麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

同窓会のような

2012年11月30日 | 制作公演関連

遊戯空間『仮名手本忠臣蔵』
昨夜の稽古風景。

【文中敬称略】

前回公演『隅田川の線香花火』
から大量八人が参加する本演目。
総出演者は十二人だから
その割合の高さが際立つ。

前回は演出に専念した主宰の
篠本賢一が今回は演者も兼ね、
写真左手前の渡辺聡も
『隅田川』こそ欠席(?)したが
昨年の『詩×劇/つぶやきと叫び』
と『真景累ヶ淵』、その前年の
『怪談牡丹燈籠』など常連の一人。
さながら同窓会のような雰囲気だ。

(ちなみに、その渡辺の後方、
演出をつけて移動中のため
ぶれて写っているのが篠本)

遊戯空間初陣は秋葉舞滝子と
花村さやかの二人。けれども
本作は日本演出者協会が
毎夏、中津川で開催する企画で
そもそも上演された演目で、
秋葉はその時、篠本版『仮名手本』
に出演済みである。

てなわけで、深く固い結束の中、
だからこその厳しい稽古が続く。

会場も前回に続いて浅草・木馬亭。
小屋の雰囲気を最大の「美術」に
見た目はシンプルなこしらえで、
あとは役者の「語り」で想像力を
刺激する、全段通しのリーディング。

刺激といえば・・・。

これまで稽古場は板橋区内の
主に二つを使っていたのだが。
そのどちらも板橋駅から徒歩圏内で、
つまりは駅周辺の板橋らしい
安くて美味しい店何軒かで、
反省会(?)を行っていたが。
今回からは中板橋駅近くの一箇所に
腰を据えての稽古が実現している。
芝居にとってこれは大きな力だ。

で、それは勿論「刺激」なのだが、
稽古場近くの中華屋がまた
かなり刺激的なのだ。
……長くなるので詳細は日を改めて。
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多羅尾伴内のように

2012年11月27日 | 制作公演関連
かみさんが「ないない」と数日前から
騒いでいた眼鏡を捜し当てた。

小学校から愛読し、敬愛していた
アガサ・クリスティーから
安笠栗介(あがさくりすけ)という
ペンネームを捻りだして
高校の時から勝手に使っていた。
(大学迄。なお他にも筆名多数
そんな青春時代から、あと一寸で
三十年経っちゃうけど、
推理力に衰えなしだ。

本当を言うと。
ただテーブルの下を覗いたに過ぎない。
テーブルといっても、抽出があって、
その下の隙間は僅か。
「血眼で家中さがした」と言ってたから
妻も当然そこを見たに違いない。
隙間は暗い上に眼鏡の色味も濃く、
加えて《見つからない》という
心理的作用が、有る筈のものを
見えなくしたわけだ。

僕は実のところ財布を探していた。
ので眼鏡は認めることができ、
逆に財布は見つけられなかった。
が。
愛妻の失せ物を見つけたご褒美に
財布も翌日出てきた。

以上前段。

アガサの生んだポワロや
ミス・マープル以外にも
名探偵は沢山いる。
日本にだって。
その一人、多羅尾伴内の
名台詞といえば
「ある時は片目の運転手、
ある時はインドの魔術師、
しかしてその実体は……」
ってやつだ。

昨日はプロジェクトMの
制作として座・高円寺で打合せ、
今日は紀伊国屋サザンシアターで
遊戯空間の折込、そして今夜は
ぬ企画の精算・・・しかして実体は
THEATRE-THEATERの高橋俊也。

自らの企画製作も着々準備中だが
しばらくは多羅尾伴内風で行こう。

人脈拡大や経験値の上昇など
制作としての足腰を鍛えるべく。

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おめでとう広島

2012年11月26日 | 身辺雑記
サンフレッチェ広島が優勝

おめでとうございます。

J2降格も経験したチームの
悲願の、J1リーグ初制覇
マリノスサポーターながら
心から祝福したいです。

優勝に導いた監督は森保一。
入団はJFL時代のマツダ(87年)。
J開幕を広島で迎え、
チームの中心で活躍しながら
日本代表の「ボランチ」として
ドーハのピッチにも立っていた
「ポイチ」。
優勝を決めた試合後の雄叫びは
超かっこよかった!!!

今年はプロ野球でも
カープが健闘したし、
そんな流れに乗って、
国内組のみで闘うらしい
WBC「侍JAPAN」の
山本監督にも頑張って欲しい。

最近は、広島と縁のない
「カープファン」が
増えていると聞く。
選手を育てるチーム姿勢は
応援したくなる。
サンフレッチェも
「育成型チーム」を公言。

森保から背番号7を継承した
森崎浩司、森崎和幸(8)の
双子の兄弟はその象徴だ。

さて広島といえば・・・
今月終幕した、ぬ企画
『赤い羽毛(はね)』の演出
難波善明氏が広島出身。
率いる劇団も「じゃけん」。
それから来年京都公演が
準備されている『BENT』
の企画・製作・主演の
蓮池龍三氏も広島出身だ。
どちらも制作で参加。

