麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

軍隊解散者日報5月31日

2018年05月31日 | 制作公演関連
劇団櫂人第四回公演『女の平和』
昨日、無事初日の幕を開けました。



生憎の雨。
思えば、季節は梅雨の手前。





あじさいがあちこちに鮮やか。
会場の上野ストアハウスは、
「北上野」にある。
アメ横や松坂屋のあるエリアとも
動物園や美術館のある辺りとも、
一線を画した住宅の多いところだ。

その軒先に花を並べた家々が多く、
何枚か写メに収めたのだが……。
写真を撮る僕に話しかけてきたのは、
築60年の、立派な和洋折衷の
「昭和」と「下町」が同居した家の
おかあさんだった。

「同じ株を分けたんだけど、
これだけ大きく咲いたのよ」
「不動産屋さんがよく来て
マンションにって勧めるけど
お父さんの家だから……」

詳しく聞いてはいないが、
文脈から「愛した亡き夫」を
指す「お父さん」だったのでは
と、立ち話する二人に向かって、
年老いた脚の悪い不細工な、
二軒隣の飼犬がノロノロ来るのを
見下ろしながら思った。

約2400年前のギリシャ。
戦争のさなか立ち上がった女達も
小市民として生きた一人ひとり。



あじさいの色も、また形も
様々なように個性的な女達と
男どもが登場する・・・
警鐘に富んだ作品ゆえ、あえて
戦争に明け暮れる男を
「ども」と書いたけれど、
彼らも一所懸命ではあったはず。



そんな遠いとおい昔に生まれた
物語に挑むシニア劇団の役者達が、
これまた一所懸命で、幕開き後も
稽古を緩めるどころか増す勢い。

さあ、明日は仲日。
そして二回公演です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

露蹴世界杯

2018年05月30日 | スポーツ
ガーナ戦を、芝居の初日
(劇団櫂人『女の平和』
於・上野ストアハウス)の為
見られなかった。
結果はニュースで知った。

その程度での戯れ言になる。

W杯直前に監督がかわったことを
多くの方同様「私も」ありだと。
それが西野氏だったことは、
残念だが「あり」ではなく
流行語に乗っかれば……
「ありよりのあり」になる。
(ん?流行はしてないか…)

そんな新監督はどんなメンバーで、
ロシア大会を戦うのだろうか。

そもそも、中島翔哉外しは「ない」。
結果論だが。
ある意味でサプライズだった
ベテラン青山敏弘が怪我で離脱
・・・って、監督が今、
「持っていない時期」って
証明しちゃったんじゃね?と
繰り返すが、結果論と知って言う。

人だから、相性もあるし、
それ以上にこれまでの関係性が
大きいのはよーく解る。
だから「秘蔵っ子・宇佐美」を
起用したいんでしょう……。
けど。
世の中には望む望まないに関係なく
過大に評価される人と、
逆に過小評価な人がいて、
デュッセルドルフの33番を、
僕は前者だと確信している。

GK東口も「ガンバ枠」?
日本代表には馴染がないが
実は32歳というキャリア。
怪我も多かった苦労人は、
ガンバJrユースで本田と同期。
ともにユース昇格を逃がし、
「高校サッカー」を経て、
リベンジした二人とも言える。

キーパーとDFは無難な顔ぶれ。
陣容はお馴染みながらシステムは
スリーバックで、しかも
長谷部が真ん中で、吉田と槇野。

それしかいないんから、仕方ない。

ただ、そう易々と機能はしないよ、
と誰もが思っていたように、
「デビュー戦」は2失点。
ランキング上位とはいえ、
W杯を逃したチーム相手にだ。
で、本戦ではもっと強い敵。

そこに「勝つ」為の荒療治と
皆、前を向くと口を揃えたけれど……
嗚呼。

誰が言ったか「BIG3」を全員、
最終の候補に残したのは、
日本的な「功労」の意味で、まる。

ただ残念ながら10番香川を、
ロシアのピッチに見るのは厳しいと、
シンジのファンでも覚悟はあるはず。
で。
個人的にはもう一人の慎司は
帯同して欲しいと熱望する。
奴は、なんかしてくれる!!
ジャガーに、信頼させてくれる
「もの」が今あったなら、
岡崎にはゆっくりじっくりと
体のケアをして欲しいけれど……
貧弱なアタッカー陣を見れば、
そんな余裕の「よ」の字もない。

