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麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

二ツ目、五ツ目、九ツ目(一番太鼓)

2025年05月12日 | 鑑賞

「おじいちゃんは若い頃

何をしてたの?」

「タピオカ屋さ」

「たぷおか?」

「タ・ピ・オ・カ。

台湾から来たスイーツさ!」

「へぇ」孫はすかさず、

腕に向かって「タピオカ」

 

1.キャッサバの根から作った粉。

2.タピオカミルクティーの略称。

3.日本ではバブル崩壊の頃、

リーマンショックの頃など

何度かブームが押し寄せた。

4.江戸時代、蘭学者の高野長英が

医薬書に翻訳。「答必膃加」と当て字。

5.中国語で「ムーシゥ」。ピンインは⋯

 

「OK! ありがとう」と遮る孫。

「そっ、今の2番3番あたりな。

昨日食った【マンダジ】も流行ってるが

あんなもんじゃねーのよ、

タピオカ、おもちゃ屋、タピオカ、

コンビニ、タピオカ、タピオカ、床屋、

そのくらいの勢いの時もあったぜ」

 

 

まくらが長〜くなったけれども。

旧知の落語家で立派な真打ち⋯⋯

どころか、林家彦六賞にはじまり、

文化庁芸術祭大衆芸能部門新人賞、

さらには同賞の大賞など

数々の賞に輝く、今や大師匠だ。

 

そんな彼がまだ二ツ目の頃によく

「昔は湯屋より寄席が多くて

最大の娯楽だった」と語っていた。

 

タピオカの盛衰同様、

落語も最大娯楽の座布団にすわる日が

やってくるだろう。

 

わたくしごとになるが、先月29日に

池袋演芸場で二ツ目の会を聴いて、

先週の日曜日には東京都下で一席、

で昨日も噺を聞いたから、

三週連続で落語っつう、マイブーム到来

 

 

まずは、役者たちによる落語会の話から。

 

歌舞伎も掛かるし、

駅では浅草寺とともに出口が示される

「浅草」のランドマーク浅草公会堂にて。

⋯⋯ホールじゃなく4階の集会室だったけれど。

でも、空いている席以外は満席

(は、寄席でよく聞くフレーズだが)、

実際多くの客が詰めかけた。

 

また、チラシからは想像できない腕前!

個性豊かな落語五席と、色物という香盤。

 

15日には神輿神霊入れで、

金曜から3日間、大行列となる三社祭を

間近に控えた母の日は、好天にも恵まれ、

えらい賑わいをみせていたけれど、

それに負けない会だった。

 

ふつうの寄席なら、追い出し太鼓で

終わるわけだが、そこは役者の会だけに

カーテンコールよろしく出演者が

全員揃ってご挨拶。

 

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ポップコーンはついているのか?

2025年04月18日 | 鑑賞

映画『教皇選挙』の鑑賞時だから

話自体は4月1日になるのだが⋯⋯。

多くの若者が大きなバケツに入った

ポップコーンを手に次々入って来た。

シネコンのロビーで売っているから

勿論買うのは勝手である。

 

別の映画を観た時のこと、

コンビニ袋のガサガサなら判るが

ちょっとした音に対して

「静かにして下さい」と抗議する声に

振り返ったことがある。

私にではなく一つ後ろの席の小音に

もひとつ後方からの叱責!

むしろその声に驚いた

ウィスパーではあったが、強い声

 

過敏に過ぎる空気がまかり通りのは

ちょっと困っちゃうよな〜

つまり私は、爆裂玉蜀黍を片手に

巨大スクリーンで鑑賞することを

推奨する派である。

 

推奨派ではあるのだが、

アクション映画や楽しい映画に

それは相応しくて、作品によっては

「いつ食べるの?」と思わなくもない。

『教皇〜』はそちら。

 

余計なお世話だし、

観るまでわからないじゃ〜んと

言われればそれまでだ。

ただ、苛烈な情報社会で

タイパが崇められる時勢にあって

内容を知らずに座る人は少ないだろう。

 

それでも尚「映画にゃポップコーン」

と譲らない嗜好者がいることは認める。

だから数人であれば私も気に止めない。

 

交通量調査みたいにカチカチッと

カウントしていないから肌感だけれど

半数近くがバケツと一緒だったのだ。

 

となれば「ネット購入特典で

ポップコーンプレゼント

あるいは「3割引で購入可能」

的なサービスがあるのかしらと

初老で縮みゆく脳は考えた。

 

その映画館においては毎月9日は

500円てのは見た気がするが。

 

エンドマーク。

食べ残して出る人が沢山いた。

ローマ教皇の死去による選挙を軸に

エドワード・ベルガー監督が描く

深く美しいフィルムで

手はポップコーンに伸びなかったよう。

 

てか、そもそもがデカ過ぎ

ペアで食べる想定?

