ朝日系)の撮影が行われました。
 5月2日OnAir分の数シーンと翌週の1シーンを・・・。
 興味のある方は「あ、このシーンだ!」と深夜にお叫びください。

            【文中敬称略】

 ちなみに熱愛発覚で話題の要潤や、弊団の小池友理香の高校の同期生・金剛地武志らがご来館。
 ドラマの中身については触れずに・・・改めてテレビの短距離走な仕事ぶりに恐れ入った次第であります。

やっぱ、芝居は暢気というか、じっくりやるよなぁ~と。
 勿論、2週間ほどの稽古で幕を開ける種類の演劇もありますが、例えば東演は2ヶ月から、短くても1ケ月半の稽古期間があって、本番に向かうわけです。

 テレビは昨日撮って・・・しかも第4話はおそらく明日あさってあたりまで撮りが続いて、それから編集して、数日後には放送だものナ・・・。かなりの綱渡りだ。

 一昨日も、給田でのロケ地からパラータに乗り込んで、撤収したのは夜中の1時ちょい前でした

 一年かけて収穫する一粒の米と、一発勝負で釣り上げる一尾の魚、そこに勝ち負けはないから、それをどうこう言う気はないです。

 ただ単純に、僕には無理だなぁ~という話。
 ありゃそー言うとミもフタもないか…。

 長く力を持続する赤い筋肉と、瞬時に力を発揮する白い筋肉、二つのタイプにはそれぞれ向いている競技があって、僕は前者だと言えば良いだろうか?

 あるいは逆に、僕は長年「演劇」の仕事をしてきた中で、その競技(?)にふさわしい「筋肉」が体に装着されたのであって、若い頃からテレビ界に居ればきっと耐えうる身躯を手に入れたのかも・・・。

 いや、そもそも“赤い筋肉・白い筋肉”は例えであって、精神的にそのテンポが合う合わないという。。。ハイキングをするとして、桜の根本に咲く野草まで愛でながらゆっくり散策するのか、ズンズンとハイスピードで頂上を目指すのか。。。嗜好や思考の差異もある気がする。

 もっとも。俳優は・・・昨夜のロケに演劇畑の役者さんもいましたが、色んなジャンルの仕事をこなすわけで、つまりは一流のアスリートとして、スプリントもロングディスタンスも、さらには投擲や跳躍もネ。

 東演の俳優も、そうであって欲しい
 と同時に、水泳選手が、当然すべての泳ぎはできるけれど、一番得意な種目でオリンピックを目指すように「舞台俳優」に重心は置いていて欲しいとも思う。

 水泳。五輪。とくれば今回の北京オリンピック選考レースは本当に数々のドラマがあって。。。
 4度目を狙った山本貴司(アテネ五輪男子200メートルバタフライの銀メダリスト奥さんは千葉すず※1)が代表に届かなかった一方、女子200メートル背泳ぎでは、前回涙を飲んだ伊藤華英が、中村礼子(同種目アテネ五輪同種目銅メダリスト)に次ぐ2位で切符を手にする(※2)など、本当に手に汗握る激戦が多かったが、長くなるので別の機会にしま~す。。。

※1=言わずと知れた人気スイマー。95年パンパシフィック水泳選手権で200m自由形金メダリスト。
※2=そして今回は、伊藤と人気を二分する寺川綾(アテネ代表)が五輪行きに手が届かなかった。

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新宿の夜とTDL、それからブラジル。

2008年04月20日 | 東演
 金曜の夜のことだ

 新宿の西口タクシー乗り場に、中学生くらいの子供たちがズラリ並んでいた。その数約60人。手には東京ディズニーランド25thアニバーサリーの袋を提げている。顔立ちから察するに、東アジアのどこかの国の修学旅行か何かだろうか…。

 ここで思う。
 普通なら、こんな時間まで行程を組むとは教育的にあるまじき、と眉根を寄せるところだろうが、そこはそれ、演劇制作者なので。。。
「TDLからバスをチャーターしてホテルに戻るより、この方が安いのか」と。