次期エースの筆頭・武藤嘉紀に
ゴンから岡崎に繋がれた
「背中」を見て学んで欲しい。

「泥臭い系譜」は本当なら
浅野琢磨が担うところなんだけど。

負の系譜でいえば。
柳沢的なムードを、原口元気には
感じてしまうのだな~。

さて。
三竿健斗や井手口陽介ら、今後の
サムライブルーを背負うプレイヤーを
西野監督は残してくれるのか?

悲しいけれど、興味はもう、
そこくらいしかない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

軍隊解散者日報5月28日

2018年05月28日 | 制作公演関連
池袋に住んでいる。
新宿や下北沢の劇場での公演では
朝の小屋入りが山手線内回りになり
「満員電車」で無駄な体力を使う。

上野や両国等、外回りだと
基本座れるので疲弊せずに着到できる。



電車と同じようなことは集団にも。
稽古場に向かう道中で、もう
緊張を強いられるカンパニーがあれば、
リラックスできる座組もある。

これは良い悪いの話ではない。
「塊」としてのキャラクターの差違で
それぞれに魅力がある。

旗揚げからのつきあいの櫂人は、
面子が大人・・・おとなの中でも
めっぽう「大人」なシニアの劇団
・・・だから、心身ともに包み込む
包容力に溢れ、居心地が良い

また人生の積み上げに加えて、
劇団として重ねた経験から
適材適所の担当が確実にこなす
仕事は「制作面」でも顕著だ。
見事に細分化され、かつ機能し、
私の仕事がないのが悩み。

そんなテキパキした動きに
いつも元気を貰っている。

……元気といえば。
本公演の全てを上野ストアハウスで
打ってきた櫂人だけれど、
劇場近くにある居酒屋「げんき」に
顔を出せるのも楽しみの一つだ。

別のカンパニーの制作として、
或いは一観客としても訪れる
ストアハウスからの帰り道に
大将とおかみさんの旨い料理と
温かい人柄(そして少々の酒)に
癒されることは多い。

地下鉄なのに「踏切」がある
珍景の脇に佇む北上野の名店。



昨日までの五日間、
ココキタでの総仕上げには、
舞台監督、照明、音響と常連の
プロも顔を揃えて、通しを見て、
打ち合わせや、録音等々。

そして、5月28日。
『女の平和』は劇場入りです。
てか
遠足の朝みたいに早起きになった。
小屋入りまでまだ五時間もあるよ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二番の犠打モシクハ中盤の底

2018年05月27日 | 身辺雑記

齢五十を超した世代にとっての、
野球の入門書に書いてあったのは
「打順において、一番打者は俊足、
二番はバントなど小細工が得意、
三番は強打者で打率が高く……」
てな具合で綴られていた。

今や二番に長距離砲を置いたり、
繋ぎに秀でた打者を四番に充てる、
などバリエーションが豊富である。

サッカーにおいても同様で、
かなり古い教則本の中盤は三人。
レフトハーフ、センターハーフ、
ライトハーフがフラットに並んだ。
勿論流動的な競技なので変化するが、
基本陣型という点で……。

やがて四人で四角く並ぶボックス、
菱形を組むダイヤモンドの時代に。
その一番後方で後衛の前に位置する
「中盤の底」、今風に言えば
ボランチが生まれた。

時代により移り変わるスタイル。
一方、主流は変わっても頑なに
まんまを貫くものもいる。
と。ここで唐突に「演劇」の話に。

昔の芝居は長かった。
人の気も今ほどは急いてなく、
呑気だったこともあるが、
何より技術的にそーならざを得ず。

例えば、舞台美術に関して。
固定は釘を打ち、移動の際は抜く。
そのセット自体重く頑丈で、
動かす時間もかなり要した。
新たな軽く丈夫な素材で造り、
金具材での固定脱着が可能になり、
時間は一気に短縮された。