⋯⋯若いと一人でもイケちゃうのか。

 

紀元前3600年の遺跡から痕跡出土

と言われるほど、太古からある

ポップコーンの話ばかりしても詮無い。

映画の感想も少し

 

前評判通りの重厚な作品。

ベテラン俳優が実に良く、

ローマ教皇選挙(=コンクラーベ)が

なかなか決しない〝根比べ〟は、

売り言葉の「ミステリー」要素大!

ただ。

冷静に振り返ると深い内容ながら

こまかなエピソードは弱い。

それを補って余りに余らせたのが

フォルカー・バーテルマンの

抑制の効いた精密かつ美しい音楽

 

アカデミー賞「作曲賞」は

ノミネートまでで受賞には至らず。

残念。

 

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にゃにゃにゃ

2025年04月17日 | 鑑賞

以下は昨年10月に、書きかけて

没というか放置された駄文

↓↓

 

テレビをつけたら、フリフリで

色鮮やか且つ色違いの衣裳を纏った

女子7、8人が

🎵にゃにゃにゃ にゃにゃにゃにゃ♪

♬にゃにゃにゃ にゃにゃにゃにゃ🎵

と歌っていた。

 

と認識した瞬間に決めポーズ。

画面左上に曲名とグループ名も

クレジットされていたようだが、

目に焼き付けるには時間がなく、

MCの女子アナが「続いては…」

って次のアーティストを紹介。

 

手がかりは「にゃにゃにゃ〜」のみ。

試しに検索してみたらば、

まるで様子の違う、でも確かに

「にゃにゃにゃ〜」だけで構成された

楽曲にヒットした。

 

次に・・・

コレサワ『にゃんにゃんにゃん』

こちらはメロウな曲調。

冒頭のアップテンポのじゃない。

 

さらに・・・

『アイドルはウーニャニャの件』とゆー

2015年4月8日デビューの

AKB48およびその姉妹グループで

結成されたユニット

ニャーKB with ツチノコパンダの楽曲。

こちらも多分ちがう。

 

「にゃにゃにゃ」な歌って、

こんなにあるんだニャー

 

 

↑↑↑

まで書いて、未完。

書いたことすら忘れていた。

 

4月8日に右目の白内障手術をした。

2月の左目につづいて。

日帰り手術で、翌日に眼帯を外しに

午前に通院し検査も。

仕事はせず安静

 

暇なのでネットサーフィンしていたら、

CUTIE STREETという8人組アイドル

『かわいいだけじゃだめですか?』に

当たり・・・

「あ! こりゃ例のにゃにゃにゃだ!」と。

 

ただ

眼は良くなったけれども

耳は寄る年波に勝てず、

速い曲に日本語と譜割をわざとズラした

イマドキの楽曲を一度ではキャッチ不能。

歌詞を検索して文字として認識。

1番に小野小町、2番でクレオパトラ、

とくれば「昭和のおじさん」は

楊貴妃が3番と思うわけだが、

作詞家はマリリン・モンローを選択。

 

なるほど

「世界三大美女」のくくりじゃなく、

「戦国」「紀元前」ときて「ちょっと前」、

つまり、

B.C.69年1月13日生〜30年8月12日没、

A.D.800〜900年(生没年不詳)、

1926年6月1日生〜62年8月5日没の

「時」のものさしを採用したよーだ。

 

歴史はさておき。

「かわいいだけ」でも

「Tリーグの全12チームと所属選手、

その背番号が全て言える」でも

何かしら取柄があれば「だめじゃない」。

 

半年経って解明された謎だが、

この程度の感想しか浮かばないのは

「だめですか?」

 

術後一週間の経過観察が15日。

右目は順調に快復しておきます。

 

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若い人にみてもらいたい〜1980僕たちの光州事件

2025年04月05日 | 鑑賞

「若い人に見てほしいね」

と携わった舞台を評されたり、

反対に一観客として芝居を見て

「若い人に見てほしい作品」

と制作者に伝えて劇場を去ったり。

 

  

 

