昨日の拙文で触れた「丸の内TOEI」の
最終上映作品は、1980年公開の
『動乱〜第1部「海峡を渡る愛」
第2部「雪降り止まず」』だったらしい。
高倉健と吉永小百合の競演作で
後者がサプライズ登場も。
さて、同ビル内の東映本社は一足先に
「京橋エドグラン」に移転済み。
東京メトロ京橋駅直結の複合施設は
2016年11月オープン。
そんな京橋に昨日偶然行ってきた。
有楽町線銀座一丁目駅から
上のエドグランを左に見て過ぎ、
京橋テアトル試写室にて
『アイム・スティル・ヒア』を鑑賞。
鎮かな、けれど力強い映画だった。
公開は来月8日。
1970年代、軍事政権下のブラジルの
実話を元にしている。
元国会議員のルーベンス・パイヴァが
突然軍に連行され、妻のエウニセも
数日後に拘束・尋問を受ける。
パイヴァ家には監視がつき、
電話は盗聴される。
同じ頃地球の反対側で僕は
すりむいた膝小僧に赤チンを塗り
無邪気に遊んでいた。
恐らく似た年頃の少年マルセロは
仲間たちとの裸足のサッカーや
野良犬を飼うことに熱中するも
生活が一転。
そして成長し『Ainda Estou Aqui』
(日本未発表により原題)を上梓。
映画の原作になる。
メガホンをとったウォルター・サレスも
幼少期にパイヴァ家と親交があり、
その記憶が作品に厚みを持たせていた。
陽気にサンバを踊る国ブラジルの
別の顔が、心に刺さった。
拷問シーンなどを一切入れ込まず、
だからこそ恐ろしさが極まる137分。
繰り返すが、鎮かだが深く強い映画。
冒頭紹介した『動乱』は、
五・一五事件から二・二六事件、
つまり日本にも軍靴の音が高まった
季節を描いている。
そして、第二次世界大戦へ。
終戦から80年。
日本は奇跡的に平和の中にある。
けれど多くの国々では
理不尽な戦争や内戦等が起き、
いまなお不幸に喘いでいる。
これは事実。
そして参院選の結果も事実。
だけれど、今立ち止まらないと危うい!
と早計には言葉にしない。
紙幅が尽きたので別稿にて。
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