舞台芸術特有の「暗転」。
真っ暗になり、明かりがついたら
まるで違う場面になっている!
という「魔法」についても、
近年は使わないのがクール。
中には。
開演前に役者が何となく出てきて、
一例だが、縫い物を黙々と始め…、
やがて客電は落ちるけれど
そこに暗転は噛まさず本編に入り、
物語の場面は変わるが暗転はせず
とうとう終幕で初めて真っ暗。
てな演劇もなくはないのだ。

《頑なにまんまを貫くものもいる》
と数行前に書いたが、80年代の
小劇場演劇最盛期を知る作演出の
芝居をつい最近観たけれど、
惜しげもなく暗転はしたし、
恥ずかしげもなくロスコを炊き、
(あ、舞台に使う煙のことです)
その白い霧の中に役者が消える。
とゆー、
我々世代には涙ちょちょ切れ
(この「涙ちょちょ切れ」が
古くて今や死語なんだろうか?)
の演出を堪能したのは、そうそう
花園神社のお祭りの時期でした。



暗転での転換を嫌い、歌やダンスの
どさくさに紛れて場面を変えるのも
小劇場全盛期の定番のひとつだ。

そんな頃、新劇は「若いのが、
なんか楽しそうにやってますな~」
と、しんねりむっつりの台詞劇の
伝統に立脚した演劇を続けていて、
全盛期世代よりさらに下の層は
「あれも、もー古いよね」と
新たなスタイル確立に着手。

そんな世代格差も、大きな大きな
「演劇史」の中では一刹那だ。
変わらないのは「祝祭」という事。

演劇はお祭りなのだと、
『首のないカマキリ』の本番中、
かつ、
『女の平和』の小屋入り前日に
改めて思う。
あと『iaku作品集』楽日前日でも
あったりするな、、、。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リキマカイナノビク

2018年05月26日 | 制作公演関連
昨日もちょいと書いたけれど、
劇団俳優座第336回公演
『首のないカマキリ』
(作/横山拓也、演出/眞鍋卓嗣)は、
初日と三日目を僅かに売り残したが
他の14ステージはお陰さまで完売






問合せの電話等にごめんなさいの日々。

てか、これも何度も書いてしつこいが
既に僕は劇団櫂人にシフトして、
優秀な俳優座制作部の水野・前田
両氏に引き継いで任せっきり
辛い仕事には携わっていない。



ただ今日と明日の二日だけは
重要な全国規模の会議があり、
制作部の一人が不在のため受付に…。

初日から、確実に進化している本番を
覗きたいところだが、我慢、我慢。
と。
先程から何葉か挿入しているのは
初日の昼に収めたゲネの写真。







見逃した方はせめてこちらで
お楽しみくださいませ。



さて、名ばかりの「制作」が
今日と明日は姿を見せた一方で、
数日後にロシアとポーランドでの公演
(名取事務所『象』)に旅立つ演出が、
今日は不在、と何とも慌ただしい……。






ああ、この作品。
日本はもとより海外のお客様にも
拡げていきたい舞台である。




当日券はございません。
各回開演の一時間前から整理券配布。
キャンセルの出た場合のみ
ご入場いただける……かたちです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シャカイテキ提案

2018年05月25日 | 身辺雑記
現在絶賛上演中の劇団俳優座の
『首のないカマキリ』・・・
お陰さまで全ステージ完売

・・・その戯曲を上辞した
横山拓也さんが主宰のiakuも
現在公演中・・・こちらも
全日売切・・・で、それを
昨日の昼と夜、観劇。

四作品の日替り上演で観劇は
『人の気も知らないで』と
『粛々と運針』。

ともに横山作品を代表する秀作。
感想は改めて書きたいと思います。



マチソワの間に下北沢に足を伸ばし、
秋の公演のチラシをスズナリに置く。

途中の古本屋で文庫本を購入。
どちらも「演劇人」の顔を持つ
井上ひさし、前川麻子の二冊。
近い将来、横山さんの名も連なる
と思うのは僕だけではないだろう。

劇場のある「駒場東大前」から
「下北沢」の間にある「池ノ上」。
シモキタと余りに近くて、
存在価値を見いだせないけれど、
それとは別に懐かしい町でもある。

このブログにたまに登場する
「下北沢演劇祭」。
毎年二月、一ヶ月に渡り開催される
フェスティバルのなかで、
「区民」による演劇創造に
制作として十年ほど関わった。