 実際、舞浜~新宿の電車賃+新宿からのタクシー相乗りを計算すると、
 380円×60人=22,800円
 710円×15台(60÷4)=10,620円
 計33,450円

 確かにバス1台借りて、その値段では行かない気がするもんな…。
 あ、ちなみにタクシー代金を初乗りにしたのは、もっと遠いなら違う駅を使うだろうし、さらに子供達の何人かが先生から1000円札1枚を手渡されて、ヒラヒラさせていたからです。
 
 さて。先程「教育的」なんて単語を使用したが、外国での電車の乗り換えやタクシー乗車は、へたな名所旧跡より学習意義が高いと、個人的には思ったりもしている。
 食わず嫌いで、ランドもシーも行ったことないけど、聞けば夜遅くまで営業しているらしいから、閉園迄たっぷり楽しんでの帰りで、新宿零時前って時間になったのだろう。日本の交通網は、最近少々トラブルが多いとはいえ、それでも世界に冠たる安定運行だし、何より治安も良いからこそなせるワザなのだろうが……。

 そんな思いになるのも。。。
 今年12月に計画していたブラジル公演が、原油高騰による諸々の値上げで予算と大幅なズレを生じていて、只今公演の是非自体を座内で検討中だからダ。
 ギリギリまで切り詰めつつ、ただ安全面は確保するには限界があり・・・。
日伯移民100周年の友好公演だけに、出来れば予定通り敢行したいのだが。。。

 一般企業と異なり、まず収支ありき!とは言わない。その為に文化庁からの助成も受けての公演なのだが・・・。
                             
 と、ここで再び新宿の夜に話を戻せば・・・
 もしかしたら彼らも、最初はディズニーランドからバスって予定だったのに、航空運賃の値上げで“夜の社会見学(?)”がメニューに加わったのかも、と考えたりもしました。

 他人の心配はともかく。東演のブラジル公演については、近々結論を出さなければなりません。
 
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月の真昼間

2008年04月18日 | 鑑賞
 一昨日、東京にいっぱい人が住んでる話を書いたけど、今日は沖縄の島に暮らす人々を描いたお芝居の話です。。。

劇団文化座公演第128回公演『月の真昼間(まぴろーま)』
(原作/森口豁 脚本/杉浦久幸 演出/原田一樹
 4月17日(木)~27日(日) 俳優座劇場)

 TVドラマ『瑠璃の島』の原作に当たる作品なのだそうだ。
 確かに舞台は、沖縄県は八重山諸島の鳩間島だ。
 石垣島と西表島の間にある、北緯24度28分、東経123度49分に位置する、面積、僅か1.08km²の小さな島=鳩間の小学校が廃校になる。それに対する住民達の奮闘劇。
 と、アウトラインはこのくらいにして・・・。
ただ昨日が初日でまだまだ公演は続くので、ネタバレを避けて、お得意の(?)サッカー観戦記風で

                     
【文中敬称略】

 まず、マン・オブ・ザ・マッチ(*1)は田村錦人

 ゴールを決めたわけでも、鮮やかなアシストを決めたわけでもなく、ましてやボールにも触れていない(?)のだが、空いたスペースでの職人芸は圧倒的な存在感。
 弊団公演『楽園終着駅』(No.114/00年)にも客演いただいた大ベテランの貫禄の演技を是非劇場で生で観ていただきたい!! 