縁を感じるけれど、ふと思えば
広島に行ったことがない。

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三人姉妹と中板橋

2012年11月23日 | 制作公演関連
初めて芝居の制作をしたのは
劇団観音芝居の『三人姉妹』と
昨日のブログで告白したけど。

それは主宰の藤生佳恵が、
かのチェーホフの作品を
下敷きに、登場人物たった四人、
舞台は現代の日本で、
劇中に『三人姉妹』の名台詞が
時折引用されるという、
まるで別物の「お耽美」な
拙い戯曲でありました。

それから幾星霜

世田谷区民上演グループで、
ちゃんとした『三人姉妹』を
やって※(2010年2月下北沢にて)
それを最後に、長らく関わった
下北沢演劇祭を離れたのだが。

昨年はグルッポ・テアトロの
『三人姉妹』に制作で招かれた。

会場はイプセン・スタジオ。
東武東上線・中板橋駅最寄り。

んで現在制作で関わっている
遊戯空間『仮名手本忠臣蔵』の
稽古が同じく中板橋駅の、
反対側にあるスタジオそらで
日々繰り広げられている。

三人姉妹繋がりから
中板橋繋がりへ……話が
すり替わっているけれど。

『仮名手本忠臣蔵』も
スピーディーな場面転換が
見所の一つになってます。

全十一段通しという、
大変珍しい企てです。
何しろ長編ですから
通常、何段か省かれる作品。
それを一気に見せるので!

本番は12月12日、13日。
討入の前日と前々日という
趣向でございます。
詳しくはおいおい。


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餃子定食と、原点。

2012年11月22日 | 東演
月曜の朝まで通った中野
(11月12日午後~19日早朝)
に昨日は折込に行ってきた。

ぬ企画は御役御免で、
遊戯空間の制作として。

中野HOPEでの折込後に
少し遅いお昼ご飯
「ふくみみ餃子館」にて。


中野の逸品グランプリ2012
の銀賞受賞は伊達じゃなく、
大ぶりの餃子五個に
ご飯(おかわりOK)と
味噌汁がついて380円。

量だけじゃなく味もgood

カウンターのみの
ちっちゃいお店ですが
そのカウンターには
醤油、ラー油、お酢に
プラス四種類のたれがあり、
漬物の入った壷も。

夕刻、新宿で打ち合わせ。
だったが満腹の腹ごなしに
東中野まで一駅歩いた。

『赤い羽毛』の稽古で
何度も降り立ちながら、
夜稽古で閉まっていた
全品500円(税別)の古着屋が
気になっていたのだ。

古着は覚えていながら
すっかり忘れていたのが
古い記憶
・・・僕が一番最初に
制作で付いた公演が
東中野だったってこと。

劇団観音芝居『三人姉妹』
「アート・グラウンド・
エウロス」って劇場。



今はもう無くなって。
お世辞にも綺麗ではなかった
地下の劇場は、
小洒落たアロマな店に。

夕刻の買物客の流れる
細い路地の商店街で
ほんの束の間感傷に浸る、
の巻でした・・・。

つか、何年前だ?
二十年以上前だな。

《初心忘れるべからず》を
忘れてはいけませんな。


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ぬ企画その10の、その九「世代」

2012年11月21日 | 制作公演関連
主宰も演出も制作も、
ぬ企画その10『赤い羽毛』は
40代の座組であった。

企画段階では、主宰であり
プロデューサーの高橋信吾
(しはかたしなの)は
「若い俳優陣を中心にして
脇をベテランで固めたい」
と青写真を描いていた。
結果は、確かに幅広い役者が
集まりはしたものの、
主要な役どころがどっしりした。

それが冒頭の年齢構成の故か、
演劇の神様の仕業かは知らない。
けれども結果オーライだったと
僕は思っている。

そんな座組の中で、
僕と演出の難波氏、
女優の大前嬢に小木嬢が
同学年で最大派閥だった。

「丙午(ひのえうま)」世代。
昭和41年4月から42年3月に
生まれた学年で、その特徴は
とにかく人数が少ないこと。

前年比25%マイナスで
人口を表すグラフでも
極端に落ちこんでいる。
スコ~ンと

十干と十二支を組み合わせた
六十通りの中の、単なる
六十分の一の干支なのに
丙午に生まれた女性は
「男を食らう」という迷信が
影響しての現象なのを
果たして今の若い衆は
知っているのか知らないのか。



『赤い羽毛』のヒロインは
千鳥という名で、演じたのは
たまたまだが酉年の柳瀬嬢。
千鳥は赤いはねを集めていて、
劇中、焼き鳥を齧るシーンも
あったりするのだが・・・。

もう一人。制作の僕の
サポート、というより仕事の
殆どをこなしてくれた
制作助手の鳴嶋嬢もまた
1981年生まれの酉年だ。

この年、杉田かおるが
『鳥の詩』をヒットさせ、
第85回直木賞を受賞したのは
青島幸男『人間万事塞翁が丙午』。

とりと丙午の不思議な関係が
伺われる・・・と書くのは
やや強引だろうか。



さて。最大派閥などと書いたが
顔合わせから千秋楽まで
その件で盛り上がったことは
実は一度もない。

初日乾杯を劇場で軽くやった後
ホッピー好きの演出が
同じくホッピー党の僕を誘い
「一杯だけ行きましょう」
と、あくとれから駅へ向かう
坂道を下りながら、
そういえばってな調子で一度
語ったに過ぎないのだ。

そんな「ぬ企画その10」が
幕を降ろして三日経った。
まだまだ書きたいことが
沢山あるけれども、
きりがないからこれで
おしまいにします。
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ぬ企画その10の、その八「変体」

2012年11月20日 | 制作公演関連
ぬ企画その10『赤い羽毛』。

このカンパニーをよく知る、
旗揚げメンバーの真理子が
「今回は珍しく(?)
ちゃんと仕上がってたね。
ある程度、カタにハマってた。
私としては何かふわ~っとした
何とも言えない空間が好きだった。
変な言い方だけど、
まとまってない感じが好きだった」
とフェイスブックに書いていた。

愛を込めて

なるほどである。
「ぬ企画」には僕も
長らく付き合っているが
このカンパニーを
コラージュ芝居と評してきた。

既成戯曲を使う場合も、
信吾の勝手な構成が施され、
「切り貼りした絵のような」
舞台になるのが特徴だったから。

それが今回《ちゃんと仕上げた》
作品になっていたと
真理子の目に映ったのは、
しっかり演出家を立てた故の
結果だと思う。

これが今回だけなのか、
これからの方向性なのかは
恐らく主宰自らも判らない、
…だろうと勝手に思う。

それから。当初主宰は
「若い座組で行きたい」と
標榜していたのだが結果的に
ベテランが多くなったことも
《ちゃんと》なった要因だろう。

主宰も、演出も、制作も。
キャスティングに関わった三人が
四十代、すっからね。
そんな世代の話は、次回書く。
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ぬ企画その10の、その七「乾杯」

2012年11月19日 | 制作公演関連

ぬ企画その10
『赤い羽毛(はね)』
終幕しました。

失業中の男の前に現れた
赤いワンピースの女。
彼女と、彼女の語った物語を
追う男は「赤いはね」を
集める女と再会する。

彼女は何故「赤いはね」を
集めているのか?


男を演じた
しはかたしなの。

個性豊かな座組は
夜を徹して別れを惜しみ
朝、始発の別れ・・・

さて。
僕は今日から、
遊戯空間『仮名手本忠臣蔵』の
本番に向け走り出す!
12月12日と13日、
浅草・木馬亭。
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ぬ企画その10の、その六「楽日」

2012年11月18日 | 制作公演関連
ぬ企画その10『赤い羽毛』
千秋楽の朝です。
昨日も御蔭様で大入り。

温かい声や厳しい声に
励まされながら残すは
あと一回。

演出の難波善明(写真右奥)は
幕が開いてからも、日々
粘り強く芝居を良くしている。


初日は場当たりからゲネ、
そして本番(木曜日)。
金曜土曜と2ステージ。
役者の疲労もピークです。


昨日の昼と夜の間の
役者の姿。休養も大事な仕事。

「20年で10本のローペース」
「次回公演も決まってません」
と、終演後の挨拶で語る
主宰・しはかたしなの
(高橋信吾)。

特に9から10までは六年。
過去の「ぬ企画」に関わった
キャストやスタッフも
客席には散見され、
「や~、お久しぶり~」と
同窓会的な空気もあったり…

そんな中、昨日は遠路、
栃木から旗揚げメンバー
吉津聖夜(高橋真理子)も
駆けつけた。

「やりたい作品が3本ある」
これは非公式の場ながら
主宰が語った言葉。
さて、何時のことになるやら。

それよりも、まず。
本日の舞台を全力で
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ぬ企画その10の、その五「外部」

2012年11月17日 | 制作公演関連


ぬ企画その10
『赤い羽毛』は折り返し。
16日金曜日の昼夜を終え、
全6回のうち3ステージ了。
残すは土日の3ステージ。

幕を開けてから切符が動いて
昨日からは桟敷席も作って
対応するほど、結局3回とも
満席でのターンとなった。

今日と明日の昼も残席僅か。
ご予約はお早めに

さて。
これまで高橋信吾による
高橋信吾のユニット(?)
であった「ぬ企画」は
演出に美術に舞台監督も
一人でこなすスタイルだった。

(細かく言うと招聘した事が
なかった訳ではないのだが
話が長くなるので省く)

が、記念すべき(?)
十回目にして初めて外部から
演出も美術も舞監も招いての
公演となった。

別のブレインが機能することで
芸術的にも大きく飛躍したと
内側から見て強く実感している。
でありながら、信吾らしさも
十二分に薫る舞台になっている。

6年ぶりのぬ企画。
2年の準備期間を持って
じっくりゆっくり創った
『赤い羽毛』。
えっと。冒頭の写真は
場当たり稽古のものです。
セピアにして「本番チック」
にしてみました

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