基本は「北沢総合支所」の一室を
稽古場に使わせて貰ったのだが、
改装やら何やらで使用不可な時は
区の公民館や小学校などを
代替で使うことがあった。



これは池ノ上小学校の壁画。
向かいの社教にもお世話になった。

社会教育会館の先の階段を降りて、
少し先の似たような階段を
今度は昇ると閑静な住宅街に
ひっそりと建つ公民館も使ったなぁ……。



坂口安吾が教員だったことや
DAIGOの出身校でも有名な
代沢小が一番多く稽古した場所。

現在は建替工事中で、近くにある
花見堂小に間借りしているらしい。

「代沢復活」の暁には少子化もあり、
花見堂が廃校になるとも聞いた。

そこ、アトリエにならんかな?



劇団櫂人は北区のココキタで
最後の追い込み稽古に励んでいる。

廃校になった中学校を音楽や演劇の
練習や稽古に使える施設だ。
落語や日本舞踊専用の部屋もある。

世田谷パブリックシアターと
シアタートラムのある三軒茶屋と
演劇の街シモキタの中間点という
花見堂は最高の立地でしょ?!

そんなことを考えながら目黒区と
世田谷区を往復した木曜日だった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピンチ

2018年05月24日 | 身辺雑記
バレーボールをやっていた。

エースのスパイクが決まらない。
ならばとクイックや時間差を
織り混ぜてもうまくいかない。
ところが。
苦し紛れのトスフェイントが、
ポトリと相手守備陣の間に落ち、
ゲームの流れが変わったりする。

サッカーの解説者がよく使う
「今は我慢の時間帯ですね」。
スポーツにおいて「試合の流れ」は
寄せては返す波のように変わる。

百戦錬磨の「監督」だけに、
それを狙っているのだろうか?

ただ、最後まで一方的な試合もある。
出す投手、出す投手が打たれまくり、
打撃陣は沈黙。ピンチヒッターは
一球も振らずに三振・・・0対21と
ラグビーみたいなスコアの惨敗。

なぜ、そうなったか?
投手の順番を間違えたのが一つ、
唯一先頭打者が出た三回裏、
あすこは手堅くバントだったなあ、
など省みて次に生かしてこそ「名将」。

※※※

このタイミングで、こんな話題。
勿論「不死鳥騒動」を意識している。

既に「てんこ盛り」なところに
大変「ユニークな」広報部の方まで
登場しちゃったぞ(◎o◎)

ここでのuniqueは「珍しい」的な意味。
明らかにネガティブに使っているが、
本来は「唯一の」「他に類を見ない」
といったポジティブに使われる言葉だ。

今日のブログタイトルは「ピンチ」。
日本最大の学生数を誇る大学が、
一部活を超えて、学舎全体として
ピンチに陥っているなかで、
本来「悪い流れ」を食い止るべく
開いた会見だったはずだ。
そこに起用するピンチランナーは
韋駄天で「危機回避する代走」たるべき。

なのに……。

大学を強く愛する彼は、きっと、
「この程度」でわが校のブランドは
「落ちません!」と高らかに言った。
「愛は盲目」とも言うけれど、
今の状況がまるで見えていない。

既に「試合」は終盤八回裏。
大学は「溺愛する人」じゃなく、
「冷静な人」を送り出すべきだった。

学生数最大なのだから職員も
かなりの数がいて優秀な方も多いはず。

言うまでもなく。
平昌・モーグル銅メダルの原大智、
全日本大学王座決定戦で四連覇、
二十八回目の団体優勝を果たした
ボクシング部などなど数多くの
将来有望なアスリート達が、
「ただの野次馬」とは異なる
熱い視線を注いでいる……か、
或いは。
薄々そーゆー状況は噂で聞いていて、
「ああ、ついに白日に晒されたか」と
半ば諦めていることも、あるかも。

