麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ばってんと偶然と

2005年10月06日 | 身辺雑記
新刊を買わなくなって久しい…。
芝居を観に行って少し時間があると
古本屋に吸い込まれ…
(劇場への道すがら古本屋がある小屋が多い、
というより、大概の街に古本屋さんがあって、
小屋はそこより少し遠目にあるってことか?)

別に誰に見られてるわけでもないのに
1冊だけってのが恥ずかしく、
ついつい3~5冊買ってしまう。そんなのが貯まっていく。
                               
昨日、北村薫氏の『ターン』を読み終わり、
読了スペースに仕舞い、
未読の山から小松左京氏の『骨』を手にした。
前者は長編、後者は短編集。
平成9年刊行と昭和44~50年の作品を収録したもの、
書かれた時代も異なるが、
『ターン』は主人公が交通事故をきっかけに
別の時空に飛んでひとりになる話、
『骨』の頭に置かれた『霧が晴れた時』は
忽然と人が消えていき、残された父と子が
この世にふたりきりかと焦燥を抱く話…。

偶然だが似た題材が続いた。
長いマクラになりました。・・・で、偶然の話。

何年か前に通夜を舞台にした『非常怪談』という作品を
東演とは違うユニット(*)で上演した際、
出演予定の女優が、肉親が病に倒れ芝居どころでなくなり降板、
代役が決まりかけた女優は、
自身が手術を受ける状況に至り、泣く泣く降りた。
…その他、男優や音響も想定外の事情で、
座組のスタート時と変更になるなど、かなりバタバタした。
「通夜」を舞台にした上に、座敷わらしや河童も
  出てくる芝居だったので妖怪が悪戯したのか・・・などと
  終わったあとは笑えたし、今はただの偶然と解ってはいる。

さて。『臨時病室』
タイトルからわかるように思いっきり病院が舞台だ。
たった3人の出演者の一人が、稽古初日直前に骨折
代役か?・・・と衝撃が走ったが、本番には間に合うということで
現在、ギブスをして、病院から毎日稽古場に通っている。

九州の方言「ばってん」は、英語の「but than」が
発音も意味も同じだという面白い説がある。
ならば、「偶然」は、「good then」と
似た発音と意味と捉えられなくもない!
ちょっと前向きでいいでしょ

つまり本物の病院で、濃い役作りが出来る、的な捉え方。
そのギブスも今日取れた。
さあ、エンジン全開だあ!!

・・・決まった
ん? but thanとgood thenを並べてるけど、
butとbadを混同しちゃいませんか?


長いマクラがあっただけに、おあとがよろしいようで

 
   *ユニットは「SARDNk⇔s」
    (読み方はサードニクス)といい、
    下北沢演劇祭の中で毎年召集される
    「世田谷区民上演グループ」の常連と、
    時限講座だった「地域を創る川崎演劇座」の
    修了生のそれぞれ有志が集まった集団。
    2002.1.19~20/東京芸術劇場『非常怪談』
    (作=はせひろいち、演出=磯村純)
コメント
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