4月4日に封切れた韓国映画

『1980 僕たちの光州事件』を観終えて

「若い人に見てほしい」とまず思い、

椅子から立つと、ドアに向かうのは

残念ながら先輩達ばかりだった

⋯⋯平日13時45分からの回ながら

春休み中でもあったのに。

 

 

『侍タイムスリッパー』を

爆発的ヒットの火付け役的な

池袋のシネマ・ロサでの鑑賞で

脳裏に浮かんだもう一つが

「文部省選定映画の匂いもしたな」

 

今は文部科学省なのは知っている。

ただ、サラリーマンが未だに

「うちの大蔵大臣に相談しなきゃ

と財務省や金融庁を使わないように

文科省ではなく昔名であえて呼びたい!

そんなテイストの映画でもあった。

 

1980年といえば、僕は中二。

光州事件に関心などなかった。

なので言えた義理ではない、

というか悲しいかな「若者に⋯」と

言う側に回って久しいということ。

 

当時の日本は大福三角時代で、

第二次大平政権の末期。

そう「先輩達」は青春に居た。

仲間と隣国の悲惨な事件を

熱く語っていたのだろう

 

 

光州の「和平飯店」が映画の中心。

ジャージャー麺が名物で

何度も何度もスクリーンに登場した。

ので、映画館を出た足で

韓国料理店に直行した。

ところが!

その店に目当ての麺はなく

仕方なくコムタンラーメンを食した。

 

ジャージャー麺が好きなわけじゃなく

むしろ塩味のコクのあるスープを

美味しいと感じていて。

ただあんなに見せられたらね

 

好みではないものを口にする。

そこに新たな発見もある。

そんなわけで、日本の若者にも

1980年の忘れてはいけない事件を

是非目にして欲しい。

 

さて、その日は。

尹錫悦大統領の罷免を憲法裁判所が

午前に言い渡した日なのだが、

偶然にも封切日と重なったことに

少し驚きながら白いスープを飲んだ。

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ミスマッチ

2025年04月01日 | 鑑賞

minmiのアルバム『I LOVE』を聴きながら

宮部みゆきの『きたきた捕物帖』を読む。

 

ざっくりいえば、

耳からブラックミュージック系を、

目からは江戸を舞台にした小説を。

 

前者は2013年リリースされている。

1stアルバム『Miracle』から始まり、

『imagine』『Natural』『MOTHER』

と続いて5作目の『I 〜』までの

頭文字でminmiになる。

 

後者は雑誌連載が2018〜20年、

その年には早くも単行本となり、

文庫化が22年。

岡っ引き見習いの北一が主人公の

短編を紡いだ第一弾。

シリーズは『子宝船』『気の毒ばたらき』

と続いてゆく。

 

アルバムはサンバ、R&B、ロックに

音頭などなど幅広いジャンルが楽しめ、

深川あたりの狭いエリアで展開する

一話完結とのミスマッチが実に心地よい

 

ミスマッチ・・・もともとは

「釣り合わないこと」を指して、

「釣り合わないものを

意図的に組み合わせる」場合も使い、

筆者的には、ちょいと昔に、

食べ物の流行において

何だか乱発されちょるな〜

と思い始めたうち、すっかり定着。

当たり前に使われるよーになった

wordのひとつだ。

 

それにしても。

宮部みゆきの運びの秀逸さは何なんだろう。

先にシリーズになっていると紹介したが、

第一集の四話の一つひとつの筋立ては元より、

主人公の紹介(ふぐと福笑い)に続き、

周辺主要人物を浮き立たせ(双六神隠し)、

のちの相棒に焦点を当て(だんまり用心棒)、

いよいよ文庫売りから岡っ引きへの一歩を踏む

(冥土の花嫁)という流れまでも

マーベラスに展開する筆たるや!

しかも北一の成長過程の、伸びる寸法が

小憎らしいほどに絶妙なのだ!!

 

それから。

minmiのアルバムにはDVDが特典あり。

作り込んだCDとは対照的に、

コンサートライブなのでノリノリだ。

会場は大阪城ホール。

 

 

末筆になったが・・・

拙blogの今回題名と歌い手と小説家は

たまたまだが頭が「み」。

嗚呼!

もっとブログの中身も実があったなら。

  

 

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雪と桜と吉井勇と

2025年03月27日 | 鑑賞

西から北上するのが桜前線

だったけれど、

最近はイレギュラーも多く、

今年は東京が一番に開花した。

ついこないだ雪が降ったのになぁ。

 

昨日、宮崎の西都市では30度。

もぉ訳がわかりませぬ。

 

 

雨男だの晴れ女だの、

科学的にはありえないらしいが

自らそう名乗る人に時たま出くわし、

また気のせいか、彼ら彼女らは

少し自慢気にも感じられる。

 

さておいて。

「遊戯空間」はそれの流れで語ると

〈雪劇団〉といえるのか?

 

『狂人よ、何処へ

~俳諧亭句楽ノ生ト死~』

作/吉井勇

構成・演出/篠本賢一

於/上野ストアハウス

その初日の朝、2025年3月19日

東京は季節はずれの雪。

 

2018年1月、浅草の木馬亭での

『全段通しリーディング

仮名手本忠臣蔵』六演目。

その千秋楽にも雪。

開演前は何でもなかったのに

幕が開いてから降り始めた雪が

終演の頃には積もりにつもって、

下町を真っ白に染めた・・・

 

ご存知の方も多いだろう

『忠臣蔵』といえば仇討ちは雪の中。

 

ただ『仮名手本〜』は幕府の禁制から

時代や名前を変えた作品なので、

大石内蔵助を先頭に仇首とともに

泉岳寺に向かう場面等はないのだが

 

 

その印象のせいだろう!

〈雪劇団〉と書いたのは。

 

水曜日の雪は午前のうちにはあがり、

夜劇場に向かう頃、道は乾いてさえいた。

 

さて、雪のあとの道と異なり

ブログの道筋は覚束ない。

遊戯空間の最新作の話だ。

 

大正・昭和の歌人で、松井須磨子の

『ゴンドラの唄』の作詞者でもある

吉井勇が、落語家・俳諧亭句楽を描いた

9本の戯曲、『句楽の日記』など小説を

構成し、2幕の舞台にしたのが

『狂人よ、何処へ

~俳諧亭句楽ノ生ト死~』だ。

 

数行前に〈雪劇団〉と述したが、

詳細にいえば今は劇団ではない。

プロデュース団体だ。

とはいえ今回も、おなじみの役者衆に

新たな顔ぶれを加えて、

劇団的なまとまりを魅せてくれた。

 

シアターコクーン『アンサンブルデイズ』、

文学座『リセット』、東京演劇アンサンブル

『白い輪、あるいは祈り』といった

同時期の、かつ歴史ある団体の芝居を抑え、

「こりっち」週間口コミランキングで

堂々1位に立つなど、好評裡のうちに

23日に終幕。

 

もっと早く筆を取りたかったのだが。

 

主宰篠本賢一は早くも、

代表を務めるもうひとつの劇団

「うつり座」公演を5月に!

足を止めずに……。

そちらは早々に感想が書きたい

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白い輪、或いは・・・

2025年03月23日 | 鑑賞

ミラクルな逆転劇で勝ち上がる、

或いは、圧倒的な怪物がいる。

そんなチームに注目は集まりやすい。

けれど、個々が与えられた仕事を

的確にこなす集団は

話題性は別にして〈強い〉!

 

古豪に多い特長とも言えるが、

創立70周年の老舗劇団

「東京演劇アンサンブル」も

まさにそんな〈塊〉といえる。

 

 

70周年記念公演第3弾

『白い輪、あるいは祈り』は、

この劇団の出自でもある劇団俳優座の

先人たちがつくった劇場で19日に開幕

 

俳優座養成所3期生が集まって

1954年に結成され、

発足時「三期会」と称した

東京演劇アンサンブル(以下TEE)。

 

そのTEEが節目の年に招いたのは

鄭義信(チョン・ウィシン)。

新宿梁山泊から世に出た彼もまた

辿れば俳優座に連なる。

 

彼が最初にいた「黒テント」は

俳優座養成所第14期生の佐藤信らが

立ち上げたアングラ劇団だ。

 

そしてまた、TEEといえばブレヒト。

「異化効果」などの演劇理論を生んだ

ドイツの演劇人の作品にこだわり

上演してきた彼らが、

ブレヒトの代表作のひとつ

『コーカサスの白墨の輪』をもとに

鄭流にアレンジし演出するのが

『白い輪、あるいは祈り』。

 

2015年韓国国立劇場の依頼により

上演された韓国唱劇『白墨の輪』を

下敷きに今回再構成され、日本初演。

 

 

さて、チームが前年度優勝だろうと

初出場だろうと、

エースは居てムードメーカーが居る。

 

TEEも脈々と看板俳優を輩出してき、

今は永野愛理(ながのえり)と

雨宮大夢(あめみやひろむ)の

2011年に入団した同期二人が

主演を張ることが多い。

領主の子を育てる女中グルシェと

その許嫁のシモンが今回の役どころ。

 

サッカーでは危機の芽を積む守備や

ハードワークをこなすボランチが

玄人筋には評価が高いが、

演劇においてもコメディリリーフ等

脇に徹して楽しませる役者がいる。

『白い輪〜』では三木元太がその責に。

舞台監督など裏方でも劇団を支える

中堅が役者としても一皮むけた。

 

ブレヒト『〜白墨の輪』といえば、

座長クラスが担う裁判官アツダクに

洪美玉(ほんみお)。

タカラヅカのトップよろしく

艶やかに凛々しく演ってのけた!

 

一方で、入団間もない福井奏美が

育ての親グルシェと対立する

産みの親にして領主夫人ナテラを

好演……とこの調子で書くと、

出演者全員に触れてしまいそうだ。

 

最初に書いたように与えられた役割を

個々が全うした〈塊〉の結晶が

何より一等素晴らしかった。

 

その公演も明けて今日23日が千秋楽。

そして、会場の俳優座劇場閉館も

いよいよ来月末に迫った。

 

挿し込んだ2枚の写真は

コーカサス地方のイメージ画像。

 

追記

俳優座劇場は閉館するが、

株式会社俳優座劇場は存続し、

〈俳優座劇場プロデュース〉を冠した

演劇作品の製作も続く予定。

尚、別法人の劇団俳優座も勿論健在。

〈創立80周年記念〉の15公演も

いよいよ5公演6作品を残すのみ。

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ユスターシュ

2025年03月20日 | 鑑賞

Jean Eustache(ジャン・ユスターシュ)

1938年11月30日〜1981年11月5日。

フランスの映画監督・脚本家・編集技師。

 

もとから映画に詳しくないこともあり、

まるで知らなかったシネアスト。

(シネアスト=映画人/仏語)

 

観たのは『ぼくの小さな恋人たち』

『ママと娼婦』。

後者は3時間40分の長尺でした。

彼の長編劇映画第一作でもある

『ママ〜』はカンヌ国際映画祭

審査員特別賞を受賞。

 

2編ともフェードアウト多用。

あとから調べて判ったのだけれど、

劇映画と記録映画の境界を考察する

映画理論に立脚している人で、

確かに懐かしさが底辺にあり、

そこに新しさ・・・と言っても、

1973、74年の作品という点を

踏まえた新しさ・・・が建っている。

一言でいえば攻めた映画!

 

なので反時代的な作風とも言え、

カンヌの客席からはブーイングが。

それも当時なら充分に頷ける。

 

前調べがなくとも「自身の投影」が

強いよな〜とわかる作品は、

また言いようのない「陰」を

じわりと感じさせる映画なのだけれど、

43歳の誕生日の数週間前、

ユスターシュは自室でピストル自殺。

 

何があったのかしら。

 

 

創り手のことは置いて。

噛み応えがあり、観終えて腹に溜まった。

いまどきは負担なく楽しめるものが多く

(それを否定はしないけれど)、対して

顎は多少疲れるし、肉汁には苦味もある

のだけれど、それが心地よい。

 

時間ができて、芝居は昼なら14時、

夜なら19時前後の開演だから、

それにハマらない場合、映画でも

とロードショーを見渡して……

結局ミニシアター系に足が向く。

 

特に最近は早稲田松竹が多い。

周波数が合っているようだ。

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『ソウルの春』『シビル・ウォー』

2025年03月11日 | 鑑賞

地震の前に動物が騒ぐように

表現者もまた警告を発する。

 

23年公開の韓国映画『ソウルの春』

(日本では翌年ロードショー)は

1979年12月12日に実際に起きた

粛軍クーデターを題材としており、

24年公開のアメリカ映画

『シビル・ウォー』(日本も同年)は

近未来の内戦を描いている。

 

ファン・ジョンミンが

全斗煥をモデルとした

全斗光保安司令官を演じ、

正義感に厚い首都警備司令官

李泰臣(扮/チョン・ウソン)と

激突するのが『ソウルの春』

 

他にも韓流ドラマ好きにはたまらない

超豪華なキャスティング

 

イ・ソンミンは李に大任を命じ

国家存亡を託す参謀総長役、

かたや全の盟友にはパク・ヘジュン、

陸軍士官学校1期先輩にアン・ネサン。

 

韓国のターニングポイントの中でも

巨大事件を描くだけにオールスター

 

そして「正義」が敗れ、

軍事政権ができあがる!

 

 

19州が連邦政府から離脱したアメリカ。

「西部勢力」と「政府軍」の内戦を追う

戦場カメラマンのリー

(扮/キルスティン・ダンスト)ら

ジャーナリストチームがNYから

D.C.のホワイトハウスに向かう

ロードムービーの一面を持つ作品は、

ヘリに戦車、銃器などなど

惜しげもなく(?)派手に使い、

「反戦」や「分断」を描き出す。

 

派手といえば、その国の現大統領が

あいもかわらず遣りたい放題

『シビル・ウォー アメリカ最後の日』

では、その時代の大統領が

あっさり西部勢力に銃殺される。

 

アンチトランプ派は映画をみて

快哉を叫んだのか?

トランプ派の解釈は、

自分達が新たなUSAを築く側で

古いホワイトハウスを粉々にしたと

自負しながらムービーシアターを

後にしたのかしら?

 

地震の前に動物が騒ぐように

警告を発する表現者の胸は内は?

 

  

 

昨日は目黒で〈オムニバス映画〉の

二本立てについて触れたが、

こちらは高田馬場の「早稲田松竹」の

〈内戦映画〉二本立て

 

封切館ではない名画座ならでの企画。

彼らもまた表現者といえるが、

どんな思いで番組を組んだのだろう。

 

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整理番号25番

2025年03月10日 | 鑑賞

過日、目黒シネマで

『ナイト・オン・ザ・プラネット』

『アット・ザ・ベンチ』を観た。

 

 

自由席のため入場は整理番号順。

入場口前からロビーのドンツキまで、

そこで折り返して列は再びドア方向へ。

両壁に沿って並ぶ椅子で待つ形になり、

ちょうど僕からが立ちになった。

その番号が25。

立って待つ列はトイレに向かい、

4人目がお尻についたところで開場。

 

昨年11月に公開されたばかりの

日本のインディペンデント映画

1991年、米英仏独日による製作の

ジム・ジャームッシュ脚本監督作

の二本立て。

共通項はオムニバスという点だ。

 

奥山由之の製作・監督による

『アット・ザ・ベンチ』は

まるっきりタイトルのまんま

川沿いのベンチで繰り広げられる

エピソード。

広瀬すず、今田美桜、森七菜ら

今をときめく若手俳優が並び、

そのせいか観た回は若者多数。

 

ウィノナ・ライダーや

ロベルト・ベニーニらが

タクシードライバーを演じ、

ロス、パリ、ローマなど5都市の

同日を描いた名作の誉れ高い

『ナイト・オン・ザ・プラネット』を

学生なら1本600円換算で観られ

「タイパ良いじゃん!」

ジャッジしたのだろうか?

駅開業140周年の目黒に集った。

 

 

明治18年日本初の民営鉄道会社

「日本鉄道」の駅として開業。

同39年、国有化により国鉄の駅に。

山手線となったのはその3年後。

目黒蒲田電鉄の駅が開業したのは

大正12年。

そんな年月を積み重ねての5万日超。

目黒駅の階段ラッピングが

わたせせいぞうなのは、

駅すぐに彼の事務所兼ギャラリーが

あるからだろう。

 

 

・・・話が逸れた。ブログの線路の

分岐レバーを戻しましょう。

 

まだ34歳の奥山監督だけれど、

『ナイト・オン〜』は観ているはず。

タイトルエンドのキャストを

緑や青などエピソードごと単色で

クレジットしたのはオマージュだろう。

 

還暦間近ながらおこちゃまな私は、

正直『〜ベンチ』が面白かった。

 

1話と5話のよくある幼馴染ネタを

広瀬、仲野太賀が好演。

生方美久のオーソドックスな中に

巧みにスパイスを効かせたホンが良く、

2〜4話の「個性」をうまくサンドイッチ。

 

戻した途端に、また分岐しちゃうけれど

3話の根本宗子が、作演出を担った

演劇作品を〈過日〉翌日に観た。

それは下北沢。ひさしぶりの本多劇場。

 

2年くらい空いたのか?

支配人の大岩さんが退職されていた。

彼とは……。

今日はこのへんでドアが閉まりま〜す。

 

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