奇しくも。
関西での「小学校建設疑惑」の夫婦が
釈放された。あの件もテレビはじめ
メディアの「大好物」なキャラクターで
随分と甘い汁を吸われていたが、
今、完全にロックオンされた「不死鳥」。

ピンチのあとにチャンスあり、と言う。
その名の通り「蘇る」のだろうか?
最終クォーター、残りの針も少ないなか
伝家の宝刀ショットガンで奇跡の大逆転
は・・・かなり困難なのは明白だ。

でも、可能性はゼロではない。
ゼロではないけど「元監督」が入院。
「せ、せ、政治家か?!」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

軍隊解散者日報5月23日

2018年05月23日 | 制作公演関連
劇団櫂人『女の平和』は、
自前のアトリエに始まり、
立ち稽古に入ると少し広い場所へ
……ただそれはいずれも板橋区。
総仕上げは北区の廃校を再活用した
一室を借り、詰めの稽古になる。
そして本番は台東区上野の劇場。

つまり二十三区の城北から城東へ…。

ある場所で暫く過ごした遊牧民が
次の地へ移ろうように、櫂人も
本公演のたびにそれを繰り返す。

遊牧民は生活に不可欠な水、
家畜の食む植物の生育等々の
多面的な要素で「人生の旅」を
繰り広げているが、櫂人は
より良い創造の「追求の旅」を
西から東へと展開している。

日本の南から北へ、旅芸人が巡る
小屋はわりと決まっているように、
「追求の旅」も概ね四年、
「アトリエそら」から公民館を経て、
「ココキタ」「上野ストアハウス」
というルートを繰り返してきた。
(概ね、であり全てではない)

さて劇中。
主人公で「アテーナイ」の女・
リューシストラテーの呼び掛けに
呼応した「スパルタ」の女を
〈輝くような桃色の肌、
鋼のような筋肉〉と称賛する。

また「スパルタ」のリーダー・
ラムピトーが帯同するのは、
ボイオーティアやコリントスの女達。

主人公の片腕カロニーケーは
〈さすが芸術と文化の都から…〉
とコリントスの女に言う。

異なる国や都市から集まる女は、
その土地土地の気質を纏っている。
そんな古代ギリシャ喜劇に出演する
現代日本の女と男も色とりどり。

1954年結成の伝統ある劇団の
中核男優から初舞台の女優まで
キャリアやプロアマの違い、
あるいは、櫂人に至る道程も
出演者の数だけある。



豊富な人生劇場を紹介したい
気持ちもあるが・・・
気づけば板橋での稽古を終えて、
本稿の前半に書いた「ココキタ」に
今日から五日連続で籠る。



既に音楽の高屋敷さんも入って、
芝居としての精度は上がっている。
心配は、なんたってシニアなので、
連日の稽古にコンディションを崩す
役者が続出していることだ。
・・・工夫として。
稽古着に「DL」とテープを貼り、
無理をしないようにしてきた。

ダウンロードではありません
大リーグによって馴染みになった
「故障者リスト=Disabled List」
の「DL」である。

芝居を高めつつ、体調管理にも
ウエイトを置く初日一週間前だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

kasabuta

2018年05月22日 | 身辺雑記
前々回「KIZU」という題名で
同タイトルの芝居について綴った。

で、出演していた佐々木仁吉、
小川英樹が、遠い昔から
熱い男の芝居を続ける……
とも書き、自分も少々関わったが
長い昔語りになるからと、
中途で筆を止めたのだった。

それを今日はちょびっと書く。
ただ、あまりにancient過ぎて、
正確な「年号」が判らない
恐らく平成ではあったと思う。

ワイルド・ライフ・メーカーズという
劇団がかつてあったのだった。
世の小劇場ブームの波にも乗り、
東京芸術劇場小ホール1
(現在のシアターイースト)で
公演を打つところまで疾駆した。