*1=その試合で最も印象的なプレーをした選手に贈られる賞。

 さて、試合そのものは、実は前半、少々凡戦のテイで…。
 なるほど、多くの人物紹介をしなければいけないのだが、割とオーソドックスなキャラクターなので、もっと速いパス回しでアグレッシヴにゴールを狙って欲しかった。中盤で、激しいぶつかり合いがあるでもなく、ただパスを回しているだけ、というゲームはやはり退屈。

 ところが後半のホイッスルとともに、1幕が嘘のような猛烈なゴールラッシュで、スタジアムのボルテージは一気に上げがる。前半はこのための様子見だったのサと言わんばかりの超攻撃的な展開で、観客の“涙のゴールネット”を次々に揺さぶった。

 『月の~』が描く「小学校には島の未来がかかっている」に呼応するかのように「劇団の未来は次世代の俳優の手にある」と言うかのようなフォーメーションにも触れておきたい。
 前線に若手を思い切って起用し、後ろを手厚くベテランが固めるという構成がピタっとはまった。

 FWは、真ん中に今やチームの顔に成長した米山実、ウイングに沖永正志、中村公平、セカンドトップ(*2)に白幡大介を据えると、この布陣が見事に火を噴いた! 白幡が裏から飛び出してゴールを量産。

*2=センターフォワードよりやや下がり目の位置で、1.5列目などとも呼ばれるポジション。後方から飛び出してゴールを決める。シャドーストライカーとも。

 サイドから機をみてオーバーラップし、夫役の米山にパスを供給した五十嵐雅子の丁寧なクロス(*3)もゲームにメリハリをつけていた。

*3=サイドからゴール前に出すパス。

 また、先輩達(青木和宣、津田二朗、佐藤哲也)と互して、中盤でゲームを作る一翼を担った春稀貴裕の瑞々しいプレーも光った。

 ベテラン陣の良さは語るまでもない。
 今回はリベロを務めた佐々木愛は、センターバックで守備を統率しつつ、積極的に攻撃にも参加し、看板女優の貫禄をみせたし、ダブルボランチに入った「W勉」=伊藤勉、阿部勉も、それぞれの個性を生かしたいぶし銀の演技で観客を魅了した。

 中でもGK有賀ひろみの、柔軟なキーパーワークはマン・オブ・ザ・マッチの田村に勝るとも劣らない圧巻のプレーぶり。うちなー言葉を巧みに操るカマド婆ちゃんに癒されに、いざ、俳優座劇場へ・・・。

 リーフレットに演出家は、『氏は(筆者注:原作者森口氏を指す)決して一方の視点から物を見ようとしないし、意図のある政治的言説のどこにも組せんとしていない。ジャーナリストが中立なのは当たり前、だが、そのことのどれだけ困難なことか。(中略)これはまた、演劇人としての我々もそうあらねばならない姿である』と書いている。

 このことは概ね舞台でも果たされている。ただゴールラッシュの続いたあとの後半30分過ぎの時間帯、少々熱くなりすぎて饒舌に過ぎた時間帯があったのは残念といえば残念。まあ、自ら言うように《困難なこと》ではある。。。

 ニュースによれば、春季高校野球の地区大会で66-0という試合があったそうだが、この『月の真っ昼間』が文化座の輝かしい勝利であった事実は揺るがない。
 もっとも、劇中「鳩間に勝ち負けはない」という台詞があるから、こんな締め方はどうかとも思うが、あくまで今年の演劇シーンに残る良い舞台であった、という意味での例えである。
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TOKYOに棲む。

2008年04月16日 | 身辺雑記
 総務省の発表では、07年10月1日現在の「推計人口」は、総人口1億2777万1000人で、うち東京には10人に1人が住んでいるのだとか…。
 総人口が前年比ほぼ横ばいの中、東京都が約10万人も増加したので28年ぶりに10%を占めることになったと言う。
そんなに東京がいいのか?
 と言ってる自分自身、生まれも育ちも「川崎」で一生離れない気概を持って生きて来たが、結婚を機にかみさんに押し切られ、数年前から杉並区民に“転向”してるから他人のことはトヤカク言えない…
                                   

 で、そんな都会志向を、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)のいわゆる東京圏に27.3%、3大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)では50.6%と、数字で見せられると、薄々は感じていたバランスの悪さが、頭の中で見事な円グラフになって、リアルに感じられますナ。

 北は青森から南は宮崎まで、東演の劇団員の出身は様々だが、今は当然、東京圏に全員住んでいる・・・。

 さて、そんな東演は今年、都道府県別人口15位の宮城県の芝居を3月に上演した。夏には恒例の『朗読劇/月光の夏』。劇中には42位の佐賀、24位の鹿児島と9位福岡という九州3県が登場します。
 さらに秋紀伊國屋ホールのでの新作書き下ろしは、これまた九州の宮崎を舞台にした『空ゆく風のこいのぼり』!
 作者の藤井貴里彦さんは現在も宮崎在住。
 今日、遠い南の地から、その第一稿が劇団に届いた。
ちなみに知事の奮闘(?)が続くこの県は36位。

しかし、1275万8千人もいて、さらにマンションや一軒家がじゃかじゃか建っているし、空き室の貼り紙もよく見るから、つーことはまだまだ東京には人が住めるってことだもんナ。。。

 そういう流れの中で、東演は上記のような作品を届けることを決めました。
 いや、決して強い意思とまでは行かないのですが・・・。
                        
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ジケンハゲンバデオキテイル

2008年04月15日 | 身辺雑記
 小さい頃、なりたかったモノは沢山あったが、その中のひとつに「名探偵」があった。「探偵」ではなく「名探偵」なのが肝要である・・・。

 探偵小説や推理小説の影響にほかならないが、今日はそのあたりははしょって、早速、昔「名探偵」を夢見た少年のナレノハテの、見事な推理力の話をします。

 僕のベーカー街221Tの事務所※に、とある劇団のプロデューサーがやって来たのは4月半ばだった。
      (※蛇足。ベーカー街221Bは
        シャーロック・ホームズの事務所所在地)

 劇団を贔屓にしている、ある地方の有力者から「妹の孫がお宅の女優さんとお付き合いしているんですって。知ってた? こないだ家族揃って3月に見に行ったようよ。先週はこっちに遊びに来たから会ったけど、あなたの名前出したら『お世話になってます』ってニッコリした顔が、可愛かったワ。名前は、あれ?なんて言ったかしら…」と言われたそうだ。
 恋愛は自由だし、その女優を良い役につけて御機嫌を伺うような蛮行に及ぶこともしないが、かと言って、無神経に扱って変な辞め方をされるのは劇団の大きな損失になる、と。その小心者のPは言った。
 さらには「誰だと思う?」と。

 確かに僕も3月の舞台は観ている。それにその劇団の俳優達とも割と親しい。

「まず既婚者を外すと半分消えるよネ」と僕。
「親戚のご子息は30歳くらいだって…」
「え! じゃあ、もないなあ…」
「ひとまわり以上離れた姉さん女房になっちゃうもんネ」
「じゃあ、ってこと?」
「と思ってズバリ聞いてみたら、はあ?何のこと??って」
「…該当者がいなくなっちゃうなあ…。やはり年の差カップルか…」

その時、名探偵はひらめいた

「犯人は、養成所の娘ダ!
 そして、この春、劇団に入って来た者だ
「あ

 そうなのだ。3月にくだんの家族が観劇したのは、劇場で上演された劇団本公演ではなく、その翌週に劇団のアトリエで行われた養成所の卒業公演。彼女はその時点では「女優の卵」だったが4月には入団したので、そのプロデューサー氏の名前にも反応できたという訳だ。
 さほど興味のない人にとっては、劇団も養成所も同じ「○×座」だ。
 
 こうしてP氏は有望新人に期待しつつ、劇団運営に励むこととなる・・・と思われたが。
 つい先程電話が鳴って「例の彼女、おめでただってさ。入って早々退団届出して、彼の実家に行っちゃったヨ」と。

 難事件(?)は確かに解決されたが、事件は現場で起きているので、どんどん想像を超える展開を見せるので面白い。

 今日のお話しは、一部フィクションを含みますが、元ネタはあります
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