麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

七五調のアナログとデジタル~PS風邪をひきませんように

2005年10月18日 | 鑑賞
桟敷童子『風来坊雷神屋敷』
北区・飛鳥山公演内特設天幕劇場
10/17(月)19:30~ 
前2列目上手から2つ目で観劇。

○まずはじめに○
北とぴあ演劇祭と文化庁芸術祭に参加。つうことは弊団と一緒だ。ただ東演は演劇祭と芸術祭の参加演目が違うけれど…。

○アナ/デジ○
泥にまみれてテントを作り、天候もなんのその、芝居を奉ずる…そうまさに演劇の原点である「奉ずる」ような活動を続けている桟敷童子だが、この一見アナログな表現を支えているのは、実は最新のデジタルな照明や音響の機材である。
で、このアナ/デジが今回の作品に関わっているのダ。

○二大女優激突○
これまで看板の板垣桃子池下重大が話の核で、濃い面々が脇を固めてきた桟敷童子。今回もその線は基本的に変わらないが、志乃役の新井結香が板垣に十二分に拮抗し、今伸び盛りの劇団をさらに次のステージに押し上げる可能性を感じさせた。

○ロスコと天然ロスコ○
さて前述の通りテント芝居。ここ数日天気が悪いけれど、この日も劇的効果を生むロスコに勝るとも劣らない「天然ロスコ」=役者の衣裳や頭から立ち昇る湯気が、物語の中の“雷神峡日陰谷邑”の厳しい生活をリアルに魅せるとともに、まじで役者達よ健康管理に気をつけてネ…って本気で思った。

★この先ネタばれあり★

○因習と土木工学○
さて、今回も生贄だのなんだの桟敷童子らしいテイスト盛り沢山なのだが、「おおっ!」と思ったのは、因習に立ち向かい、その最大の敵である龍神様は、まずは「大自然」であり、それを抑える為にズバリ土木工学を持ちだすという点である。
勿論、科学万能ではなく、それには「人の心」に巣喰う龍神をまず倒さねばならぬ…と理解した上で舞台を駆け回る池下演じる興櫨木流は、キャラクターとして新しい桟敷童子を予感させた・・・。

○水○
テントのお楽しみは、芝居の中身もさることながら《仕掛けのスペクタクル》の比重も大きい! が、この点では少々ハズレでした。席が冒頭に書いた所ってこともあったろうが、舞台の底一面に作られた「本水のプール」は機能しなかったし、まあ「雨」の方は、特にクライマックスの、例えるならデモ隊への放水のような勢いは迫力あったが・・・。

○次は下北沢演劇祭○
とにかく、五七調の決め台詞の数々は相変わらず美しく、狭いアクティングエリアで、あの人数のあの量のアクションは感嘆に値する! ただ殺陣に関してはもちっっと整理できたかな?とも思うのだが…、要所要所でピンライト浴びてモノローグする板垣の魅力の前に、そーゆー些末なことは・・・それこそ「水に流れて」しまうのだった。

【文中敬称略】
今回新しいスタイルを試みてみました。
コメント
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