はなたれ小僧だった自分は、
「制作」ではなく「雑用」として
その公演をはじめとして、
何本かW.L.M公演に関わった。

道具作りの手伝いをしていたら、
ノコギリ片手の自分の肩を叩いた
若さんが「音響オペやって」と。
本番三日前だったから「無理無理」
と抗ったのだが、敵うわけもなく、
結局オープンリールとCD2台使いで
芝居に音を当てたりもした。

「オープンリールとCD」が、
もう「歴史」を物語っちゃってます。
あ、若さんてのはW.L.Mの代表で、
作演出と主演を担っていた若林立夫。

さて。
小劇場演劇において、500の壁、
1000の壁、3000の壁……と、
集客におけるハードルがあり、
それを飛翔して行くと「食える」。
そう、まことしやかに言われていた。

そこはハショる。

そんな夢みる集団の多くは、
道半ばで内側から割れることがあり、
W.L.Mから袂を分かったのが、
アクトB-GUNで初代座長が佐々木。

そこに現れたのが迫田圭司。
彼も、紅×[DISH]公演『KIZU』
に出演していたが、佐々木から
「一緒にやってくれよぉ〜」と
誘われての出演だったらしい。
迫田の演劇界での通称は「しゃこ」。
名付け親も佐々木だという。

そんな佐々木、20年ぶりの板だと
とてもそうは思えないキレのある芝居。
オープニングから、いきなり彼の
男気溢れるアクションが炸裂し、
往年のアクトB-GUNを彷彿とさせた。

ああ・・・
殺陣とかダンスとか満載の芝居から
随分と遠ざかっておりますよ。
いや、その手が大好きって
わけじゃないんですけどね……。
ある強い郷愁には襲われました。
そんなわけでブログタイトルが
・・・「瘡蓋~kasabuta」。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

軍隊解散者日報5月21日

2018年05月21日 | 制作公演関連
きのう、肝に銘じる三つの禁忌を挙げ、
さらには「フリーゆえ、その手の舞台を
仕事として受けることもある」と、
早々に逃げを打った……というか、
実状も吐露したわけだが(^_^;)

今本番が一番近い制作担当作品の
劇団櫂人『女の平和』(※)が
まさに「エロ」を扱っていたりする。



ただ、生チューもほんとの裸もなく
「演劇的」にしっかり処理されている。
演出家に、私的な「三つの禁忌」を
伝えたことはないのだが、
恐らく彼も似たようなイメージで
芝居を創っているのだろう……。
長年組めている理由の一つが
このあたりにあるのかもしれない。

そんな演出家が『女の平和』で
心を砕いているのがコロスだ。

ブリタニカ国際大百科辞典では、
コロスをまず「合唱舞踊団」と称す。
さらに「ギリシア劇において、
筋の直接の展開から離れ解説や批判を
展開する俳優の一群」と綴り、
「初期には劇の主要部分を占めていたが
後期には重要度を減じ名目的なものに」
と、役割の盛衰にも触れている。
また具体的な人数についても、
「テスピス時代の 50人から、
紀元前5世紀末には 15人となり、
ローマの劇作家時代に姿を消した」
と書かれている。

確かに、役割の変化した「コロス」。
現在の演劇界では、その他大勢を
差すと思っている者は多いだろう。
(その意味で使う場合も実際ある)

しかし、篠本演出におけるそれは、
古き善き時代の「筋から離れた場所で
解説や批判を展開する俳優の一群」に
近く、そこから更に発展して
《筋を展開しつつ、解説も担い、さらに
観客の批評や批判を誘う俳優の一群》
にまで昇華した役割として
コロスを重要視している。

文字にするとシャチホコばるので、
観るのが一番早いわけだが……。
繰り返しになるが、初日と仲日の
ソワレ以外は完売しており、
その30日夜と1日夜も、それぞれ
残数はなんとかフタケタ程度だ。

「新聞を見て興味をもった」とか
「めったに掛からない古典劇だから」
等々のチケット購入の電話を、
ここ数日は断ってばかりである。

この場を借りてごめんなさい。
   

※本番が一番近いのは『女の平和』。
それは間違いない。
何故なら『首のないカマキリ』は
好評公演中なのだから。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする